『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2011年10月29日土曜日

10月号のみどころ

横組>
P1 RI会長メッセージ
バネルジー会長はわかりやすいメッセージを出される方である。和訳されているとはいえ、温かみを感じる言葉が並んでいる。家族での参加を強く呼びかけていることも特長である。

P6 職業奉仕に力を注ぐ
RI会長は職業奉仕に特に注力してほしいと考えているとある。職業奉仕を実践するための会長のアイデアが掲載されている。また、会長がRI職業奉仕推進委員会を設置し、7月に開催されたことも報告されている。そして、CSRが職業奉仕につながるのではないかとという提案についての検討がなされ、具体的にはISO26000を活用することが取り上げられている。今後の動向に注目したい事項である。

P10 四つのテストの沿革
四つのテストがどのように誕生したのかがよくわかる記事である。会社の再生のために作られた、現場で鍛え抜かれた文言であった。いろいろな宗教宗派にも確認され、この言葉を実践した会社は見事に再生している。四つのテストは単なる精神テーマではなく実践の言葉である。

P12 職業奉仕に関する声明
この中で3)の自己の職業上の手腕を社会の問題やニーズに役立てること、は震災へのボランティアを見ていると特に強く感じる。自分の職業奉仕の解釈にもこれは重要と考えている。

P18 バンコクにまつわる2つの街の話
今回の記事はレイアウトが気になった。写真が大きいのはよいのだが、反面、文章が13文字/行と細くなり、読みづらさを感じた。内容面もこの文章でバンコクに行きたくなるというほどの内容はないように思える。

P24 心は共に 風評被害に挑むロータリアン
例会はロータリアンの中核であることをあらためて認識した。そして風評被害に対しロータリーのネットワークを通じて挑戦している。

P26 心は共に マリンピア松島水族館に招待
ここにある震災中のものも含めてこれらのエピソードはきちんと残されるべきものである。ロータリーの友は紙のアーカイブとしてこれらを保存してくれる。

P35 エバンストン便り
ケチャップでポリオを撲滅はよいアイデアを紹介している。

<縦組>
P7 この人この仕事
会社の経営者として、新規事業に取り組んだイノベータとしての木内洋一氏の記事は多くのロータリアンに共感されると思う。

P10 卓話の泉
洋食テーブルマナーは洋食になれているロータリアンにとっても、あらためてためになると思う。二次電池、うつ病と呼吸法も同様でロータリアンの職業の幅広さを感じた。

P30 ロータリーアットワーク
四年前の御礼に訪問の記事はすばらしいエピソードである。奨学制度にとっての明るい話である。

9月号のみどころ

<横組>
表紙 神秘的な構図の和太鼓集団。写真1枚で行ってみたくなるほどの魅力を感じた。

P1 RI会長メッセージ
より若い会員をロータリーにというタイトル。若い世代の居場所はインターネット、フェイスブック、ツイッター、Eメール、スマートフォン上であることから、クラブのウェブサイトの必要性と質の良さを求めている。ロータリーの将来を考える上でやはりネットの活用を真剣に考えねばならない。

P3 高校生の写真
新世代月間としてのイメージであるが、表情もよく、ふさわしい写真掲載である。さわやかさを感じ、新世代への期待を感じさせる。

P5 特集 新世代のための月間
新世代と歩む青少年交換は、セッティングはするが結果を聞いてないケースが多いのでは。確かに帰国後報告会が例会等であるが、時間も短く、なにより緊張している彼らからじっくりと話を聞くという状態ではない。この特集は日本人初の交換学生をはじめとして5名のその後を含めた話が掲載されている。貴重な情報、知識となる記事である。

P20 心は共に5
引き続き、震災復興への各クラブの活動が掲載されている。各クラブの具体的かつ身体を使った活動にはとにかく敬服する。このような災害に対し、ロータリー何をできるのかを最終的に検証する場合に役立つ情報である。この特集は最終的に一冊にまとめてほしいと思う。

