『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2012年11月26日月曜日

2012年11月号のみどころ


 今月号は、正直なところシステムは何となく理解したものの、どう対処していいのかよく分からないR財団の特集である。3年後に年次寄付の半分が地区の裁量で使えるようになるという有難い話だが、何でも勝手に使えるという話でもないらしいし、前年に計画し申請が受理されて実施というシステムは単年度制をとっているクラブにはかなり厳しい。地区で、クラブで財団を通じてやれる奉仕って何だろうと思いつつページをめくると田中作次RI会長のメッセージに出会った。「財団を通じて支援する人々の事を、私たちは何か自分たちと違うという目で見がちだが、そうじゃない取り巻く環境が違うだけだ。」ということを、東日本大震災を例にとって説明されていた。アフガニスタンの報告では、金を出して学校を建設する事より長期に亘って教育現場に携わる指導者を養成すること、特に女性教師の育成が急務で、自分たちで立ち上がろうとする意欲を支えるのが支援の在り方だと紹介され、田中会長の話が裏付けられた。

 未来の夢試験プロジェクトの報告では、グローバル補助金を使ったプロジェクトが3件紹介されており、どれもが単に物資や施設の供与、技術支援というだけではなく、国家をも動かす啓蒙活動や将来を担う人材の育成や能力の向上、システムの構築といった持続可能で効果的なプロジェクトであることに驚かされると共に、申請の手法や提案書の作成ポイントが解り易く解説されていて厳しくはあるが参考になった。新地区補助金はもっと身近な補助金制度だが、読んでいくと、それぞれに公共イメージの向上や意味のある計画、修繕、改築といったアイデアが盛り込まれており、成る程と思わせた。また「小さな地区の大きな挑戦と壁」という八戸RCの報告は、小さな地区故の様々な問題点が詳細に記されていて我が地区が直面するであろう現実的な問題に対する示唆として理解できた。

『今を学ぶ インターアクター』のページでは様々な活動が紹介されていたが、当地区ではIA活動の魅力的な目的を明示できず、IA不要論まで出て困惑している有様。授業で習得した菓子作りで、被災地支援の資金をつくったり、被災地の交流先で笑顔と前向きの姿勢に驚かされたり、といった結束と感動の体験がインターアクタ―を育てるということが良く解った。OB会という企画ページには我が地区の宮崎RCが紹介されていた。地方の拠点都市は転勤族が多く会員の入れ替わりが激しい。宮崎RCは東京、大阪、福岡にOB会を組織し転勤でやむなくクラブを離れた元会員と交流を継続している。是非我がクラブでも取り入れたい。次が毎号楽しみにしている『Rotary Moment』 [ロータリーな時間が生活スタイルや試行を変える]という蒲郡の山元会員。「ロ―タリ―は世界と繋がっていることを実感した」は西条の金子会員。「ロータリーのポリオ・プラスが高く評価されていることが誇らしく思う」は熊本の小野会員。闘病から復帰した父に「先生」と抱きついた会員に「これがロータリーだ」と感激した大和中の引田会員。実感や感激はやはり一番ロータリーへの愛着になる。

 最後に縦組みのページ、静岡文化芸術大学の熊倉功夫学長の『SPEECH』これが一等面白かった。日本人の美意識の根本は「花鳥風月」という論旨の展開。出汁をとるという引き算の文化、刺身を食べるための片刃の庖丁。さくらは神の居る所、花見は神を迎えもてなす場、虫の音や風を見る。一々肯くばかり。まとめが凄い、宇宙は太陽ではなく月、自ら輝くのではなく、みんなの光を受けて輝く。会社経営における社長は「空」なるがよい。敬服しました。