『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2013年12月20日金曜日

2013年12月号のみどころ

2枚とも写真がいい。誰もがシャッターをきる撮影ポイントで誰にも出来ないシャッターチャンスをものにする、別府湾の朝日、光の緒の中に漁師のシルエット。もう1枚は滅多に見られない日本三名園、後楽園の雪。完成された構図に、両作品とも鳥の動きが命を吹き込んでいるお見事!の一言に尽きる。

月は家族月間、ロン・バートン会長のメッセージは子供の頃の夢を実現したポール・ハリスの家を残そうというもの。夢の実現はロータリアンの理想、大賛成である。特集は親族3人以上がロータリアンという家族の紹介。掲載された5組の家族の全てが、クラブや地区のリーダー経験者を核に家族会や活動を通じてロータリーを理解し憧れと誇りをもって入会されている。家庭でロータリーが共通の話題になる、それだけでも素晴らしい。また二神編集長の取材で点鐘に始まり点鐘に終わるロータリアン同士の結婚披露宴が紹介されていたが、実に楽しい、お二人が所属する両クラブの企画力と実行力に脱帽。みんな皆、ロータリー家族なのだ。次がロータリー家族との活動報告。式年遷宮の伊勢詣で、帯広のお祭り競馬の観戦、世界遺産の富士登山等々、地域の特性を活かした企画でロータリー家族やROTEXとの交流親睦を深めている。注目すべきは、地区組織が呼びかけの起点となり地域住民を抱き込んだ大掛かりな活動も見られた事。これは当地区でも見習うべきと感じた。尚、2730地区からはきもつきRCの観月会が紹介された。

19頁から4頁に亘る『日韓親善会議の報告』特に共感したのは韓国の元国会議長 金守漢氏の講演、「2000年の歴史の中で両国が不幸な関係にあったのは僅か70年、歴史の一部だけを見て全体像を否定することは普遍性、妥当性を持つ両国の関係の妨げになり、偏見よって誤った判断をするおそれがある。相手国の変化を正しく見て、虚像を払拭すべきであるとともにお互いの異質性(独自性)を認識しなければならない。日韓関係が政治レベルでこう着状態が続いていても両国の国民レベルでの交流は変わらない。ロータリーの活動が何より重要なキーワードになると信じる。」と話された。この提言が韓国の側からのものであることに拍手、分からず屋のパク・クネ大統領にも聞かせたい。

『Rotaryいま』13万人を超えていた日本のロータリアンが、この10年で88256人になってしまった現実。ロータリーが育てた若い人たちの結集を促し、女性の意欲を取り込み、規制緩和によりEクラブを発足させ、減少に歯止めをかけ、「サクセス・ジャパン大作戦」で10万人にする。と記されていたが、一番大事なのは、人に奨めたい魅力あるロータリーに籍を置く「誇り」と「自信」を現ロータリアンが持つということではなかろうか・・?

縦組みに移って、『SPEECH』ヴァイオリニストの川井郁子さんの「子供たちの未来」と題した講演。難民キャンプでの子供たちとの出会いを通じて、何が子供たちの成長に必要かを実感され、「子供の元気に直接関わるのは、恵まれた環境ではなく、子供たちを見守る大人たちの笑顔と夢を育む子供たち自身の逞しさ。キャンプの貧しいお母さんたちに口紅をプレゼントするとお母さんの気持ちが華やいで、それを見た子供たちも元気になる。今の日本に一番大切なのは子供の時代に、その子に夢を持つ力と、自信を与えること、子供たちは自分で未来を開拓していく逞しさをみんな持っている」と話された。消滅しつつある「おせっかい」も児童虐待の防止になる、とも。まったくその通りだと共感した。

『わがまち、そしてロータリー』は津波にのまれた閖上の復興に、檀家が被災しながらも混沌の中で奔走した名取RCの長澤信幸会長の話。曹洞宗の名刹・秀麓禅齊の住職、僧侶として、またロータリアンとして全国の支援を集め、被災地に踏みとどまり、地域の人たちの為に活動を続けた。そういったロータリアンの姿こそが地域でのロータリーへの理解に繋がる。被災地東北に会員の増加がみられるのも頷ける

2013年11月21日木曜日

2013年11月号のみどころ

ず、表紙から見る。インドのご婦人の餅つきのショット、それを見守る全ての視線が餅の一点に集まる。愛情溢れる表情がいい。もう一点は奈良鷺池の浮見堂、秋深し

RI会長のメッセージ。心にインプットされたのはポリオが撲滅された国を見て、言うことができます。私はそれを支援しました、と財団が支援するプロジェクトの意義と誇りは、この一言に集約される。11月はロータリー財団月間。3年前からのパイロット地区に於ける試験期間を経て、いよいよ今年度から世界中で一斉に実施される「未来の夢計画」。

