『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2015年4月23日木曜日

2015年4月号のみどころ



百花繚乱を絵に描いたような風景、花弁がとんがった変わったチューリプ?と思ったらトルコとの姉妹盟約の記念の花とのこと、表紙のメッセージを読むとまた違った趣がある。もう一つの表紙は、1500基とも記された灯籠を入れ込んだ満開の夜桜、撮影時間が絶妙。

夜桜や夢見るごとく匂いけり―まさにその通り。表2のポールハリス、相変わらず同じ顏だが、言葉が違う。「出来ないが勝利を収めたことは無い」心に響く言葉だが、毎号同じだと思って一瞥するだけの会員も多い。表情も変えたらどうだろう?


RI会長メッセージ、『The Rotarian』には17人のノーベル賞受賞者、19人のピュリツァー賞受賞者が寄稿している。とあった。さすがにクオリティが高いと感心したが、わが『ロータリーの友』も「SPEECH」や「わがまち・・そしてロータリー」「卓話の泉」など心に沁みる内容が多く、文章としても質が高いと改めて思った。
今月は雑誌月刊、初めに公認雑誌「THE ROTARIAN」と31の地域雑誌の表紙が並んでいる。よく見ると極めてデザイン的に地域の個性が出ていて面白い。次が対談。地区代表委員会で顔を御見かけする3人の女史を相手に橋本委員長が進行役を務め、「その通り!」と拍手を送りたいような意見を引き出しておられた。
「「年に何回か東京に行けるぞ」の一言で委員を引き受けた」
「友地区代表委員はガバナーの代理である事を自覚し、活動に反映させる事が好ましい」

「表紙の写真、SPEEECH、友愛の広場は心に残っている」等々、羨ましかったのは、地区研修協議会で話をする機会を与えられたという委員の発言と地元紙に広告スペースをとって「友」の紹介をしている地区があること。
特集の最後は、「友」に掲載された奉仕活動のアーカイブス。
60年の歴史は見事に社会の変遷を記録している。
新聞少年の激励会や婦人警官に自転車を贈る等、今では考えられない。

「ロータリーデー」「心は共に」「見守り育てる」では日本各地のロータリークラブの多岐に亘る奉仕活動が紹介されている。特に壬生RC「こどもがつくる“みぶタウン”」や市川シビックRC「小学生朝食選手権」はユニーク、現場を想像すると顔がほころぶ。
Rotaryいま・・」RIWEBサイトを使った様々なロータリー情報の取得の仕方が、わかり易く解説されているが、二神編集長が最後に書かれている「ロータリーの本当の良さを教える事ができるのは、先輩会員の経験に基づく知識」という記述が一番心に残った。 

縦組の頁SPEECHは今回も読み応えがある。前文化庁長官 近藤誠一氏の「日本の再生 地域の役割と文化芸術の力」。社会の問題を解決するのは、日本の伝統的な思想、文化財に込められた、昔の人からのメッセージだ。という話。文化活動が高まれば、文化産業が生まれ、地域振興になる。不況だからと文化を削るのはとんでもない。クールジャパンなどと称しているが、外交に役立つのは日本固有の文化。全く同感である。日本固有の文化として「作庭記」を例にとり、自然の中に自分の美意識を出すのが日本人で、欧米人は自然にない円や幾何学的模様を追及する。自然を敬うか、自然を支配するかの違い。と明言された。また、黒白はっきりさせたいのが欧米人、日本人はファジーを好む。「無」とか「空」とか「間」を大事にする独特の日本文化は、その中から生まれた、という事だろう。『わがまち・・そしてロータリー』は沖縄県那覇市。中国、南蛮、朝鮮といった様々な国々のあらゆる技法が取り込まれた「チャンプル文化」が特徴とか。陶器、泡盛、平和の礎に刻まれた敵味方もみんなチャンプル。「ゴーヤ、麩、素麺チャンプル、どれもうまい、いい土地だなあ」と取材した池辺さんが締めくくった。これもうまい。

今月号、当地区からは、宮崎RCの加賀城征洋会員の「違いが魅力の姉妹クラブ」が『友愛の広場』に掲載されている。


2015年2月18日水曜日

2015年2月号のみどころ


まず表紙。雪と杉木立だけのゲレンデにジャンプするスノボ。画面が整理されていて凄く綺麗。もう一つは白煙あげて疾走するSLと併走飛翔する丹頂鶴。シャッターチャンスを見事に捉えて余計なものが全くなく綺麗。しっかり企図された写真だと・・