P34 はじめる一歩 ロータリーソング
ロータリーソングの由来、歴史、そして意義がわかりやすく紹介されている。東京でメーキャップをすると、オリジナルソングや伝統的な歌(例:新橋RCの鉄道唱歌など)を歌うところに遭遇する。ロータリークラブを理解する上で読んでほしい記事。

<縦組>
P10 卓話の泉
「札幌ラーメン秘話」は地元の関係者ならではの話。ラーメン秘話も含め、「成年後見制度について」と「ビタミン発見と脚気」はそれぞれ職業を通じた話で、ロータリーの卓話としてふさわしいと感じる。このコーナーをプログラム委員長に読んでもらいたい。

P14 言いたい聞きたい
Eクラブについての意見が掲載。Eクラブは存在してもよいがそのあり方には大きな課題があると思われる。ネットでメーキャップできる安易な存在になってはいけない。Eクラブ自体をよくは知らないロータリアンも多いが、一度じっくりと誌上でも特集されてもよりのではないだろうか。

P20 友愛の広場
GSEキャンセルやむなきという投稿は感じ入ってしまった。たいへんな準備とそれお乗り越えた受け入れの期待感が表現されている。福島の抱く不安はわれわれは無視できないし、常に支援していかなければならないと感じさせる記事。

P23 ロータリーアットワーク
当2730地区の指宿RCの記事が掲載。今後も当地区からたくさん掲載されるよう広報・雑誌・IT地区小委員長としてはがんばりたい。

P31 ロータリーアットワーク
上里RC解散例会 残念なことであるが、事実として認識すべきこと。当2730地区にも会員数が極端に少ないクラブが存在している。解散する勇気も必要と感じる記事。クラブ数の維持も大事だがトータルの会員数増加も大きな目標と割り切るべきか。考えさせられる記事であった。

2011年8月1日月曜日

ロータリーの友8月号おすすめ記事

【横組ページのコンテンツ】_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

P5
「会員数について考える」
会員数の増減や女性会員の数と割合、少人数のクラブなどグラフでわかりやすく
記載されています。
P11
「心は共に4」
震災等に対する各クラブの支援状況を記載しています。
P22
「日本ロータリー写真館1」
日本初と二人目の国際ロータリー会長の写真が掲載されています。
P24
「例会を楽しみましょう」
メーキャップのよさ、効果が記述されています。
P32
「ロータリーの基本知識」
日本編もあり、とても役に立つガイドブックです。

【縦組ページのコンテンツ】_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
第2760地区西三河中分区IM時に行なわれたアマゾニア森林保護植林協会会長の
長坂優氏の講演の要旨が掲載。これは必読です。アマゾンでの長坂氏自身の壮絶
な経験談は貴重です。

2011年7月号 感想

○横組について 

数名のクラブメンバーに聞いてみたがRI会長のメッセージの中での家族、継続、変化の三つの強調事項の意味がわかりにくいという意見があった。翻訳文をどこまで意訳するかは難しいところであるが、自分もそういう感があった。P14のテーマのメッセージには解説文があってもよいのかもしれない。
P18からのガバナーの横顔は楽しい記事である。当人のメッセージではなくクラブメンバーからの紹介であることもよい。自分と同じく1950年代のガバナーも6名いることがわかった。若いロータリアンには興味のあるところだ。
大震災関係の記事はこれからも継続して掲載されると思う。P42からの「心は共に」はどういうことができるか、実際何をしたのかがわかり、全国のロータリアンにとってはとても参考になる。ロータリアンこそこのような大災害時にその絆を活かせると思った。P48の陸前高田RCの震災後初めての例会のエピソードは印象に残った。