ローバル補助金という耳慣れない資金を活用した事業計画の成功例が紹介されていた。ひとつは職業研修チームを派遣するVTTへの活用。紹介されていたのは歯科医、衛生士、技工士をタイ・プーケットに派遣したデンタルVTT。万全の計画にもかかわらず大変なご苦労があったようだが、派遣先の地区ガバナーの激賞の声に感激も一入であったことだろう。もう一つは北陸の5つのクラブとEクラブが連携して、タイのチェンマイRCをパートナーとして行った教育支援のプロジェクト。貧困の極みにある地域での教育施設の修繕や備品の整備、教育の質や衛生環境の改善にグローバル資金が活用された。報告の最後に書かれていたロータリーの奉仕活動に於いては、奉仕される側より、奉仕する側がより感動を貰い、心が癒される。かつてマッチング・グラントでネパールの山村を支援、訪問した鹿児島西RCの一員として、将にその通りだと痛感した。

また、地区補助金を使ったプロジェクトとしては、試験実施した2690地区の例として、昔の遊びを今の子供たちに伝える「つくって遊ぶ原っぱ塾」、身体障害者と保育園児による「農作業体験」、ロータリアンが樹木について高校生を指導する「太子ヶ丘の森整備と郊外授業」、若者6人をベトナムに派遣した「新世代に奉仕の精神を学習させる、リーダー育成プロジェクト」、倉敷市域に避難している東日本大震災被害者に出会いの機会を提供するとともに子供たちとの接し方を学ぶ「親業セミナー」、失われつつある出雲神話を青少年に語り継ぐ「郷土歴史リーダーセミナー」等々、企画に当たっては、補助金の目的に合致した内容と、様々な視点からのアイデアが必要だと感じた。

組に移って『SPEECH』福島第1原発から70キロのところにある天栄村の「放射能ゼロ米への挑戦」。競うことでブランド化を進めた農家の自信と耐力が、震災で家を壊され、原発事故で土が汚染されても、補償付きの休耕を拒否し、奇跡の復活を遂げるための行動を起こした。負けない、諦めない不屈の闘志がコンクールの金賞へと導いた。天栄米栽培研究会事務局長の吉成さんは、ミナマタと同じカタカナ名のフクシマがもう一度漢字の福島に戻る日まで、と決意を新たにする。

『わがまちそしてロータリー』子供時代の自分を「正雄君」と呼ぶ浪漫チスト、名古屋中RCの深田正雄さんの奮闘記。長~い前置きが凄くいい。街を元気にするのは、若者、よそ者、変わり者。深田さんはその変わり者らしい。かつては進取の気鋭のない名古屋を嫌いアメリカ、東京でホテル修業、名古屋に戻って若手企業人の懸引役となるや、地元愛に目覚め、旧町名の復活を夢見て街の歴史を学ぶ。名古屋と謂えば、粋な殿様 尾張宗春公の所領。この由緒ある地域でも、1962年の住居表示法という人の温もりの欠片もないお役所仕事によって伝統的な地名が消された。地名に由来する昔語りはもう次世代には通じない。役人の利便だけを考えた愚策以外の何者でもない。深田さんの活動に両手を上げて賛成したい!

月は『若いパワーで頑張ってます インターアクター』で当地区の「日韓インターアクト交流会」『ROTARY AT WORK』阿久根RCの「模擬面接」と日南RCの「道路愛護デー」が、『歌壇』に奄美RC大野貢会員の歌が紹介された。快調々々…

