『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2020年9月3日木曜日

ロータリーの友を読もう9月


今月のイラストもホッとするような優しいアート。コーヒーブレイク、目を閉じれば
湯気の向こうに広大な草原・・・という感じか? 

巻頭のRI会長メッセージ
ホルガー・クナークRI会長がロータリーに傾倒するきっかけとなった
青少年交換プログラムについて。ローターアクトと共に青年期を歩んだ
クリスティーンさんに、この欄を譲るという珍しいメッセージ。
彼女はローターアクターでありロータリアンとして両者の架け橋に
なろうとしている、とか。ロータリーと触れ合った若者に声をかけるのが、
ロータリアンの義務。ロータリー家族は永遠なのだと共感した。

今月の特集は、基本的教育と識字率向上月間ということで
「読感表選」
んでじて、自分の言葉で現すること、さらに情報が反乱する現代では、正しい情報を
択出来るかどうかが問われる。という意味。
識字率なんて海外の問題だと思いがちだが、OECDの調査では日本の若者の読解力は
世界の15位以下に低迷しているらしい。
「読書とは自分の頭ではなく、他人の頭で考えること」 という
ショーペンハウエルの言葉が頭に残った。

日本のロータリーの
基本的教育と識字率向上に対する取り組みは 
故郷ゆかりの国際人を顕彰し、映像や絵本で伝記を制作、
15年に渡って読書感想文を募集している「御坊RC」の例。
東京にオリンピックを呼んだ「和田勇の物語」に感動した子どもたちの感想
「誰かのためになにかする、それが私の未来への第一歩」
まさに超我の奉仕、それを教育する素晴らしい事業だと思う。

日本のアンデルセン浜田光介の生誕地高畑の「高畑RC」は、
各学校に高畑ロータリー文庫をつくり童話を寄贈している。
スマホ一辺倒で読む書くことに関心を示さない子どもたちが、
書き文字の美しさに気づいてくれればいいのだが・・・

また、Eクラブの特性を活かして、SNS上のトラブルや個人情報の漏洩といった
デジタルリテラシーの問題について安全教室を実施しているクラブもあった。
スマホは便利で、もはや手放せないツールだけに危険を回避する教育は必要だ。

もう一つは、日本のロータリーだけの月間。
『ロータリーの友』月間の特集
まずWithコロナの時代だからこそ、情報の交換を積極的にやろうという提案。
日本のロータリアンを結ぶ「友」をプラットフォームに新しい交流を広げようということ。
例会の方法は、事業は、活動は、ロータリーの在り方は?
情報を交換できることがロータリーの魅力。
まず投稿の仕方、電子版も含めて詳しく解説されている。

また、公式Facebookも始まったようだ。コ
ロナ禍で例会も通常とおり開けない中では、情報の共有、拡散には
SNSが有用。迅速な情報が交換できる。
といっても、なんでも投稿できるわけではない。著作権に配慮する必要がある。
他人の作品を無断で使ってはいけないことは誰でも知っているが、
新聞社や放送局が、自分たちの活動を取材してくれたとしても、
版権はマスメディアにあり許諾が必要
ということには、あまり気を使わないようだ。同様に「友」に掲載された写真や記事を
クラブ週報やガバナー月信に転載することも許可が必要。
昔みんなが言っていた「ロータリアンは著作権を主張しない」なんてことは決してない、
と心得るべきだろう。

ロータリーの友は広報誌ではなく機関紙
「The Rotarian」は「ROTARY」に
ロータの友横組の表紙には「ROTARY」と表記されるようになりました。
誌名は「ロータリーの友」ですが、これはRIのブランディング戦略の一貫。
マーク単独の使用にも厳しくなったようで、各クラブのリーダーは要注意。

機関紙であること。これは重要なことです。
RI指導者の考え方、方針を知り、ロータリーを学びクラブ事業に活かすこと、
そしてもう一つが
日本の、世界の、ロータリアンと交流し親睦を深めるための交流誌ということ。
専門家が専門書を娯楽本より面白いと思うように、ロータリアンがロータリーを
楽しみ活動しようと思えば「友」が雑誌や小説より面白くなるはず、では?