○縦組について 

P2のSPEECHは地区大会の記念講演の要旨を掲載。わが2730地区でもこれは素晴らしい、多くの人に見せたいという講演が多い。すべてを載せられないということはあるが、看板記事が地区大会(例会)のアウトプットというのはロータリーらしいと思う。
P7からの「この人この仕事」は全国のロータリアンの紹介である。ロータリーの主役は人であり、その職業が紹介されている。これもロータリーらしい企画である。
P19からの「ROTARY AT WORK 写真編」はロータリー活動のスナップ集である。ユニークな催しがあると自分のクラブでも応用できないかと思う。せっかく写真が載るので、写真の構図が変わるとさらにすばらしいものになると感じる。
P24からの文章編はタイトルの付け方がよいと思う。「修正鬼会で甘酒の接待」「婚活パーティ バレンタインナイト」なんだろうと魅かれるタイトルである。

ロータリーの友地区委員 水居 徹

2011年6月10日金曜日

2011年6月号の見所

九州新幹線開業イベント
320キロ ロータリー駅伝始末記掲載
 2700,2720、2730連携でスタートしたが
 ゴールの鹿児島で東日本大震災と遭遇!


東日本大震災でいち早く動いたロータリーその②
「わたしはロータリアンで良かった」
 『凄い』の一言に尽きる緻密で的を得た仙台青葉RCの対応
 世界中から集まる迅速で温かい支援


新しい時代を担う世代の責任の持ち方
 『SPEECH』で元RI理事今井静雄氏のRYLA論

「病気も有難い、病気があるから頑張れる」
 『この人この仕事』の大谷さんの生き方

2011年6月号 感想

 いよいよこれが最後のリポートとなった。担当委員会で喋るための資料として必要な時しかページを捲ることのなかった私が、ロータリーの友地区委員に指名されて1年、今では「友」の雑誌としての質の高さに敬服し「義務ではなく面白いから読む読者に変身した。おこがましい話だが委員になったからには、必ず横組みページにわが地区の記事を載せたいと企図してきた。九州新幹線開業に合わせて沿線の3地区が連携して広報イベントを展開するという願ってもない企画が持ち上がり、これはチャンスとばかりに全身全霊で挑んだが、実施前日に東日本大震災が勃発、全面中止。無念の涙を呑んでいたところに編集部から準備風景だけでも送って下さい、という有難いお話をいただき、今回横組み34 ,35頁に掲載されるに至った。満足です。
 今月号はやはり東日本大震災関連の記述に関心がいき、先月から特集されている『その時・・ロータリーはいち早く動いた』にまず目を通した。被災地に隣接する仙台青葉RCの緻密で的を得た支援活動に感動。命を繋ぐ初期の支援~、心を和らげる温泉サービス、更に被災者が生活復帰するため、マッチンググラントを活用した「教育環境への支援と生活基盤整備支援」凄いの一言につきる。また報告されていたスリランカや台湾の姉妹クラブをはじめとする海外からの迅速で温もりのある支援、ロータリー財団が設置した「災害復興基金」に寄せられた世界中の善意等々。改めてロータリーが善意ある人々の途轍もなく大きく強い組織である事を思い知らされた。会津若松RCの関盛夫会員が仰るように「私はロータリアンで良かった」。全く同感です。前頁に戻って、『ロータリー親睦活動グループ』の記事、マラソン、音楽、テニス、更には鉄道マニアやグルメといった共通の趣味を通してロータリアンであることを最大限に楽しんでいるRI認証グループの紹介、「ロータリーに他人はいません。まだ会ったことがない友人がいるだけです。」という言葉が印象的だった。また先月に引き続いての『私がロータリーに入ったころ(2)』は現代の風調を已む無しとしながら、昔の緊張感とロータリアンとしての誇りを懐かしむ声が多く、豪快な世話焼きの存在こそがロータリーの至宝、とする横浜旭RC辻修会員の意見に共感した。
 縦組みの頁『SPEECH』では元RI理事の今井静雄氏が「明治時代に日本を担ったのは皆20代の若者という史実を例にとり、新しい文化を担っていくのはその時代の人々であり、新しい技術や考え方を行使する人は新たな視点から時代を読み、責任の持ち方を考えなければならない。だから今回の震災で脆弱さを露呈した原発は人災であり、情報化社会が非人間化という側面を持っていることを忘れてはならない。」とされた。これからの時代を担っていく人達は国という意識を取り払い「人間だから」という意識であらゆるモノを見直さなければと言う事なのだろう。『この人この仕事』の新潟南RC大谷勝彦会員。
 商品を入れる袋に自宅の電話番号を入れるという発想に仰天した。クレームが商売の糧になるとは思っても実行は難しい、「幸せだから感謝するのではなく、感謝するから幸せになれる。」自ら難病と闘いながら、障害者雇用と積極的に取り組まれ「病気も有難い、病気があるから頑張れた、少しは周囲に優しくなれた」と仰る。言葉の温かさは受け売りではなく生き方から滲み出たもの、と取材された水村さんが記されていたが、全くその通りだと感激した。最後に表紙の事、今回も素晴らしい。オホーツクに落下する滝のこの世のものとは思えない色彩、写真もまた崇高な芸術である。

ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2011年5月18日水曜日

2011年5月号のみどころ

東日本大震災でいち早く動いたロータリー

●5月号の特集はロータリーの多様性を知る
無理せず突っ張らない20代~30代前半の若いロータリアンと
無理も勉強のうちと突っ張ってきた若い頃の古いロータリアン
●ガバナーメッセージに伊藤学而ガバナー登場
●タイガ―マスク運動の2つの見方
 

『今、世界は』でJICAの米川さん、『友愛の広場』で横浜RC吉田さん
●素晴らしいの一言に尽きる米山学友会
米山学友23のケビンさんと巻頭SPEECHの姫軍さん
※ 保存版『ロータリアンのための新世代入門』も必見
縦組みページも身近な話題満載

2011年5月号 感想

 表紙の写真からじっくり鑑賞する癖がついた。今月は山つつじ越しに見る富士山。絵画のように隙のない出来過ぎの構図も霊峰には許される。中景になる金ケ岳の配置が絶妙、などと悦に入って裏を返すと屋久島の風景。幻想的な霧に浮かぶグリーンを杉木立のシルエットが引き締め、数千年の時を感じさせる。
 RI会長メッセージは相変わらず上手い。「Show and tell」 たくさんの人に見せて自慢できるものを持つ事の素晴らしさに納得。ニューオーリンズへの誘いの文章だが、行ってみたくなったのは、私だけではないと思う。
 今月は若いロータリアンと若かった頃のロータリアンの特集、若い事に戸惑いながらもしっかりと自分のポジションを見つけている若い彼らには、無理や突っ張りは見られない。ロータリーの魅力は、幅広い年齢層が同じロータリアンとして尊重し合うこと。そしてその中で人を覚り、学べることだと感じている。これに対して、若かった頃のロータリアンはみんな結構無理をしている。大先輩から薫陶を受け、まずロータリーとは何か?職業奉仕とは何か?全く分からないままに走り回り、何度もやめようかと思いながら自力でロータリーの面白さに気付いた世代、どちらもいいと思う。
 次が『その時・・ロータリーはいち早く動いた』 東日本大震災で沖縄県から医療支援に参加された倉内さんの報告、「現地に悲壮感なく、地元の人々が結束し再び立ち上がろうとする強い気持ちが溢れている」という印象に感動を受け、自己満足に終わらない役立つ支援のありかたを考えさせられた。もうひとつ感じたのは、ロータリーの行動力とネットワークの凄さ、日本各地のRCが被災地の地区、クラブと連絡をとり、今必要な支援をいち早く形にして現地に送るという活動が展開されている。壊滅的被害をうけ復旧の予測が立たない今回の災害支援には、長期に渡る継続的な支援が必要となる、ロータリーのネットワークが今こそ機能すべきである。と考えながら次を読むと、『タイガーマスク運動』について、国連難民高等弁務官事務所やJICAでアフリカの平和構築に取り組まれた米川氏の意見が掲載されていた。心温まる話として大きな話題となった「タイガーマスク運動」だが支援対象者の本当のニーズを把握しない一方的支援では、却って相手に迷惑を掛けてしまう行為だとされた。新しいランドセルが施設の全員に行き渡らなかったら好意は仇になるし、いじめの原因にもなりかねない。低開発国への支援も長期に渡ると依存心が生まれ却って人をダメにする。支援対象者が本当に欲しいのは、モノや食糧ではなく「安全」や「自立できる環境」。急場しのぎの「手当」ではなく問題そのものを解決する援助ではないだろうか。
 この他『米山学友23』 にケビンさん、『SPEECH』に姫軍さんと二人の米山奨学生OBの日本と繋がり世界に羽ばたく素晴らしい生き方が紹介されている。またガバナーのページで我らがボス 伊藤学而ガバナーが「地殻変動の中で発生した人類は、地殻変動に屈することなく、それを乗り越えていかねばならない」と力強くメッセージされているのも嬉しい。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2011年4月号 感想

