『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2018年9月10日月曜日

ロータリーの友を読もう9月



Rの友地区代表委員  深尾 兼好

表紙が面白い表裏タッチは違うが優しさがあって好感が持てた。文房具を椅子や土台にすることで、学ぶことの楽しさや学ばせる為の支援の大事さが伝わってくる。月の中にウサギやカニ、今の子ならロケットが見えるのも夢があっていい。
Mr.バリーのメッセージ7月から発展的に「個人を輝かせる」から「モチベーションを持ったクラブ
へ、今月は女性や若者の力を取り込んでインスピレーションになろう、というメッセージ。だんだんRI会長のテーマの意図が分かってきたような気がする。

今月の特集は『基本的教育と識字率向上月間』ということで、
6人に1人が貧困と言われる日本の子供たちへの取り組みが紹介されている。貧困とは裏腹に大量に廃棄されている食品、その食品ロスの問題を解決する「フードバンクTAMA
。学習支援、就労支援で子供たちに居場所を提供する居場所型支援塾を始めたNPO法人エンカレッジ」。アスレチックやバーベキューなど子供たちの希望を取り入れた催しで仲間づくりを企図する「キッズドア」。親の収入で子供の教育の機会が左右されないようにと,[子ども食堂]への資金援助、食材提供、広報に主眼を置き活動する「あいち子ども食堂ネットワークRCCどれもが地域のロータリークラブが中心となっての奉仕活動であるが、ロータリークラブの単年度制による継続支援の問題、クラブの理解が得られず個人に依存しがちな組織の問題から,市民運動に拡大させる苦労等、多々課題があることも理解できた。
また、子ども食堂の開設に地区補助金を活用した池田RC、そば打ちで子ども食堂を支援する大宮中央RCの例もあり、できることを、市民や自治体、既存団体と一緒にやることが長続きする秘訣かもしれない。

次が、もう一つの特集『ロータリー月間』について。友地区代表委員の仕事について紹介されている。ガバナーの代理として地区の情報を「友
に伝え、友の編集にも意見を述べる、という大層な役目だが、殆どの代表委員が地区組織の中には位置づけられておらず、地区情報の収集に難儀している現状にあっては、非常にありがたい特集であった。
ロータリーの機関誌であり、仲間との交流誌であり、新会員のテキストであり、一般市民へのPR誌でもある、という誌の特性を理解し、積極的に任務を果たそうと思った。
33のロータリー雑誌の表紙が見開きで掲載されており、デザインの進化に驚いた。それぞれお国柄が出ていて面白い。

20頁には2760地区の『第1回青少年学友交流フェスタ』の紹介。
400人もの学友、ライラリアン、ローテック、インターアクトが参加しての「大運動会」だが、資金以外の企画運営のすべてを若者に任せたとか。若者目線のプログラムやSNSを使ったWEB会議など、参考になった。
22頁からは『心は共に』東日本大震災支援の現状が報告され、様々な取り組みや支援を受けた奨学生のメッセージに感激したが、日本各地で大災害が頻発している昨今、支援の継続に不安を持った。
28頁は97日から劇場公開される「ブレス,しあわせの呼吸
の紹介。ポリオで全身麻痺となった英国人とその家族の実話だが、「人生の価値は長さではなく内容だ」「ポリオ撲滅の意義を再認識した
 鑑賞したロータリアンの声を目にし、是非見たいと思った。
もう一つ目についたのが36頁、「ローターアクトクラブの優れたプロジェクトの表彰
。最優秀のスリランカのRACHIV/エイズに感染した女性の自立を支援しよう、ということで、なんと、女性たちが自分の作品を売買できるサイトを立ち上げ、専門家たちの指導も斡旋して技術力を高め、販売ルートも確保するなど、社会から見捨てられた弱者に自立の道を提供したことが評価された。

横組みの最後は『トロント国際大会』、野崎編集長の報告では、50周年を迎えたローターアクターの参加と女性講演者の多さに今までとの違いを感じた、とか。イギリスのアン王女、アメリアのブッシュ元大統領夫人、ニュージーランドのヘレン・クラーク元首相、最も輝いていたのが、ルワンダの大虐殺で身内を失ったマリア・ポール・アテマさん。「私の人生に変化をもたらしてくれたロータリアンに感謝します」といって、ステージ下の赤ちゃんに駆け寄るシーンは会場の拍手が鳴りやまなかった、とか。国際大会での、女性とローターアクターの積極的な主張にはロータリーの新時代を感じた。

縦組みの、『SPEECHでは、2520地区のIMの講演「子どもも大人も地域も育つ包括的こども食堂」。NPA法人インクルいわての山屋理恵理事長は「一つ屋根の下にいろいろな人」をコンセプトに、世代の違う他人が「食」を入り口に一緒に話をし、支えあう場を提供
困難を抱えた子どもを救済する事業を立ち上げ、貧困の連鎖を断ち切る手段を模索されている。「私たちの本当の武器は優しさ。虐げられた人、弱者への優しさ、眼差しが武器」という言葉が印象に残った。
『クラブを訪ねて』は秋田の木都、能代RC。秋田杉の製材、加工で木都と呼ばれ田町だが、今は半ばシャッター通りと化したという。この町で頑張っているのがローターアクター。たった4人だが、ロータリー七夕を実現した。これを支援するロータリアンもかつて威容を誇った大灯篭を復活し、天空の不夜城を再現するのが夢だとか。日本一の大灯篭の写真が綺麗。
今月号の当地区からの投稿は「私の一冊」の宮崎北RC菅沼龍夫会員。かのリチャード・ニクソンが執筆した「READERS」。『ROTARY AT WORK』には、鹿児島SWRC・宮崎東RCの「車椅子バスケ南九州大会」が掲載されている。