2013年10月18日金曜日

2013年10月号のみどころ

ですね~表紙片方は怖い程深遠な「霧氷秋彩」もう片方が子供の表情がいい「豊作ダ」。
 今月は縦のページから読んでいきなり心を奪われた。因島南中学の前校長 岡本和信氏の講演要旨「絶えたるを継ぎ廃れたるを興す―国際時代に通用する自己エンジン搭載の子どもを育てる―冒頭、子供の個性を尊重するという面から時代受けしている金子みすゞの「みんなちがって、みんないい」とSMAPの「ナンバー1でなくてもオンリー1でいい」に反論、社会に生かされている自分が「私の人生は私の勝手だ」でいいわけがない。成程そういう見方もあるか・・・・・・と頷いて読み進むと、世界の子供たちの中で誠に持って情けない日本の子供たちの現状が具体的なデータで紹介され愕然とした。
 文中ソウル大学の教授の話として引用されていた「日本は戦後、戦争を放棄しました。その時一緒に愛国心も捨てました。日本は愛国心が戦争を起こすと考え戦争と愛国心を一緒に捨てました。だから今日本の若者は迷い子になっています。」という言葉に改めて日本の将来の危機を感じさせられた。米、中、韓、台で共通しているのは「国を自分たちがつくる」というプライド。目的意識もなくただ大学に籍を置こうと考えるのは日本人だけ、自分の力で学ぼうとせず「教えてくれないと失敗するかも」といつも不安がっているのが現実の日本の若者の姿。この国が絶やしたモノ、廃れさせたモノの最大のものは「愛国心」郷土を愛する心だとされた。そして何から始めるかということの一つが子供たちの胃袋を油断させて仲良しになる「同じ釜の飯を喰う」=「炊き出し大作戦」と地域の生の文化をお年寄りから学ぶと共にお年寄りの安否を気遣う一石二鳥の「高齢者から学ぼう大作戦」二つとも素晴らしい。

 次の「わがまち・・そしてロータリー」高齢化という問題を抱える秋田県大館市の例、中でも秋北バスの100円バス得々定期券は秀逸。大館市の補助で乗り降り自由な定期券を発売、お年寄りにもバス会社にもそして街の元気づくりにも利のある施策となった。大館市も偉い!「ロータリーアットワーク」寄付や清掃といった定番ではなく地域文化の見直しはないかと探してみたら、「厚木の歌ダンスコンテスト」(厚木県央RC)、「地域活性化イベントの企画運営」(嘉悦大学RAC),「広瀬川でアートを楽しむ」(前橋西RC)、「座禅初体験」(長泉RC),なんと「小原歌舞伎白浪五人男」を演じた豊田西RCが目に付いた。参考になる。

 横組み頁は職業奉仕の特集。当地区ではRIテーマ「Engage Rotary,Change Lives」の浸透を図るため、大迫三郎ガバナーが「職業奉仕」の理解と実践を地区の中心テーマに据え,公式訪問時に「職業奉仕」についてのフォーラム(会員発表会)を実施、200名もの会員から様々な意見を聞いた。更には地区大会で会員発表の時間を設け、優秀会員を表彰した。
 その発表内容を念頭に置いて頁をめくると、日本各地のロータリアンから職業奉仕についての意見が掲出され、それぞれに頷かされたが基本的にはほぼ同解釈だと感じた。職業奉仕とは高い倫理観に支えられた職業の実践。言い換えれば倫理的な金儲けをすることであり結果的にその事業が地域に貢献し世界に貢献する(自利利他)ということであろう。職業を通じて社会に奉仕するという団体はロータリーだけ、という事に誇りを感じる。ただ社会奉仕が社会に対する奉仕である様に職業奉仕も職業に対する奉仕、職業を通じての奉仕ではないと個人的には思う。自らの職業の社会的評価を高めるため業界の職業倫理を徹底し、後進の育成に努め、正しいPRによって業界の認知を図る。結果的には倫理的金儲けに帰結するのだが・・・

 2014年国際大会開催地、シドニーの紹介は、素晴らしいPhotoが頭を占拠し「行きたい!」欲望を駆り立てる。また36頁の「ロータリーの新しいブランド戦略」は全会員必読の内容だと思う。マークを車輪にして走らせたり、半分カットしたり、上に文字を乗せたり、色を変えて使ったり、地区やクラブであまりに杜撰なロータリーマーク・ロゴタイプの使用がまかり通っている昨今、ブランド戦略を掛け声だけにしないため徹底した是正が必要。

2013年9月13日金曜日

2013年9月号のみどころ

 鹿児島は八月末の台風以来、あの猛暑が嘘のように急に秋の気配。今月号の表紙の様に彼岸花が芽を出し青い空が広がっている。彼岸花はその名の通り、猛暑が過ぎると突然芽を出し、決まってお彼岸に開花する律儀な花。田んぼの畦に群生する癒しの風景が一般的だが、表紙の作品は花を手前に引き寄せ花の朱色を強調した構図。彼岸花の別の魅力に驚かされた。もう一方のトルコ・カッパドキアの「たった1個の気球」は紹介文に書かれている通り、気球と空と奇岩の配置が素晴らしい。トルコって平和だなと思っていたら、先日新聞に「カッパドキアで女子大生襲われ死傷」の記事、水を差された気分で腹が立った。