RI会長メッセージリテラシー(識字)は多くの人の人生を変える贈り物。確かにそうだ。そしてその感動を周囲の人に話し、分かち合うだけでロータリーの仲間が増える。黄会長の「輝き」という意味が何となく理解できた気がする。

今月は「世界理解月間」。ホントに、ところ変われば・・という文化、習慣の違いが面白く紹介されている。相槌は首を横に振るインドの古都コルカタ。踏切で一旦停止してはいけないカリフォルニア南部。日本の自然条件や水の素晴らしさを再認識するメキシコ。
行き過ぎた親切、お節介に驚かされる南ドイツ。社員が毎日抱き合ってキスをするチリ。右手第1関節だけで食事するスリランカ。「ヘェー」と唸ることしきり。異文化理解を育むといった意味では青少年交流が第1だが、RIのプログラムとは別に独自の交流事業を行っているクラブも多い。1970年から続いている稲沢RCのオーストラリア、カウラ高校との交換留学、留学生の子女を「カウラジュニア」と呼ぶほど定着している。三島西RCの台湾姉妹クラブとの中学生交換研修も29年。会員同士の再会から始まり48年続く東京江北RCとカリフォルニアの夏季交換学生プログラム等々、どのクラブも熱意と緻密な計画で長い交流を維持し、日本の魅力、日本の文化を確実に世界に紹介されていることに驚いた。また、海外で活動する日本のロータリアンの頁では、まだまだ世界中から支援が要請される「水」や「栄養」「教育」の支援で、言葉や習慣、交通事情といった障壁を超えて素晴らしい活動が行われている。特に関心をもったのが、「ヤギ銀行プロジェクト」。ネパールの貧困地域に大規模なヤギ牧場を造り、繁殖させたヤギを貧困家庭に貸し付け、3年後に原資返還、5年後に利息分としてメスヤギ1頭を納めさせるというものだが、正しく持続可能で実効性が期待できるというプランに思える。私の所属するクラブでもネパールに乳牛33頭を贈ったが、継続性がなく一回こっきりに終わってしまった。長期的な計画性がなければ実効性はないということであろう。次年度改めて財団資金をあてにした後進国の教育支援プロジェクトを模索しているが、継続こそ実効という意味で非常に参考になった。


縦組頁に移って、SPEECH』。ちょっと知りたい木の話、これは必読。木の年輪は日の当たる南側が広い」「木の幹に聴診器を当てると樹液の流れる音がする」「正倉院の校倉造りは、雨の日は隙間が詰まり、晴れた日は風通しが良くなるという先人の知恵」そのいずれもが大嘘とか・・どれもが常識として記憶してきただけに、ちょっと驚き。更に、木を伐って使うことは、環境破壊ではなく環境保護だという説。資源保護のためマイ箸を使っている似非知識人など愚の骨頂、ということになる。どこにでもある炭素と水を原料として、光のエネルギーを使って生物の根源、ブドウ糖をつくるのは植物だけ。しかもその繊維は何百年もの耐久性をもつ。だから木は偉い、どんどん伐って、燃やさないで活用して、どんどん植えて光合成をさせてやることが、人類いやすべての生物のためになる。うーん目からうろこ。この歳になって長年疑いもしなかった常識が覆された。

 今月は横組みロータリーデーの頁』に瀬戸内の美しい海と星空の許で開催された奄美分区の「星の観察会」。『友愛の広場』に鹿児島西RCの古木圭介会員の、「ところ変われば」NHKのラジオ体操がアメリカ人に大受けするとか、楽しい一文が掲載されているROTARY AT WORK』には、九州初のEクラブ「Japan Current」の認証状伝達式、先月号には小林RCのゲートキーパー養成講座が紹介されていた。「友」が身近になりだした。嬉しいね。




2014年12月18日木曜日

2014年12月号のみどころ


表紙、光のファンタジー「夢のかなたへ」。そのタイトル通り七色のイルミネーションが夢の世界へと誘う。20年前、まだLEDが無かった頃、ホノルルのクリスマスでイルミネーションの豪華さに驚かされたが、今の日本のイルミネーションフィーバーはとっくにそれを超えている、素晴らしい!裏面は「瀬戸の夜明け」と題する美しい写真、一年で数回しかないシャッターチャンスと紹介されていたが、正にその通り、岬の先端に屹立する観音堂と朝日、雲、舟、そして鳥までが見事な構図の一翼を担っている。望遠レンズの効果もあって焦点が明確である。

