『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2019年12月9日月曜日

ロータリーの友を読もう12月


ロータリーの友を読もう12月
ロータリーの友地区代表委員   深尾 兼好

表紙をいつも楽しみにしているが、今月号もなかなかいい。
横組みが、雪が散らつく都会の冬。喧噪が嘘のような静かな風景。
今でも早朝の一瞬、こんな時間があるような気がする。
縦組は、福島喜三治さんのイラストで誠実な人柄がそのまま描かれている。
米山梅吉さんの陰に隠れて知らないロータリアンも多いが、
実質的な日本ロータリーの創設者、「友」でももっと紹介してほしい。
今月のマロRI会長のメッセージ「アロハ、ロータリー」
アロハはすべての人を尊重することと家族で喜びを分かち合うこと。
今年度の国際大会は、その「家族で喜びを分かち合う」イベント
たくさんあるらしい。人も自然も陽気で明るいホノルルにまた行ってみたくなった。
特集は、疾病予防と治療月間に因んで『元気にRを続けよう』 
R活って初めて目にしたが、これは使えそう。
特集の初めは「がん予防」
2710地区はがん予防推進事業を地区の戦略計画として立ち上げ、
委員会の活動が紹介されている。
「がんを防ぐための12か条」喫煙、節酒、適度な運動、塩分控えめ、
野菜の摂取・・・うーん私には無理。でも早期発見なら90%が治癒するらしい。
こういうところだけは目につく。
次がこの2710地区の「がん予防推進活動3年間の成果」。
各クラブから医療従事者をピックアップし講師として派遣、
卓話や公開講座を実施し、IMのテーマをすべて「がん予防」にするなどした結果、
喫煙率が減少、がん検診受診率が上昇。二次予防への関心が高まったと報告されている。
凄い、その努力には敬意を表したい。
次が「ミャンマーでの学童検診」
ミャンマー米山学友会との協同奉仕活動として実施され、僧院に寄宿する、
体重や身長を測ったこともなく、医師にかかったこともない貧困の子たちを
中心にワクチン接種などを行った。現地ではロータリアンは基より、
ローテックスや日本語学校、現地の役所や医師会とも連携し
ロータリーのつながりを実感する機会でもあった、と記されている。
最後に愛知県の安城RCが「ロータリー体操、手に手つないで」を考案
したことが紹介され、安城RCは、ひそかに全国に広まることを期待しているらしい。
面白そう、公共イメージの増進のいいアイデアだと思う。
16ページ、厳しさと優しさと両方感じる男性のポートレートが掲載されている。
The Rotarian10月号から転載、ノーベル平和賞受賞者デ二・ムクウェゲ氏。
コンゴの婦人科医で残忍な性暴力被害者を治療し、正義を求めて被害者救済に
人生を捧げた、と紹介されているが、その内容は想像を絶する。
レイプ被害は私たちの周辺でも起き、許しがたき犯罪として訴追されているが、
コンゴ紛争の現状は次元が違う。
「第二次大戦以来世界で最も致命的な危機」、
「世界のレイプの中心地」、
「戦争の武器としての性暴力」と表現されている。
そこに記されているのは、何十万人もの女性に対して、性行為とは無関係に
武器を使って性器を破壊し、生殖能力まで奪う残虐な行為。
全く人間性の欠片もないテロリズムだ。
ある地域では体系的に計画され、地域社会を破壊するためすべての女性の性器を
破壊した例すらあるとも報告されている。
そんな中で、ムクウェゲ氏の献身の働きかけで
トラウマを背負った「犠牲者」ではなく、苦痛を克服した「生存者」として
活動を始める女性が増え始めていると書かれていた。無関心ではいられない。
我々ロータリアンがしなければならないことがある、と真剣に考えさせられた。
「ロータリーからのプレゼント」。
全国のロータリアンが行っている子供たちへのプレゼントの一端。
子供食堂や文化、スポーツ、そして国際交流。その中にわが地区出水RC
バレーボールを通じた台湾嘉義東北RCとの交流が紹介されている。

縦組に移って、SPEECH
東京大学の東條有伸教授の講演要旨AIと先端医療」。
最近AIという言葉をよく耳にするが、講演要旨にもあるように、鉄腕アトムや
ドラえもんのような自意識とか想像力まで兼ね備えたAIを持ったロボットを想像し、
人類はAIに征服されるかも、などと井戸端で論じていたような気がする。
だが現実は、アトムのような、万能型、強いAIはまだ存在せず、
人間の脳の一部の機能を持った特化型、弱いAIが活躍し、様々な分野で
人の能力を超えて役だてられている。
このAIが人間を超えるのは2060年頃と予測されているが、
いかに進化しても、人間とAIが補完しあうことが必要で、人間が判断する
という形は変わらない、と書かれていてチョットほっとした。
医療関係の進化は別にして、便利になっても仕事がないのはやはり困る。
ベストセラー作家は2049年にAIで置き換え可能となるらしいが、
自分の文章を機械が書く、というのはどうも・・・という気がする。
『この人訪ねて』は博多イブニングRCの小山田浩定会員。
年商1,440億円という「総合メディカル」という会社の創業者。
九州経済界のカリスマとも、ニヤッとしたのが、薩摩武士、儒教精神を学んで育った、
ということ。インターアクトの指導にも熱心で、
「子供たちは天使やろ、天使を預かる先生は神様や」
不登校生の自立を支援する立花高校を支援している。
「小学生でお世辞を言う奴はおらん。そんな言いたいこと云えるクラブを創ろう」
が口癖とか。ワンコインバーがある例会場でグラスを傾ける「おじぃ」
想像するのも楽しい。
最後に38ページ-「地区大会略報」
我らが喜島健一郎ガバナーのディスコ姿が掲載されている。
「笑顔溢れる大会に」という喜島ガバナーの願い通りの大会になった。