『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2020年10月9日金曜日

ロータリーの友を読もう10月

今月のイラストはちょっと力強い。かぼちゃとパプリカ、赤唐辛子が転がっていてもうすぐ秋。
色使いが素晴らしい。コロナ何するものぞ・・・ 

RI会長メッセージは
ソーシャルインパクトネットワークRCのレベッカ・フライさんの紹介。オンラインで
例会やプロジェクトを行うEクラブだが、会員を地域に限定せず、どの国からでも
受け入れる今までのロータリーの概念を変えるクラブで、主にロータリー学友で
組織されている。会員としての価値に重点を置きクラブを変化させ、
更には会員の国際的なつながりを活かしてクラブという枠を超えた活動を指向する、
まさにホルガ―・クナーク会長の言うロータリーの多様性で変化を推し進める
新しいモデルとなるクラブのようだ。

今月の特集は、コロナ禍での自然災害
「各地からの思いをつなぐ」
恐れていたコロナ禍中での災害、熊本豪雨におけるロータリーの災害復旧支援活動が紹介されている。
まず始めが、
周辺RCの支援で「人吉市の街中に支援物資拠点を構築した」という報告。
人吉中央RCの村田優子会員は、自らも被害を受けながら、混乱する被災地
の中で、持ち店舗を提供し、近隣のロータリアンの協力で拠点を立ち上げた。
各地のRCから続々と支援物資は到着し安堵したが、避難所に派遣された
保健師がコロナに感染。コロナの渦中では県外からのボランティアを受け入れることも
かなわず、8月末時点でも、まだ街のあちこちで災害ごみが山積みされたまま
だという。極めて困難な状況の中、地元ロータリーの力が問われている。
次は
熊本地震での経験から、人吉RCの本田節会員が、
炊き出し支援を効率化するキッチンカーを提案、
地区の被災地支援プロジェクトに申請して「ロータリー命のキッチンカー」が誕生した。
今回の豪雨では、キッチンカーも被災したが、たくさんのロータリアンの物資支援や労働支援で
4日後にはキッチンカーを走らせ被災地で「食の支援」を行った。「まずは、ロータリアンが
元気にならなければ」とう人吉RC会長さんの言葉に大きく頷いてしまった。

次は被災地に入ったローターアクターからの報告。
やはりコロナのため、県外からの動員は望めず、災害支援経験の無い、熊本、大分のメンバー
だけで、人吉、八代、日田の復旧を手伝った。すくってもすくってもかたずかない泥、
不慣れなため効率も悪い、経験者の知識と経験が全国で共有できるシステムがあれば、と
痛感したそうである。

最後は
被災地県外からの支援の報告。東日本大震災でお世話になったお返しに
「愛サーブを九州へ」をスローガンに「復興支援プロジェクト」を立ち上げ
支援物資を人吉に送った福島二本松RC、
タイの小民族支援を通じて交流のある人吉中央RCにいち早く義援金と冷凍参鶏湯を
送った大阪梅田RC。この参鶏湯は、前述、街中の支援拠点で熱々がふるまわれたとか。
他人事で済まされることではないが、迅速で心温まるロータリーの大きな
支援がホントに嬉しい。