今月は家族月間。ファンRI会長は、ロータリーカレンダーの卓越したアイデアについて「ロータリアンとって重要な異なった話題を提供してくれる」と称賛されている。確かに月毎に毎年繰り返し定番のテーマが詳解されていれば、頭の中が整理されて良い。バックナンバーを手繰れば、月のテーマのあらゆる情報も知ることが出来る。「友」にロータリー家族が特集されていれば、嫌が応にも自分の家族とロータリーとの関わりが話題になる。今回は会員配偶者主体の奉仕活動が取り上げられている。当地区では「なでしこ2730」という女性ロータリアンだけの委員会があり独自の活動を展開しているが、規則に縛られない、強制されない、もっと気軽な奥様達の集まりがあってもいい、と感じた。

次が『夫婦で共にロータリアン』 親クラブと子クラブ、トラディショナルクラブとEクラブというように別々のクラブに所属されることが多く、当然のことながら夫婦共通の友人が増える。また夫婦間の話題に事欠くことがなく食卓が賑わう、とほぼ全員がそのメリットを語っておられる。夫婦が同じクラブでもその利点は同じで、ロータリーを通じて結婚された夫婦もある。面白いのは、ご主人がクラブ会長、ご夫人がガバナー補佐でご主人が奥様の指導を受けた例。想像するだけでも楽しいが、ご本人達はさぞかしドギマギされたことだろう。

『心は共に』今も尚、積極的に被災地の支援を続けている各地の情報が掲載されている。中で二神編集長が書かれているように、「被災地のニーズが変化し、ニーズに合った支援が求められている、被災地に近くその現状をよく知るクラブへの活動支援が大切」 まだまだロータリーに出来ること、しなければならないこと山積されている。確かにその通りだ。被災地の支援はスタンドプレーであってはならない。

『地区大会略報』「ハッピークラップゴー」で全行程を和やかに運営した当地区も紹介されている。Rotaryいま・・』では13万人もいたロータリアンが今は8万8千人。ひとクラブあたりの会員数も55,7人から39,5人に激減している。事業を実施する際の資金不足、人手不足は必至、それを補うのが近隣クラブとの協働や家族の参加であろう、家族月間を機に考えてみたい提案である。

縦組に移ろう。SPEECH』 企業の海外駐在員として17年海外で暮らした当別町長 宮司正毅氏の講演要旨。極めて面白く世界の民族特性が記されている。南アフリカの世界に冠たる悪法(アパルトヘイト)はオランダ系ボーア人(アフリカーナ)と英国人、つまり白人同士
の対立から生まれた弱いもの苛めだという話。無関係な黒人が犠牲になり、その後マンデラ黒人政権が誕生して急激に経済成長、21世紀の食糧、エネルギーの確保にアフリカが注目を集めているとか。欧州の民族ではタイタニック号をネタにアメリカ人には「Are You a hero?」英国人には「Are you a gentleman?」ドイツ人には「This is a regulation、」そして日本人には「Everybody is doing so」これで自主的に男たちはドボン!円滑に女性、子供がボートで脱出できたとか。みんなで渡れば怖くないが日本人の性格らしい。

『わがまち・・そしてロータリー』では、全国で収穫されるリンゴの20%を産する青森、リンゴの町・弘前が紹介されている。リンゴ農家のリンゴ酒・シードルや農業活性化アイドル・リンゴ娘が活躍するカルチュアロード。巨大アップルパイやおじさんバンド、町の元気が伝わってくる。案内役の中畑さんという呑んべいにも関心を憶えた。



2014年11月19日水曜日

2014年11月号のみどころ


表紙は霞ケ浦の朝日、朝は水面にガスが起つことが多く、なかなか水平線から昇る朝日は撮れないものだが、見事、帆掛け船の間に日輪を収めて手前まで光の尾を引かせている。素晴らしい、の、ひと言。裏表紙はライトアップされた清水の舞台。仰って見上げると益々荘厳な趣、観音浄土を思い描き、清水の舞台から飛び降りた人の気持ちが良く解る。

RI会長の今月のメッセージは「友情」について
奉仕を建物を創るレンガとするなら、レンガ同士をつなげるモルタルが友情。強い友情と素晴らしい奉仕は密接な関係にある。とか。確かに、ロータリーで何かをしようとすれば、友情はその活性剤になると改めて感じた。

