『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2021年1月6日水曜日

ロータリーの友を読もう1月


表紙 

表紙はいつも楽しみにしている。

イラストのタッチが素敵で必ず『今』をイメージさせる構図が面白い。

今回は故郷の象徴を窓辺に置くという発想、窓の向こうが明るい、

コロナを何とか凌いでいい年になりそうだ


RI会長メッセージは

今年度のRI会長メッセージは、

周囲の活動家、理論家にそれぞれのテーマについて語らせ、

そのエキスを会長メッセージ=ロータリアンへの提言として伝えていて、

そのことが内容に深みと魅力を与えているように感じる。

今回は、グレッド・ヤング元RI会長の言葉。

今月のメッセージはクラブ戦略の重要性。

クラブの独自性を踏まえた計画を立案し必要な変化を起こす時、ということ。

今後23年における構想や優先事項は何かを会員全員に諮り、担当者、達成項目、

進捗状況の把握、スケジューリングを作成し実行する。必要があれば見直す。

そのことが自分のクラブを活性化に導く、ということがよく理解出来る。


P7)特集 職業奉仕月間

「あなたがつくっているものは?」

表紙の色鉛筆を使ったデザインがいい。縦組みのHead Lineが眼を引く。

ロータリーが多様な職業人(その道の専門家)の集まりであることを紹介することは、

ロータリーを理解する上で意義がある。

提灯屋さん、団子屋さん、酒造家、旅館、先端企業、医者など多種多様。

「あなたがつくっているものは?」の解答が、商品、製品というだけでなく

心とか笑顔、安心、文化というのも面白い。

うちの地区の岩下いずみ会員(犬猫美容院も紹介されていて親近感を覚えた。

みんな誇り高き顔で写っている。

身近な会員が登場するのは『友』を身近に感じることに繋がる。


P18) インターアクト

「新型コロナになんて負けない! きみちゃんと歩こう」

今年度からInter Actの頁が設けられている。

多様性を指向するロータリーが、その未来を担う若い世代を取り込むのは当然のことだが、

今までと違うのは、若者を指導するというスタンスではなく、

若者の自主性を支援するということ。

高田高校仏青IACが紹介されている。

コロナ禍の中で、ソーシャルディスタンスを保ちながら、

それでも積極的にイベントを実行する行動力は見習いたいものだ。


P20) 東京ロータリークラブ100周年 


   日本で最初のRC100周年を迎えた。

スローガンは「原点に立つと未来が見える PARTICIPATE


東京RCが輩出したRI会長 東ケ崎潔氏のRI会長年度のテーマ。

このテーマに基づき、記念ソング、記念バナー、お持ち帰りのペアカップ(深川青磁)

虎屋特性和三盆、いずれも会員、会員企業が制作した。この他米山に2000万円の寄付。

100年誌の編纂、紅白のハナミズキ100本が米山梅吉記念館に寄贈される予定だとか。

記念式典は、コロナ禍を反映してビデオレターの祝辞、クライマックスでは、

常磐津文字太夫会員と人間国宝、中村吉右衛門丈による祝儀舞。

料理は100周年ラベルのワインに、帝国ホテル、東京吉兆のコラボ、フルコース・・・

さすが、東京RC、やることがすごい!


P22) Rotary projects around the globe

広告の世界では「数字の魔力」とよく言われるが、数字には不思議と人の関心を

引きつける力がある。「Rotary projects around the globe』では、赤文字の数字が効果的。

イギリスの高級玩具の市場規模が80億ドルって、どういうこと?と思ったら、

それほど人気のあるテディ・ベア等の玩具をロックダウン中のロータリアンが手づくりして

子どもたちに届けたという活動の紹介になっている。

「栄養失調のパキスタン人12%」も「エルサルバドルで犯罪の危険にさらされている学校

10校のうち6」も然り。

編集部にコピーライティングの専門家がいるな・・・と思った次第。


P22) よねやまだより

ロシア・エカテリンブルグの日本部門コミュニケーションスペシャリストの

スソワ・エブゲニアさん


P26 「大人の着こなし図鑑 コート

このコーナーもロータリアン必読、といえる。今月は礼服がテーマだが、

パーティや会合では平服が当たり前、式典でも「平服でお越しください」という

時代にあっては、正装は却って浮いてしまう。

でも招いてくれた相手を敬う、という意識は持ちたい。せめて襟を正して

準礼装でも着付けて参加できるパーティを企画したいものだ。

ブラックスーツにベストはグレー、

ネクタイは白かグレー、スエードやアニマル柄は忌み嫌われることくらいは知っておきたい。

また、紋付き袴、紬や絣、浴衣など和装の注意事項もぜひ企画してほしいと願う。


P29) 連載コミック 「ポール・ハリスとロータリー」

     第4章 ロータリークラブの発足(前半)

