頁を捲るとRI会長のメッセージ。「積まれた薪の山の前を去る時は、見つけた時より少しだけでも高くしておかなければならない」というオクラホマの格言を引用して「ロータリーの実践」を語られた。人のために出来ることをみんなが気づいて実行すれば大きな力になる、その延長上でとてつもないことを成し遂げるのが「ロータリー」と理解した。
【ロータリー親睦活動月間】の特集は今から90年近く前に結成された「エスペラント語の同好会」が始まりで、その後、ヨット、バイクツーリング、スキー、アマチュア無線やコンピュータ、切手、囲碁といった趣味から、医師や弁護士など職業を中心にしたグループも結成されている。初めて知ったのはボーイスカウト指導者のロータリアン親睦グループがあるということ。共通の趣味は国境を越えて仲間をつくるということだろう。
次が【2014 フォトコンテスト入賞作品】 「いまを切り撮る」というテーマ通り、優秀作3点はすべてが子供の表情、特に目が強烈な印象を放つ。これに対して努力賞は構図や撮影技術にプロの感覚が見える。老婆と妊婦と猫、無関心が絵になっている作品。フォーカスで訴求点を強調したスプーン。赤子に降り注ぐ光の帯。シルエットで見せた人の絆。カラーが不思議に懐かしい漁港・・。
【ポリオ撲滅まであと少し】は二神編集長の力がかなり入っていて一気に読まされてしまった。フィリピンの幼児600万人にポリオワクチンを投与する活動から始まったポリオとの取組み。はしか、ジフテリア、破傷風、百日咳、結核を取り込んだ「ポリオプラス」への伸展、募金活動をほとんど行うことがなかったロータリアンがチャリティや街頭募金を行い、ワクチンを飲ませるために子供たちを保護し親を説得、自ら現地でワクチン投与に加わったロータリアンも多い。そして昨年立ち上げられた「End Polio Now」は、ビル・ゲイツ財団をパートナーに最後の3か国の撲滅を目指す。ポリオプラスの「プラス」は5つの疾病から活動の副産物に変化した。ワクチン搬送の波及効果は「新しい物流方法」や世界的な「診療所のネットワーク」に形を変え、世界中の感染症対策に、使えるシステムとして機能し始めた。「ロータリアンの熱意と粘り強い活動が、不可能を可能にしようとしている。あと少しが一番大変、気を抜かないように」と・・二神編集長。かなり読み応えがありましたよ。また、次の松宮RI理事の文章も含蓄がある。地球は人と人を結びつける協力な磁場であり、ロータリーは理念としてこれを証明している。ロータリーはその発端から倫理を超えた生き方を提唱する。これが強力な地球の磁力の本体に違いない。更に「ロータリーのサービスコンセプトは「我欲」と心の中の「鬼」に挑む生き方だ。」と最後にこの倫理に反するRI理事会の無力化を指摘され、このままでは世界中のロータリアンを裏切ることになると懸念を表明された。
縦組みに移ろう。【SPEECH】メジャーリーガーになりたい、という小学生がいたら全国どこでもチャレンジできる。グランドも道具も指導者もいる、中学も高校も野球少年を受け入れるし子供たちは夢を現実にする可能性を持てる。ところが「ロボットを作りたい」と科学を目指す小学生には指導者もいなければ受け入れる施設、学校もない。産業界がこぞって「人材がいない!」と22歳の大学生だけを見て嘆くのは人材育成の観点からおかしい。コンピュータ言語でプログラムを書き、英語でプレゼンテーションする小学生はいくらでもいるのに教育環境がないため成人まで育てられない。という視点が面白い。科学を通じてあらゆる職業の人間教育。人材育成が行える。ロボットコンテストにジュニアの可能性を感じてほしいとの主張にアナログ人間ながら共感した。
【わがまち・・そしてロータリー】は富岡市。世界遺産に登録された富岡製糸場は廃藩置県前の建造物、「売らない、貸さない、壊さない」の三原則で保存されてきた地域の宝。「赤煉瓦物語」を著し殖産興業の象徴、巨大な歴史遺産を守り抜いたロータリアン、今井幹夫氏こそ本当のロータリアンであろう。
今月はかろうじて1点、【ロータリーアットワーク】に高岡RCの「ミニラグビー大会」が紹介された。ありがとうございます。