 今月は新世代のための月間。「ロータリー物語は何度も書き替えられなくてはならない」というポール・ハリスの言葉を引用して、新時代のコミュニケーションツール、Rotary.orgの活用を紹介したロン・バートンRI会長のメッセージを始め、今月は随所にウェブサイトの記述が見られる。ただ情報を瞬時にSHAREでき、誰でも対話に加わる事ができるSNSという機能は日本いや世界という巨大なエリアで、あっという間に賛同者を集め行動に転化できる反面、誤報や軽率な対応で取り返しのつかない惨事を招くこともある。小生のようなアナログ人間には、熟考して意図を伝える手紙という情報伝達手段が安心できるのだが、時代遅れだろうか・・。『REGENERATION再生』の頁に面白いキャプションがあった。「フェイスブックが廃れるのを、ただじっと座って待つ」「”バターを取ってもらえませんか”と頼んだのに、"大丈夫”って答えはねえ・・」「われわれは50~60歳代の人たちから大きな利益を得たが、不滅の精神を失った」新世代とのコミュニケーションは難しい。と諦観していたら、全国のRCで新世代のための奉仕活動を活発に展開されている事を知って驚いた。思い遣りを示して、思い遣りの持てる子を育てる」という八日市南RCの提言に納得。フォーラムやスポーツ、キャンプを通じて健全な子供たちの育成に努めるという目的も素晴らしい。またインターアクト、ローターアクトのメンバーからもしっかりとした文章で活動が報告されていた。特に大阪RACの松山奈央さんの卒業に当たってのメッセージにローターアクトの名称は「ロータリー・イン・アクション」からきています。ロータリアンの中には「ロータリーアクト」だと勘違いされてる方もいらっしゃるようですが、その存在を正しく知って覚えて頂きたい。という指摘があり「今の若者はへなちょこだと思われる事も多い世の中ですが、捨てたものではないという事を、少しでもこの文章を通じて皆さまに伝われば幸いです」と締めていた。ホントに捨てたもんじゃない、感激して感心した。

 縦組みの頁では『SPEECH』変革の時代をどう生きるかと題した伊賀の里モクモク手づくりファームの吉田修氏の講演、「おいしさと安心の両立」と「環境にやさしいモノづくり」を原点に流通業の下請けだった農業を直販によって自立出来る産業に変えたのは、24時間考えるという経営者の意識。本業の通販、直営レストランは言うに及ばず食育関連事業にしてもイベントにしてもアイデアが満載、誰に売るのか、何を売るのかを徹底して考え事業化しているとか。「なぜ野菜を売るのでしょうか?それは土の匂いが金の匂いを消すからです」という言葉にこの企業のコンセプトが覗えた.『友愛の広場』では堺RCの黒川眞男会員のクラブ創立60周年の思い出。堺東駅に設置された「銀座の柳の言い伝え」。堺の銀細工職人が故郷を偲び植栽したのが由来とか。高校まで堺に住んだ身でありながら知らなかった。町への愛情が溢れる文章でちょっと嬉しくなった。『卓話の泉』の酒の話も呑兵衛には興味深い。酒の元字「酉」が十二支の十番目に当たるところから10月を酒の月というらしい。この話を酒の肴にまた一杯飲れるかな・・

 今月号には当地区からの寄稿が4件奄美RCの「青少年交流サッカーフェスティバル」、宮崎南RCの「雨の中のサッカー大会」、鹿児島北RCの「鹿児島市内分区ライラの報告」、鹿屋西RC池田会員の「誇りと友情をつくるリスボン国際大会への道」、俳壇、歌壇、柳壇では奄美RCの大野会員歌壇入選志布志RC西岡会員が何と三壇制覇、お見事!

2013年8月19日月曜日

2013年8月号のみどころ

 表紙は夏の歳時記、花火と祭り。どちらも一瞬の動きをフリーズさせた印象的な写真が採用されている。夏はやっぱり激しい動きが絵になる、なんて勝手に満足して本文へ。
 ロン・バートンRI会長のメッセージは今年度テーマに基づく会員増強の考え方。「忙しくて、成功していて、かつその貴重な時間をロータリーに奉げてくれる人」を求め、ロータリーが彼の人生に与えうる意義や充実感を示すことで入会を促そう。暇を持て余している金持ちを会員に取り込んでもロータリーの成長には繋がらないという事、かな?

