『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2014年11月19日水曜日

2014年11月号のみどころ


表紙は霞ケ浦の朝日、朝は水面にガスが起つことが多く、なかなか水平線から昇る朝日は撮れないものだが、見事、帆掛け船の間に日輪を収めて手前まで光の尾を引かせている。素晴らしい、の、ひと言。裏表紙はライトアップされた清水の舞台。仰って見上げると益々荘厳な趣、観音浄土を思い描き、清水の舞台から飛び降りた人の気持ちが良く解る。

RI会長の今月のメッセージは「友情」について
奉仕を建物を創るレンガとするなら、レンガ同士をつなげるモルタルが友情。強い友情と素晴らしい奉仕は密接な関係にある。とか。確かに、ロータリーで何かをしようとすれば、友情はその活性剤になると改めて感じた。

今月はR財団月間。2300もある日本のロータリーの一組織に過ぎないクラブでも,意識と意欲があれば、モルタルとなる友情によってパートナーを見つけR財団の補助金を使って、世界の「今」に寄与できる。「それでこそロータリー」の姿が紹介されている。国や自治体の支援もなく極貧に苦しむインド少数民族の自立支援プロジェクト。ただ単に寄付を募って彼らの生活を援助するその場限りの自己満足ではなく、自立を支援する取り組みであることに注目したい。また財団の本来の目的であった世界平和に寄与する人材の育成=R財団奨学制度の成果としてのロータリーフェローの現状報告、UNHCRで活躍する元国連難民高等弁務官、緒方貞子さんを始め、たくさんの元財団奨学生が世界中で活動している。更にこのプログラムを発展させた「ロータリー平和センタープログラム」、日本のICUを始め現在世界(アメリカ、イギリス、日本、オーストラリア、スウェーデン)で6大学5センターが国連機関やNGO、政府機関の人道的事業を扱う部署で働くロータリー平和フェローを養成している。日本からの応募が少ないというのがちょっと気になった。

次がインターアクト、当地区ではあまり活動の報告がなく、インターアクト廃止論まであって危惧していたが、我が地区でも川内商工高校の活動が掲出されて驚いた。友委員として、もっと地区内の活動を知らねば、と反省しきり。各地域の活動や全国インターアクト委員長会議の三木 明委員長の報告を読んで、「育てる奉仕、共にする奉仕」つまりはロータリーの未来を担う青少年奉仕の大事なプログラムだという事を再認識した。

『ロータリーデー』もっとロータリーを知ってもらうためのイベントとして先月号のドイツに引き続いて日本のイベントが紹介されている。二神編集長が『Rotaryいま・・』で書かれているように、「自慢するのが下手なひとり一人のロータリアン、ロータリークラブが、ほんの少しだけ周りの人たちにPRしたらロータリーの活動はもっと広がる」という意見、大賛成!

裏返して縦組の頁に移ると、毎回考えさせられるSPEECH』今回は就実大学の杉山慎策氏の講演。70年安保の時代、猫も杓子も革命の幻想に憑りつかれ学生運動に奔走しながらも、なんとなく自分の行動に懐疑的になっていた頃、ドラッカーの「断絶の時代」が注目を浴びた。杉山氏も書かれているように「知識社会の進展」「活動のグローバル化」「価値の多元化」といった未来予測が、確かに今思い返してみると50年後の今を語っている。
アラビア数字とアルファベットと@(アットマーク)で世界中が繋がるテクノロジーの変化、知識のデジタル化は博学を無用の長物とし、真似のできない専門的知識が重要視される。つまりゼネラリストではなくスペシャリストが必要な時代となった。
これからの時代はポッセ(同じ志を持つ仲間)と一緒にコ・クリエーション(共創)をする時代。クリエーティブ・クラス(経営者や専門職)が国や都市の繁栄の鍵を握る。寄らば大樹、のように大企業にぶら下がり、年金をあてにする時代ではなく、死ぬまで働く時代がくる。当然、仕事に生きがいを見いだせない輩は生きる術を失う。価値の競争の源泉は人、人のクリエーティビティしかない。だから人材教育が最重要視される。と、ここまで言い切ってしまうと、ちょっと怖い。やはり自分は事なかれ主義の日本人の一人だと痛感した。

そして『わがまち・・そしてロータリー』炭鉱の町としての絶頂期から衰退期、どん底。北海道赤平RCは地域と一体の歴史を歩み、町を再生させた。アドバイスを受けた先生の言葉「どんなことをしても再生は無理、でも人は元気だよね」の「元気」が再生のキーポイントとなった。取材文の其処此処に「人の元気」が溢れている。いい街だなぁと感動した。今月号には、特集に川内商工インターアクト、『ROTARY AT WORK』に高鍋RCの「障碍者を対象としたサーフセラピー」、宮崎中央RCの「宮崎シーガイヤトライアスロン」が紹介されている。