ロータリーは当初、相互扶助が中心で、未だ世のため人のためという考えはなかった。

仲間となった1業種1社の会員が、お互いに仕事を原価で融通しあい、それはそれで

発展していたのだが、弁護士のドナルド・カーターを勧誘しようとした時、

人の尊敬と信頼を受けないような集まり、ロータリアンだけが儲ける組織では、

長続きしない、と断られ、ポールは猛省。1業種1会員制を貫きながら、

職業人の親睦の力を街の発展のために役立てようと提案。カーターの賛同を得て

社会奉仕の概念が生まれた。ロータリーの綱領に謳ってある4大奉仕は

ポールの苦悩の中で段階的に生まれていった事がよく分かる。


P38 地区大会略報

P45) 「財団管理委員長からのメッセージ」

いつも思うが、Ravindran財団管理委員長の文章は説得力がある。必ず目を通す頁だ。

今月は「6つの重点項目の成功は結局、環境問題にかかっている」ということ。

詩人タゴールの「木とは、耳を傾ける天に絶え間なく話しかけようとする地球の声である」

を引用、祖国スリランカでの火力発電所計画を撤回させた具体例を示して、

ロータリーの使命とは何たるか、を明示しておられる。

すべてのメッセージを1冊の本に出来ないものか・・・?


縦頁に移って

P4  SPEECH

Being Management 人材活性なくして事業継承なし

亀戸天神で江戸固有のくず餅を商う船橋屋の8代目、渡辺雅司氏の講演要旨。

永続企業は、高速で回るコマ。一見静止しているように見えるが、すごい速さで

回転している。そのコマを支えるのが軸となる経営理念と円盤の組織。

なるほどねぇ、いい例えだとまず感服。

この会社には、毎年17,000人もの新卒学生の応募があるという。何故?

「ワクワクしながら働けるから」「幸せを感じる組織だから」。

それには旧時代のセルフ型経営、「俺が、俺が」の世界で、社員に

「根性見せろ!」と叫ぶような、自らの能力に対する他者承認を求める

タイプではなく、

ワンネス型と呼ばれるEmotional Intelligence(情動的知性)

をもった共感型の経営者が必要とされる。

幸せのあり方大切にするワンネス型の経営者は、登山に例えれば

頂上を目指しながら中腹で仲間と自然を楽しむ経営者だという。

この方の引用される言葉が、どれも唸らせる。吉田松蔭の

「夢なきものに理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、

実行なきものに成功なし、故に夢なきものに成功なし」

最後に引用されたオノ・ヨーコの「一人で見る夢は夢でしか無い。

しかし誰かと見る夢は現実だ」

古くて最新の経営と言われる所以がここにある。


P9この人訪ねて

長野RCの室賀栄助さん。日本中に知られた善光寺門前の七味唐辛子屋さんの

9代目。最近は七味唐辛子を使ったスイーツがヒット商品だとか。

酒が飲めない甘党だから、辛い七味がスイーツに合うと思ったなんて

すごい発想だと驚いた。同じ七味の老舗、東京やげん堀と京都七味屋本舗と

コラボで共通ハンドブック「七味三都物語」をつくるなど頭も柔らかい。

前項の「俺が俺が」でないワンネス型の経営者と言えそうだ。

お父さんは15年前に地区ガバナーを務めた程のロータリー一家というのも頷ける。


P13「卓話の泉」

おせち料理あれこれ

昔ながらのおせちを懐かしむ世代としては、非常に興味深い投稿だ。

確かに昔は、3が日、主婦の労を厭うため、雑煮と餅以外、火というより

台所を使わず、 黒豆、数の子、たたき牛蒡、田作り、蓮根、海老といった

縁起物のお節だけを食し、3日目に、にらみ鯛に箸をつけ、鍋にするなんて

仕来りがあった。日本の仕来り残したいと思うのは、私だけかしらね。


     (P25ROTARY AT WORK

我が地区薩摩川内RCの「子どもたちの未来へと機会の扉を開く」が

掲載されている。是非ご一読いただきたい。