次が「ロータリーの友地区代表委員」について
この特集は有り難い。いくらガバナーから任命され、ガバナーの代理として
「友」に関する役務を負う委員、と言っても、地区組織では無任所、存在感が無い。
かつては、情報収集のための組織もなければ、「友」をPRし投稿を要請する
機会も与えられなかったが、当地区では、前年、当年、次年度の地区委員と
予定者と月信委員からなる「地区友委員会」が開設され活動開始。
のはずだったがコロナ禍のため待機中。
地区代表委員の役務である全国34地区の代表委員が集まる
代表委員会もネット会議となって気力喪失が現状である。様々なクラブから
様々な情報が報告され、いちいち驚き感激したリアル委員会の復活が望まれる。

『ロータリー雑誌の仲間たち』
RIが発行する「ROTARY」
以下32の地域雑誌の全ての表紙にROTARYの文字が入っている。
それぞれにお国柄が出ていて、しかもデザインのレベルが高い。
世界中のロータリーの指導力が覗える。

今月は「侃々諤々」も「ロータリーの友」について
「他クラブの投稿記事から学ぶことが多い」「女性会員の活躍等、時代の流れを
感じる」「投稿することは、ロータリーに対する自分の考えをまとめること」「過去、現在、
未来のロータリーを知る教科書」「投稿記事で先輩の活躍を知り、励みになった」
「友」は日本のあらゆる分野で指導的立場にいる9万人が意見を述べる日本一の
調査機関」等々、色んな意味で評価は高い。
改めて見直してみる、ストックしておくことも必要かも。

『大人の着こなし図鑑』
今月のテーマはベスト。最近三つ揃えを着ることが少なくなったが、
この頁にはベスト着用を勧める4つ理由が書かれている。
①一つはフォーマル度が上がる。② 上着を脱いでも失礼にならない。
②個性が表現できる。④ 半分以上隠れるので派手なネクタイが使える。
でもやっぱり一番は出っ張りだしたお腹が隠せることのような気がする。
ベストはスーツをオーダーする時頼めば、わずか10から20センチの生地をプラス
すればできるらしい。これはいい話を聞いた、試してみよう。

次が連載コミック「ポール・ハリスとロータリー」
第2章に入った。5カ年の「愚行」。アイオワ州立大卒業後、先輩に刺激を受けて、
5年間の放浪の旅に出る。アメリカ全土を放浪し、新聞社の通信員、缶詰工場の従業員、
大学講師、新聞記者、面白いのは俳優やカウボーイも体験、生涯の友を得る。
その後、イギリスはロンドンに渡り、帰国後、世界博覧会が開かれるシカゴに向かう
資金調達のため友人の農場で働き、ハリケーンに遭遇。8歳の少女を救出する。
人生そのものがドラマ。平々凡々と世界の指導者になった訳じゃないことに感動させられる。

「日本のロータリー100周年を一緒に祝おう」
ピンバッジがすでに出回っているが、9月18日には記念切手が発売される。
RIの6つの充填戦略のウチ5つの分野のアイコンを採用。5種類10枚組
発行日には特印(特殊通信日付印)のサービスも有るとか。
RIの公式ロゴ使用方法のアレンジが生じ、今回だけの特例として認められた。
いい機会なので、是非購入して無沙汰をしている友人みんなに手紙を出してみたい。

今月はRI指定記事が印象に残ったので特筆
RI指定記事の「台北国際大会の案内」『ちょっと一息』
タピオカミルクティは台湾が発祥の地とか。昔は台湾に行くとお茶を飲み歩くのが
定番だったが、最近はタピオカミルクティとコーヒーが人気とか。
「ただ一服しているわけではありません。地元の文化を味わっているのです」
という決めの言葉が最高。台北・・・行ってみるか。