もう一つの特集は
これも日本のロータリーだけの月間。
『米山月間』
最初のページは、米山記念奨学事業の歴史、1952年東京RCで構想、67年に財団化、
71年にカウンセラー制度、72年功労者制度、83年には台湾に米山学友会が誕生している。
その後は、日本国内、韓国、中国、タイ、ネパール、モンゴル、スリランカ、マレーシア、
ミャンマーと続々学友会が結成され、RCも台湾と東京で認証されている。
アジア各地の若者の日本理解を願った米山梅吉さんの思いは見事実を結んだような気がする。
次が親善大使新しい3人を紹介。アフリカトーゴ、オーストラリア、中国の学友出身者で、
国内外のロータリー会合に出向き、米山記念奨学事業のPRを行う。IM等地区の催しなら
奨学会の広報に申し込めば、旅費等は奨学会の負担で派遣してくれる。
例会卓話の場合の旅費はクラブ負担。日本を信頼してくれる彼らの話、是非とも聞いてみたい。
『世界中のロータリープロジェクト』
1,フランスでは乳がんのサバイバーをテーマとする写真展「ビーナスの夜会」を開催。
  参加者に乳がん治療や定期検診の必要性を訴えた.
  因みにフランスの乳がん発症者は8人に一人、毎年約5万人に上る。
2,ケニアでは、バイクタクシー「ボタボタ」がコロナのため利用激減。
  その運転手を救済しようとキャンペーンを展開しロータリアン、
  ローターアクターらの寄付により、彼らに食料などを提供した。
3.インドではイギリスのロータリアンの発案で、砂塵の多いインドで
  白内障の治療を行う現地RCとの共同のプロジェクトを立ち上げた。
4,メキシコでは。カナダのRCが劣悪な住宅事情を解消しようと
  大工職人を率いて18人のロータリアン他が自分たちの手で、10日間かけて
  2組の家族に3LDKの住宅を提供した。費用は概ねをクラブと地区が負担した。
5,アメリカではアイオワで氷が張った湖面に車を浮かべ、沈む時間を当てるという
  変わったチャリティイベントが開催された。
  くじのチケット販売による収益は地域事業や、
  沈んだ車を訓練として引き上げてくれる消防隊への寄付に使われるとか・・・
  身近なアイデアが面白いイベントを生み出す。我々も見習わねば。

『大人の着こなし図鑑』
「レディスジャケット」

連載コミック
『ポール・ハリスとロータリー』
 第2章 5か年の愚行(後半)に入った。
 「愚行」と書かれているが、決して愚行ではない。友人のジョージ・クラークは
 ポールの将来に期待して、金を出して彼の希望するヨーロッパに派遣した。
 ヨーロッパでは、マクファーランド夫妻が滞在費を立て替えて彼の遊学を支援した。
 その善意と友情が、ポール・ハリスの
 「人間の生活の根本は、善意と友情に支えられている」
 という思想を確固たるものにしたのだと思う。
 佳境に入って愈々漫画に嵌まり始めた。

今月もRI指定記事が印象に残ったので特筆
 RI指定記事「台北国際大会の案内」
 『台湾グルメを楽しもう』
  台北の夜は「夜市」が最高。路上に屋台が立ち並び、毎日賑わっている。
  ショッピング、飲食、その活気に乗せられて、楽しめること請け合い。
  一番賑わう士林夜市もいいが、私は台北101近くの通化街がいい。
  台湾の市民が多く、烏龍茶を買うなら絶対こっち。
  紹介されている「臭い豆腐」も、ガーリックソースを掛けると絶品だとか。
  ぜひ、食ってみたい。

もう一つRI指定記事、R財団管理委員長からのメッセージ
『世界ポリオデーを支援しよう』
  ラビンドラン財団管理委員長の母国スリランカが、まだ内戦状態にあった頃、
  スリランカのポリオプラス委員長として、紛争地帯でのワクチン投与を計画。
  悪鬼の如く恐れられている反政府組織のリーダーに恐る恐る2日間の停戦を提案した。
  リーダーは、予想に反して停戦を快諾。その返信分がちょっと感動的である。
  停戦に同意するとした後「私たちが戦っている相手は、子供たちではないのですから」
  反政府軍が占領する地域のワクチン投与所で、ロータリーは敬意を持って迎えられ
  ワクチンの投与が行われたという。
  「障害は克服するまでは、乗り越えられない壁に思える」
  委員長の文章の展開が上手すぎる。素晴らしいの一言に尽きる。
  コロナパンデミックで再びポリオが蔓延するリスクに世界は直面しているが
  ロータリーなら、これを克服できる。その通りだと確信できた。
 
