『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2018年11月9日金曜日

ロータリーの友を読もう11月


Rの友 地区代表委員  深尾 兼好

11月のRI会長メッセージは、
「初めて自ら参加した国際大会で受けたインスピレーションが、
ロータリーに対する見方を変えてくれた

という体験から、20196月のハンブルグの国際大会に結集しようと呼びかけるもので、新しい年度のインスピレーションを探しているロータリアンなら必ず答えが見つかる、とか。ハンブルグという町も聞けば聞くほど素敵な街の様だし、行ってみたいという思いに駆られる。
今月はロータリー財団月間
入会当初の私は「財団って寄付を集める団体
くらいの意識しかなく、
「とりあえずポールハリスフェローになっとけば格好がつく

などと公言する半端なロータリアン。
ポリオ撲滅にも世界中で展開される人道的奉仕にも、全く無関心で他人事。
「そんな余裕があったら自分たちの地域を、町を、家族を豊かにした方がいい
と思っていたのだが、
不可能と思われていたあのインドでポリオが撲滅され
あとわずかで世界中からポリオが消える、というニュースとその企てに日本各地域のロータリアンが多数関わっている現実を知り、これはちょっと凄い、我が地域の延長上に
世界の地域で苦しむ人がいる。その人たちを支援するのは、金持ちの道楽なんかじゃない!と気づいたのがやっと10年前。シェアシステムによって地域にも直接的な人道的奉仕の機会が与えられ、地区補助金やグローバル補助金を活用した地域独自のプロジェクトを立ち上げることが期待出来るようになった時期と重なる。
財団委員には寄付を集めるだけではなく、地区に返される財団資金の使い方を考える役目も付加され、寄付の使い道に手応えを感じることが出来るようになったのである。

特集では、その有難い地区財団活動資金(DDF)の活用の仕方が詳しく解りやすく紹介されている。WF(国際財団活動資金)と異なり、地区が使途を決定するのがDDF。勿体ないことにこのDDFを地区が使い切れていないという報告があった。
繰り越されたDDFは何と800万ドルに及ぶ。
その使い方の
  1. ポリオ撲滅の支援DDFからの寄贈に対しては、WFからのマッチングと
ビル・ゲイツ財団からのマッチングを合わせて寄贈した金額の4,5倍の額がポリオ撲滅に使われる。
  1. が国連の「持続可能な開発目標
  2. とも概ね合致する6つの重点分野に於ける奉仕活動の持続可能性を高めること。
「グローバル補助金は申請・報告が面倒という声がある

確かに資格認定を受けた実施国RCと支援国RCの両方が必要で現地RCの要請と協力がなければプロジェクトが立ち上がらない、といったことで、我がクラブもカンボジアまで出向いたが、未だに申請できない状態である。が、徹底的なニーズ調査と持続可能性をきちっと追求すれば必ず成功するとは感じている。
  1. は毎年のDDFの全額を使うために、クラブの関心が高い地区補助金の利用を促進する他、DDFの少ない地区に寄贈、また他地区提唱のグローバル補助金プロジェクトに加担することもできる。
  2. 恒久基金に寄贈すること。新たに開設された「日本ロータリー平和基金
  3. に累積したDDFや将来のDDFを寄贈することもできる。基金の元金が150万ドルになれば、その収益から毎年1人の平和フェローを支援することが出来るとも記載されていた。2010-11年度に「未来の夢計画
  4. のパイロット地区となった2580地区からは、地区補助金は実施前年度の79月が申請受付期間なので、単年度の取り組みではなく1年前から計画を始める必要がある、と助言されていた。
DDFの活用は、地域社会からの「助けて欲しい」という要望とロータリーが「支援したい」という希求に対して応えるきっかけを提供すること。

『現場の声』では、教わるより教える方が、知識が身に着く。研究会や研修会では発言の機会を増やし財団部門のリーダーを増やすことがDDF活用の近道だという提言。

グローバル補助金申請のヒントとして
海外のパートナー探しには、地区内の他クラブや現地NGOから現地RCを紹介してもらう。プロジェクトが複数年度に及ぶ場合はクラブの戦略委員会で短、中期の活動目標にあげる。成果の持続可能性については、物品の供与だけではなく成果を持続させる仕組みづくりに主眼を置く。等々、「成程!」と頷くアドバイスがあった。

『ロータリー学友からの報告』で興味深かったのは、インフルエンザの治療薬タミフルをミャンマーの奥地で栽培した八角から抽出、その収益で構造的暴力を排除し、人、地域、国の安全保障を確立しよう、とする計画。
現地を援助漬けにするのではなく経済的な自立と誇りの持てる社会を
現地の人と共に創る。これこそが本当の支援だと感心させられた。

18-27『ポリオ撲滅最新情報』この10頁ですべてが解る。そっくり抜き出して保存するのがいい。読んでみるとポリオの撲滅とは、とてつもなく大変な作業のようだ。未開地、紛争地域への介入、宗教問題を解決してワクチンを接種しても、それで解決とはいかない。弱毒化しているとはいえ生きたウイルスを投与する経口ワクチンでワクチン由来のポリオウイルスが発生したり、最後の野生株ポリオウイルスを検知するためには膨大な費用が掛かる、ということも納得できた。

37頁はちょっと驚かされる。
ローターアクトからロータリーに変貌したクラブがある、という報告。
オランダの『アメルスフォールト・ヤング・アンビションRC
資金の調達に歴史的な施設を利用した脱出部屋(謎を解いて脱出するゲーム)を考案。若者ならではのアイデアで活動費を捻出、年会費300ドルは若い職業人の加入を可能にした。

縦組みに移ってSPEECH 「児童虐待の実態」は
JICAで活動された松本幸治さんの講演要旨。
R財団の奨学生でもある氏は、イギリスでカウンセラーの役割を学び、カウンセリングとは患者の問題を診断し、アドバイスすることではなく、患者が話すことで自らその問題に気づき解決方法を考えていく過程を支援することと、いう考えに共鳴、児童養護施設で患者に寄り添うカウンセリングを実行されている。
施設に入所している児童の67割が虐待の経験者で最近はネグレクト(養育放棄)が増えているとか、虐待は父より母が多いということにも驚かされた
しかも虐待の通報を受けても施設で保護されない、というのが日本の現状で、
虐待死にいたるケースもあり、加害者は圧倒的に母親だとか。子どもに対する財政的支援も北欧諸国と比べて、日本はあまりにもお粗末なのが現状。
「子どもの貧困」ではなく、親の貧困による「子どもと貧困」が正しいのでは?とも
『クラブを訪ねて』は三代続く女性会長のクラブ、沖縄 浦添RC
浦添は琉球国の最初の都でサンゴと海葡萄の町。
クラブは創立52年、35人の会員中、女性は12。現会長は73歳の現役アナウンサー、今もフリーで7本の番組を担当、直前会長は草木染の首里琉染を創業、サンゴ染めが観光客の人気を集めている。直直の会長は親子二代の会長、その前の前も女性会長だとか。
しかも女性会員は全員がLINEで繋がっている。
因みにうちのクラブは恥ずかしながら女性ゼロ。思いも及ばない凄いクラブだ。
今月の当地区の成果は、
何と『俳壇』に我がクラブの長柄英男会員が入選。「炎帝の隣近所に越されしか」
ROTARY AT WORKでは、宮崎大学関係者を中心とした新しい形組のクラブ
「宮崎アカデミーRC.
の認証状伝達式、
20回を迎える宮崎シーガイヤトライアスロンを後援する「宮崎中央RC

『声』の欄に「鹿屋RC
宇都健三郎会員が掲載された。