『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2019年2月8日金曜日

ロータリーの友を読もう2月


ロータリーの友地区代表委員 深尾 兼好

今月は、縦組み巻頭のSPEECHから読み始めて欲しい。
当地区宮崎西部分区のIMでの講演が取り上げられていたからである。
日本国際連合学会事務局長、久木田純氏
21世紀世代の人生計画、地球と私の運命」。
表題だけでは、なんのことかよく解らないが、読み進めると共感
することが多々ある。
18歳の頃に「私は誰?」という疑問を持ち人生計画を立て、
ユニセフに入り国際的な舞台で様々な経験をされた。
その中で「ホォッ」と注目したのが
東ティモールでの出来事
この国は長い圧政の中で武器の所有を禁止され、
武術によって身を守ってきたためいくつもの武術集団があり、
インドネシアから独立してもお互いに争い大混乱を呈していた
が、かのジャッキー・チェンの一言で仲良くなった話。
互いに争う武術集団が集まる処で、
  「すべての流派を称え、全員一緒に同じ形(カタ)を演じてみないか?」
と呼びかけた。それが共鳴を呼びアンコールの声の中で
「自分が武術から学んだのは、
一つは「己を鍛えること」、一つは「相手を尊敬すること」、
一つは「仲良くさせること」。それができれば皆さんもヒーロー
になれると語った
以来若者たちの間の紛争は無くなり平和が生まれたそうである。

もう一つは19902000年前後に生まれたミレニアム世代の事
PCが急激に普及し、ネット、ネイティブの時代に育った彼らは、
金や権力を得るためには働かない。安定した社会環境の中で
自分勝手に暮らし我々20世紀世代には
「自分勝ですぐ会社を辞める、ニートになっても気にしない、
変な奴ら」としか映らなかったが、

実は違っていた。
21世紀は多様な生き方が当たり前になる
お金よりも心、人間関係や幸福感を重視する社会へ移行し、
経済発展よりも
地球に優しい地産地消、自給自足を選択する社会になる。
その中で地球の運命を自分の運命と捉え
地球を救う世代になるのだとか。

うーん、確かにそうかもしれない。
『クラブを訪ねて』は
     日本三大曳山祭りのひとつ、秩父夜祭の町「秩父RC
自治体の境界争いを「ロータリー友情の森」で解決した会長(故人)がいた
クラブ。ナイトバザールや古い建造物をアイデアで活用するなど
町おこし活動も半端じゃない。
「秩父にとって祭りは宝」と言い切る街に、
これは一度行かねばと思った。
 『友愛の広場』『卓話の泉』『俳壇歌壇柳壇』『ロータリーアトワーク』
どこにも今月は当地区の投稿なし。
『ロータリーアトワーク』「ソムリエ育成プロジェクト」(奈良RC)
「剣士育成プロジェクト」(上尾RC)
SPEECH』を読むと、次世代と触れ合うのが何より優先かもしれない。

そして横組みに移ると
今月の「平和と紛争予防/紛争解決月間」の特集は
SPEECH』からの流れで極めてよく解る。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の日本人職員の約一割8名が
ロータリー財団奨学生。緒方貞子元高等弁務官の後継者が活躍している

特集は「難民を知る」。
ミャンマーの「アリンの物語」シリアの「ジーナブの物語」南スーダンの「オパニの物語」。格差差別によるもの、空爆で町を失ったもの、紛争で生命の危機に晒されたもの。
SPEECH』でも解説されていた持続可能な開発目標SDGsの「誰も置き去りにしないための取り組みが」急務であることがひしひしと伝わってくる。
END POLIO NOWの小さなクラブが挑んだ大きな挑戦も興味深い。
会員数26名、うち外国人が7名、女性12名、例会は2か国語という不思議なクラブ  だが、ガバナーを輩出することが決まった2年前からの綿密な計画を立て、クラシックのコンサートで800枚を完売、大成功を収めた。素晴らしい
ROTRY DAYも感激した。
2580地区の「ひょうご五国+ワールドフェスタ」
五国のゆるキャラ20体をガバナー補佐13人が奔走して集めたと
いうのも凄い、
阪神淡路大震災の教訓を生かした「防災・社会支援ブース」も凄い。
が、感動したのは
「天の時は地の利に如かず、
 地の利は人の和に如かず」
孟子の引用。人心の一致がすべてだという報告。見事です。

『米山梅吉「遺風残香」』
米山梅吉の一代記を執筆された佐々木邦氏の補講、外伝をまとめたものだが、
「運が良くて出世が異常に早かった」、とか
「子煩悩で客の前で5人並ばせ無二の宝ですと紹介した」
「重役用の車を運転手に与え自家営業させた」
「墓石は終戦直後のため句碑で間に合わせた」
「音痴だが詩吟はこなした」
「歌舞伎好きで幸四郎と顔が似ていた」
「臨終の時、やつれはてた身で端座し、家族に礼を言って、
 息を引き取った」  等々
一番印象に残ったのは、なめし革で名刺入れをたくさん作り知友に配った話。
それにはKeep Your Name Cleanと金文字で打ち出してあった。 
カッコイイ!
静岡県駿東郡長泉町の米山梅吉記念館は今年創立50周年を迎える。