今月はR財団月間。2300もある日本のロータリーの一組織に過ぎないクラブでも,意識と意欲があれば、モルタルとなる友情によってパートナーを見つけR財団の補助金を使って、世界の「今」に寄与できる。「それでこそロータリー」の姿が紹介されている。国や自治体の支援もなく極貧に苦しむインド少数民族の自立支援プロジェクト。ただ単に寄付を募って彼らの生活を援助するその場限りの自己満足ではなく、自立を支援する取り組みであることに注目したい。また財団の本来の目的であった世界平和に寄与する人材の育成=R財団奨学制度の成果としてのロータリーフェローの現状報告、UNHCRで活躍する元国連難民高等弁務官、緒方貞子さんを始め、たくさんの元財団奨学生が世界中で活動している。更にこのプログラムを発展させた「ロータリー平和センタープログラム」、日本のICUを始め現在世界(アメリカ、イギリス、日本、オーストラリア、スウェーデン)で6大学5センターが国連機関やNGO、政府機関の人道的事業を扱う部署で働くロータリー平和フェローを養成している。日本からの応募が少ないというのがちょっと気になった。

次がインターアクト、当地区ではあまり活動の報告がなく、インターアクト廃止論まであって危惧していたが、我が地区でも川内商工高校の活動が掲出されて驚いた。友委員として、もっと地区内の活動を知らねば、と反省しきり。各地域の活動や全国インターアクト委員長会議の三木 明委員長の報告を読んで、「育てる奉仕、共にする奉仕」つまりはロータリーの未来を担う青少年奉仕の大事なプログラムだという事を再認識した。

『ロータリーデー』もっとロータリーを知ってもらうためのイベントとして先月号のドイツに引き続いて日本のイベントが紹介されている。二神編集長が『Rotaryいま・・』で書かれているように、「自慢するのが下手なひとり一人のロータリアン、ロータリークラブが、ほんの少しだけ周りの人たちにPRしたらロータリーの活動はもっと広がる」という意見、大賛成!

裏返して縦組の頁に移ると、毎回考えさせられるSPEECH』今回は就実大学の杉山慎策氏の講演。70年安保の時代、猫も杓子も革命の幻想に憑りつかれ学生運動に奔走しながらも、なんとなく自分の行動に懐疑的になっていた頃、ドラッカーの「断絶の時代」が注目を浴びた。杉山氏も書かれているように「知識社会の進展」「活動のグローバル化」「価値の多元化」といった未来予測が、確かに今思い返してみると50年後の今を語っている。
アラビア数字とアルファベットと@(アットマーク)で世界中が繋がるテクノロジーの変化、知識のデジタル化は博学を無用の長物とし、真似のできない専門的知識が重要視される。つまりゼネラリストではなくスペシャリストが必要な時代となった。
これからの時代はポッセ(同じ志を持つ仲間)と一緒にコ・クリエーション(共創)をする時代。クリエーティブ・クラス(経営者や専門職)が国や都市の繁栄の鍵を握る。寄らば大樹、のように大企業にぶら下がり、年金をあてにする時代ではなく、死ぬまで働く時代がくる。当然、仕事に生きがいを見いだせない輩は生きる術を失う。価値の競争の源泉は人、人のクリエーティビティしかない。だから人材教育が最重要視される。と、ここまで言い切ってしまうと、ちょっと怖い。やはり自分は事なかれ主義の日本人の一人だと痛感した。

そして『わがまち・・そしてロータリー』炭鉱の町としての絶頂期から衰退期、どん底。北海道赤平RCは地域と一体の歴史を歩み、町を再生させた。アドバイスを受けた先生の言葉「どんなことをしても再生は無理、でも人は元気だよね」の「元気」が再生のキーポイントとなった。取材文の其処此処に「人の元気」が溢れている。いい街だなぁと感動した。今月号には、特集に川内商工インターアクト、『ROTARY AT WORK』に高鍋RCの「障碍者を対象としたサーフセラピー」、宮崎中央RCの「宮崎シーガイヤトライアスロン」が紹介されている。

2014年10月17日金曜日

2014年10月号のみどころ


表紙はやはりメッセージを読んで改めて見るのがいい。紅葉していればもっとよかったのにと思う「晩秋の高千穂峡」だが、訪れた人なら誰でも印象に残している風景は、メッセージされている内容とともに、それなりに感慨深い。ただ鹿児島県人からすると神秘的すぎる景観によって神話の故郷のお株を奪われた感があり、ちょっと癪なのだが・・・
もう一つの表紙「街にも秋の大神楽」は、たしかに確かに、大観の村童観猿翁を彷彿とさせる。子供たちの好奇心あふれる目がいい。

