『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2011年5月18日水曜日

2011年5月号 感想

 表紙の写真からじっくり鑑賞する癖がついた。今月は山つつじ越しに見る富士山。絵画のように隙のない出来過ぎの構図も霊峰には許される。中景になる金ケ岳の配置が絶妙、などと悦に入って裏を返すと屋久島の風景。幻想的な霧に浮かぶグリーンを杉木立のシルエットが引き締め、数千年の時を感じさせる。
 RI会長メッセージは相変わらず上手い。「Show and tell」 たくさんの人に見せて自慢できるものを持つ事の素晴らしさに納得。ニューオーリンズへの誘いの文章だが、行ってみたくなったのは、私だけではないと思う。
 今月は若いロータリアンと若かった頃のロータリアンの特集、若い事に戸惑いながらもしっかりと自分のポジションを見つけている若い彼らには、無理や突っ張りは見られない。ロータリーの魅力は、幅広い年齢層が同じロータリアンとして尊重し合うこと。そしてその中で人を覚り、学べることだと感じている。これに対して、若かった頃のロータリアンはみんな結構無理をしている。大先輩から薫陶を受け、まずロータリーとは何か?職業奉仕とは何か?全く分からないままに走り回り、何度もやめようかと思いながら自力でロータリーの面白さに気付いた世代、どちらもいいと思う。
 次が『その時・・ロータリーはいち早く動いた』 東日本大震災で沖縄県から医療支援に参加された倉内さんの報告、「現地に悲壮感なく、地元の人々が結束し再び立ち上がろうとする強い気持ちが溢れている」という印象に感動を受け、自己満足に終わらない役立つ支援のありかたを考えさせられた。もうひとつ感じたのは、ロータリーの行動力とネットワークの凄さ、日本各地のRCが被災地の地区、クラブと連絡をとり、今必要な支援をいち早く形にして現地に送るという活動が展開されている。壊滅的被害をうけ復旧の予測が立たない今回の災害支援には、長期に渡る継続的な支援が必要となる、ロータリーのネットワークが今こそ機能すべきである。と考えながら次を読むと、『タイガーマスク運動』について、国連難民高等弁務官事務所やJICAでアフリカの平和構築に取り組まれた米川氏の意見が掲載されていた。心温まる話として大きな話題となった「タイガーマスク運動」だが支援対象者の本当のニーズを把握しない一方的支援では、却って相手に迷惑を掛けてしまう行為だとされた。新しいランドセルが施設の全員に行き渡らなかったら好意は仇になるし、いじめの原因にもなりかねない。低開発国への支援も長期に渡ると依存心が生まれ却って人をダメにする。支援対象者が本当に欲しいのは、モノや食糧ではなく「安全」や「自立できる環境」。急場しのぎの「手当」ではなく問題そのものを解決する援助ではないだろうか。
 この他『米山学友23』 にケビンさん、『SPEECH』に姫軍さんと二人の米山奨学生OBの日本と繋がり世界に羽ばたく素晴らしい生き方が紹介されている。またガバナーのページで我らがボス 伊藤学而ガバナーが「地殻変動の中で発生した人類は、地殻変動に屈することなく、それを乗り越えていかねばならない」と力強くメッセージされているのも嬉しい。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好