 今月は会員増強及び拡大月間。目標達成の戦略として、退会者を減らすクラブの配慮女性と若い会員の勧誘強化 Eクラブや朝食例会等スタイルの違うクラブの立ち上げ。さらには、他地区にいる友人をその地区のクラブに紹介しようという「SAKUJI大作戦」によって、10万人達成の目標には及ばなかったが、減少傾向には歯止めがかかった。とのこと。会員増強のアイデアとして、海外では他クラブを学ぶための会長同士の交換退会者を招いて行う同窓会例会若いメンバーのために例会場に保育室を設けたり会費を下げたりヤングロータリーリーダー委員会で会員候補者と親睦を深める、等が報告され、国内でも若い会員の研修会の必要性が挙げられていた。当たり前のことだが、会員を増やすには、クラブに魅力がなくてはならない。ユニークな奉仕プロジェクトや勢いのある活動で地域社会の理解を得なくてはならない。クラブ活性化プランの実現が最優先すると思うが如何。また甲府RCの佐藤先生が面白い事を書かれていた。日本では「食事の時は黙って食べなさい。」が常識だったが、最近は世界の趨勢に倣い、食事をしながら話を楽しむのが常識、晩餐の食卓では身なりを正して、身近な話から高尚な理論まで耳学問で知識を増やすのが社交術だとか、世界共通の食事文化をエンジョイすることの中に会員維持のキーワードが隠されている。成程。

 次がリスボン国際大会の報告。オープニングは200を超える国旗の入場、「日ノ丸」と「君が代」はこの日平和の象徴として掲げられた。原爆、敗戦、復興を体験した日本人だから語れる平和の大切さ。それを世界中に呼びかけた田中作次会長年度の集大成。プログラムのすべてに「平和」というキーワードが織り込まれていた。二神編集長の報告の最後、『このリスボン大会では、派手なパフォーマンスはありませんでした。また日本人RI会長にちなんだ日本的出し物や演出もありませんでした。田中氏が「国境のない平和」と述べていた、その表れだったのでしょうか、その代わり、大きな戦争を経験し、戦後の何もない状態から平和で豊かな国に成長した日本について語った田中氏の話は、今、内戦や貧困で苦しむ国の人々にとって大きな励みになった事と思います。これが平和を希求する日本人RI会長にふさわしい、日本の話し方だったのかもしれません。』という文章に国際大会に於ける意義と感激のすべてが語られている。

世界に広がる国際奉仕の輪」では貧困、飢餓、識字率、水問題等様々な不安を抱える発展途上国で日本のRCが頑張っている様子が紹介されている。ようやく政情が安定したミャンマーで児童養護施設への支援を続ける高松北RC、飢餓に悩まされるフィリピン・ダバオの託児所への食糧援助を続ける倉吉RC、スリランカに70基もの井戸を寄贈した神奈川東RC、電気が通わないスリランカ・バブニアの山間部にソーラーの通電設備を贈った大阪天王寺RC、タイ3350地区とのマッチング・グラントで29の小学校に浄水器を贈り、その後水害に被災した浄水器を復旧させた日立RC、他の団体と協力してラオスの小学校に給水タンクを寄贈した郡山南RC、インフラがなく人力頼りのケニアに江戸時代盛んだった「上総掘り」の井戸を掘った東京広尾RC。どのクラブも現地で直接触れ合った子供たちの笑顔に感動し、その場限りの支援ではなく継続こそが彼らの未来を拓くと記していたのが印象的だった。次の「ロータリー希望の風奨学金現況報告」は当初東日本大震災で全国からよせられた義捐金の使途について、緊急の対応か将来を見据えての対応か物議を醸し、当地区では返還を求め、一部を除き地区の奉仕プロジェクトに転用したと聞いているが、災害の復興が遅々として進まない現状を考えると、結果的には残った11地区の義捐金で発足したこのプログラムの方に参加すべきではなかったかと考えさせられた。新しく始まった「Rotaryいま・・・」ではアジアの時代がやってきたとタイトルして、RI会長選任の歴史から、ロータリーが必要な地区からRI会長が出ると指摘し日本のロータリアンの自覚を促す結論となっている。

 縦組みに移って、「SPEECH」120年以上も昔の軍艦エルトウールル号遭難が切掛けとなった日本とトルコの友好について、和歌山県の小さな町串本町の先人たちが示した献身的な救助の記録と誇り高き外交。残すべき歴史は誰かが語り継ぎ後世の財産として残すべき、という田島町長の講演に何度も頷いてしまった。「ロータリーアットワーク」今月も当地区からの出稿は無し素材はあるのに、書き手がいない・・・