 今月の「友」は職業奉仕月間の特集。職業奉仕といえば、あまりにロータリーの本質的すぎて、クラブの委員会ではほとんど議論にならないテーマ。「我々は誰もが、自分の職業に誇りを持って、一生懸命働いてるんだ。これこそが職業奉仕だよ!」で終わってしまう。特集の最初『I Serveの究極にあるもの』で服部PDGがおっしゃる通り、「Vocational Service」と意味づけられた職業奉仕は、神の御心に沿う「天職」に近いニュアンスがあって、諸先輩の講話は「悟りを啓くために座禅を組んでいるようなもの」に近い。職業奉仕論の権威、深川純一PGと田中毅PG、小船井修一PGのお三方に直接お話しを聞く機会があって、それぞれに感銘を受けたが、その内容がこのページにも取り上げられている。「ロータリーは倫理運動であって、その中で愛情の世界に生きる心をもって職業を営むべし」という深川PG。シェルドンの講演原稿の翻訳から「職業奉仕論は現代にも通用する商売繁盛。経済発展の基本理念と同じだ」とする田中PG。その間を取り持つように「職業奉仕は顧客満足で終わらず、それ以上に予想外の嬉しい感動をもたらす」と理論を発展させた小船井PG。

私見ではあるが、「職業奉仕」という言葉は全ての議論で職業を通じての奉仕となっているが、「社会奉仕」という言葉のように社会に対する奉仕、職業に対する奉仕とは見られないだろうか?職業に対する奉仕なら、自分の職業を誇りあるものとするため、業界の倫理を高め、技術を研磨し、社会的な職業的評価を得るために奉仕すること、とも解釈できるのだが・・何れにせよこの6ページは日本のロータリアン要保存とすべきだと思う。
次の『農業を通じた私の人生』、何と我が地区、田中俊實ガバナーのお膝下、鹿屋市からの投稿、堂々の3ページ。素晴らしい!!「私の仕事は農業。目標は南九州一のニンジンとゴボウの生産農家になること」と胸を張る鹿屋西RCの櫨山時美会員の文章からは、寝ても覚めても農業。「医者が病人を治すなら、私は病まない食を考え、作り、農業を支える」という誇りが感じられる。農業という職業を通じて、真実に公平に好意と友情を深め、みんなのために奉仕します。という締めくくりは正しくロータリアン。4つのテストの実践が述べられていた。

縦書きページに移ってSPEECH』一橋大学大学院の田中一弘教授の「渋沢栄一から読み解く21世紀の経営者精神」は職業奉仕月間ならではの講演要旨。道徳と経済は表裏一体、本質的に一致する、という渋沢栄一の「道徳経済同一論」が解説されている。普通は道徳と経済は矛盾すると考えられ、そのバランスをとるのが商業道徳とされているが、渋沢は道徳=経済、「道徳なくして経済なし、経済なくして道徳なし」とまで言い切る。商業道徳は消極的道徳「為すべからざることをするな」つまりコンプライアンスの重視と言うことだが、渋沢はそれに留まらず積極的道徳「為すべきことをせよ」つまり他者の利益を優先せよ、というもう一つの道徳を付け加えた。かつて社会学・広告論で教わったCSR(企業の社会的責任)でいうメセナとかフィランソロピーのような後ろめたい社会還元ではなく、企業が堂々と利益を上げることが社会の利益(公益)をもたらすような経営をしろということなのだろう。読むほどにシェラトンの職業奉仕論と重なる。と同時に儒教の「博施済衆」、仏教の「自利利他」キリストの「黄金律」とも本質的に同じだと感じたが違うかしらん・・?


最後に『わがまち・・そしてロータリー』堺フェニックスRCの京谷会員がゾーン会議で自慢していた仁徳天皇陵の町。実は私も中学、高校と青春時代を過ごした街である。「ものの始まりなんでも堺、堺は新しもん好きなんですわぁ」。解る、分かる、商人の自治都市、鉄砲鍛冶、千利休、与謝野晶子と聞いただけで曲者の雰囲気いっぱい。刃物とお香、とろろ昆布は今でも優れものだと感じているが・・・、

今月は『友愛の広場』に鹿児島中央RCの福山孝子会員の「米山奨学生の結婚式に列席して」『バナー自慢』にえびのRCが掲載された。投稿呼びかけは順調である。




Eクラブの是非について議論が盛り上がったが、トラディショナルクラブの中で、あまりにもEクラブについて無知の多い現状では、正しくその特性と規定審議会の決定について「友」で詳解すべきでは、と感じた。
・ロータリーのブランディングについての特集の必要性を感じた。各クラブが表記や使用形態においてまちまちでは、混乱するのではないか。
・ゾーン別会議は各委員が存分に意見が述べられて極めていい機会だと思う。