ひっくり返して縦組みを見ると
 「SPEECH」
 『地域と共に歩む経営』
 北海道でコンビニチェーン(セイコーマート)を経営する㈱セコマの会長
 丸谷智保さんの講演骨子。「地域と共に歩む経営」なんて、地方の企業なら
 みんな言ってる、と思って読んでみると、北海道内179市町村のうち175地域をカバー。
 コンビニチェーンの顧客満足度は4年連続全国一位と書いてあって吃驚。
 農業生産法人を作り「生産」、「製造・加工」、
 道内隈なくネットする「物流」、そして
 小売店舗が1200店舗というサプライチェーン。
 地域の住民の声を聞き地域とのコラボによってどんな地域でも出店の要請に応え、
 特産品があれば、それを活用、紹介し地域にも貢献している。
 面白いエピソード、要請を受けて開設した店舗のオープニングセレモニー。
 主催はなぜか「町」、来賓として丸谷さんは、自分の店でありながら
 「本日はセイコーマートの開店、おめでとうございます」と祝辞を述べた。
 笑い話のようだが、地域住民の愛着、感謝の様子がはっきりと見えてくる。

『この人訪ねて』
 北海道千歳RCの佐々木義朗さん。コロナ禍でもろに影響を受ける旅館業界にあって
 創業100年を超える老舗旅館を経営する4代目。1日1500人のキャンセルにも屈せず
 1日も休まず営業を続けておられるとか。甲子園を目指した高校球児が父親が改修拡大
 した支笏湖の高級リゾートホテルを継ぐため、沖縄のリゾートで修行。
 ここで妻女を娶り帰郷。
 「これからは企業ではなく家業に戻す」と宣言した父の言葉に
 感銘を受け、従業員も家族、ロータリーも家族という気持ちが、この窮状に耐える力を
 生んでいる。地域のお役を何でも引き受けるお人好しと奥様は呆れているが、
 代表理事を務める支笏湖運営協議会のヒメマス(アイヌ語でチップ)は、支笏湖の
 名物になりそうな勢いだとか。これは美味そう、食ってみたい。

『卓話の泉』
 埼玉戸田RC 大島祥男ドクターの卓話「いびきに注意」は、私が今、睡眠時無呼吸症
 の治療中であるため関心を持った。会議中に居眠りする、朝心臓に負担がかかり苦しい。
 まったく書かれている通り。CPAPは音と口に負担が大きすぎてマウスピースにしたが、
 朝まで外れなければ寝起き爽快、頭も冴えている。最後に書かれていた禁酒が必要
 の一言は見なかったことにしておこう。

『友愛の広場』
 岐阜東RCの浦田益之会員の「ロータリー五訓」
 エッ五訓??と思って読んでみた。
 1, ロータリーは上中下が精神
   中という字は口が上下をつなぐと書く。
 2, ロータリーは希望をキープ
   希望なくして前進はない。
 3, ロータリーは業界の代表
   昨今のルーズな運用はロータリアンの誇りを奪う
 4,ロータリーはウィン・ウィン
   言わんとすることが相手の利になれば是
 5, ロータリーは文化リテラシーの道場
   異業種交流は教養の糧
         ナルホド、ナルホド

『俳壇・歌壇・柳壇』には当地区からの投稿無し
『ロータリーアットワーク』
 東京米山友愛RCの「日本から発信、医療物資支援プロジェクト」
 米山学友が作ったEクラブがオンラインを使ってコロナ感染防止の医療物資を
 低価格で提供、購入した物資をクラブ、個人が奉仕活動に転用する、といった
 一石二鳥の効果もうみ、6月のバーチャル国際大会で紹介した。

ロータリーの友は、まず関心のある記事だけから読み始めれば
無理なく購読の習慣が身につく。我らが団体の機関紙なのだから
是非、一度頁を開いて、目を通して欲しい。