もう一つRI指定記事、R財団管理委員長からのメッセージ
『日々の選択が平和をもたらす』
1914年、ヨーロッパ戦線、砲撃を繰り返すイギリス軍とドイツ軍、その中でのクリスマス。
「メリークリスマス!イギリス兵よ、共に歌おう」とドイツ兵が声をかけ、程なく両軍の兵士が
胸壁を乗り越え、手を取り合って『クリスマス・キャロル』を合唱、酒を酌み交わし、
サッカーの親善試合まで行われた。勿論その後は4年に及ぶ殺し合いを再開することに
なるのだが、この兵士たちの行動は「人の心が受け入れれば平和は可能だ」
と教えている。戦争の否定というネガティブな面だけでなく平和の肯定、
積極的な平和の推進というポジティブな形で平和を実現する努力が必要と
書かれている。素晴らしいメッセージに涙が出るほど感銘した。

ひっくり返して縦組みを見ると
まず「SPEECH」
『変態が改革する多様性社会』
というタイトルに「エッ!?」
立命館の出口治明副総長の講演の要旨だが、変態という言葉に仰天。
解説を見ると、世の中をきちんと見て、正しく動くには、
タテ、ヨコ、算数の思考で考えること。うーん、もっとわからない・・・。
人間は、人生観や価値観という色眼鏡で見ている。その色眼鏡を外す方法が
タテ・ヨコ、算数らしい。タテ(歴史)=昔の人はどう考えたか、脳の作りは進化しないから
昔の人から学ぶことは重要。ヨコ(社会)=他人はどう見るか、世界中の当たり前が見える。
そして算数。エビデンス(根拠)=データによる分析を重視すること。
この3つで全てを考えるというのが出口氏の考え方。
だから、日本の国際競争力の低下は、日本がこの30年間にGAFAやそれに続く
ユニコーン(予備軍)各社のような新しい産業を生み出すことが出来なかったことが原因。
新しい産業を生み出す鍵は、①女性、②ダイバーシティ(多様性)、③高学歴だと指摘。
女性の能力を認めない、外人を混ぜることも好まない、日本の企業が好むのは
頭が良くて素直で上司の言うことを聞くお利口さん。それでは新しいアイデアは生まれない。
アイデアを生み出すのが「変態」
今までの日本の教育のような均質的な優等生を生み出すシステムはやめて、
個性の尖った人、「変態」をみんなで大事に育てることが日本を救う道。
ウーン、確かにそうだ。これからも生き延びるのはアイデアを持った会社。
土地、資本、労働力じゃ未来はないな、と感じた。

『この人訪ねて』

益子RCの藤原郁三さん。益子焼の陶板作家。飲食物を盛る器ではなく、
ヒトを入れる器、建物の壁を陶で作る人と説明があった。
そういえば市民ホールとかの広い壁に陶板というのをよく見かける。
元々芸大で日本画を専攻されたらしいが、河合紀氏に出会って陶板作家に、
陶壁は独りじゃ出来ない、環境芸術、地域の環境、住民の思いを組み入れる
のが作法とは、まさしくロータリアンに違いない。
四天王に踏みつけられている邪鬼を解放して無邪気な姿を作るのが生涯の仕事とか、
二度の癌を克服して無我の境地で邪鬼と対話される氏に深甚なる敬意を払いたい。

『卓話の泉』『友愛の広場』『俳壇・歌壇・柳壇』には当地区からの投稿無し
『ロータリーアットワーク』
今月は当地区の串間RCの「ウミガメのために海岸清掃」が1頁全面に
紹介されている。県指定の天然記念物で絶滅危惧種のウミガメは、串間市の
長浜海岸を産卵地とする。串間RCは30年にわたって清掃活動を続けている。
例年はインターアクターも協力してくれるが、今年はコロナ禍で参加できず、
会員7名での作業だが、集めたゴミはトラック4台分になった。
活動に共感する会員を増やし、ロータリー家族を増やして、頑張って欲しい。