 雑誌月間の特集として「印象に残った『友』の記事」が掲載されていたが、やはりどの会員も感激するところは同じだなと感じた。職業倫理についての深川PGの持論「社員こそ貴重な財産」にもとづく経営者としての崇高な生き方。『この人、この仕事』の漬物屋、染谷庄一郎さんに感銘を受けた桐生中央RC酒井会員の悩み。『SPEECH』で取り上げられた様々な視点からの水問題。そして何よりも表紙の写真の素晴らしさ、何人もの方がたった一枚の写真にこめられたドラマや詩情、メッセージを感じておられ、いちいち肯いてしまった。
 ポリオ撲滅と女子教育に挑むグラミー賞歌手アンジェリーク キジョ―へのインタビューでは「教育をうけた母親は男の子に、自分の姉や妹に敬意を払うことから教えるでしょう。それは男の子が将来女性に対して敬意を払うようになることを意味する」という言葉に、当たり前のように高等教育に胡坐をかいていた自分を含めた日本人を恥じ、支援財団の名称「バトンガ」=私を悩ませないで。私はいつだってなりたい自分になることができる、に感銘すら受けた。同じ様に東南アジアの子供たちについての民際センター 富田直樹氏のリポートにある「教育がなければ、辺境に暮らす人々が貧困の連鎖から抜け出るのは不可能です」という報告にも、我々が考えも及ばなかった初等中等教育の重要性に気付かされた。
 縦組みのページでは『この人、この仕事』水晶彫刻士の甲府北RC河野道一会員の紹介だったが、「石がなりたい形を見極めるまで2年、3年でも待つ」という達人の言葉に感心し、余技に留まらないサッカーやジャズ、太陽の季節への憧れなど全てを仕事の糧として取り込む素敵な生き方にも感動した。また今月号は『卓話の泉』に興味がそそられ、梅酒の梅と梅干の梅の違いや、誰でも知ってる南高梅の名称が南部高等学校に由来する話や、石原慎太郎東京都知事の強硬発言を裏づける、エネルギー消費の半分以上が空調と照明だという話。すき焼きと国の活力の相関関係など、楽しく読ませていただいた。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2011年3月号 感想

 今月は表紙の写真を岡井氏のCover Storyを読んだ後改めて見つめてみた。一点は霊峰岩木山と追儺の果実桃との絶妙の取り合わせ、太宰治流になぞらえれば「岩木山には桃の花が良く似合う」。もう一点は海で誕生した生命が海から上陸した風景、海の豊かな表情を撮影した作品と紹介されていた。そう思って見直すと、成る程確かに心に響く表現力を持った写真だと独りで肯いてしまった。 
 内容では、今回もクリンギンスミスRI会長のメッセージが冴えている。「簡潔であれ」、相互依存関係を持った三つの項目、強いクラブの簡潔な体系が意義ある奉仕を生み、公共イメージを向上させる、その結果がより良い世界をつくる。全くその通り。まず足元を固めることから始めなければと共感した。と思って読み進むと、バネルジーRI会長エレクトの紹介記事の見出しに「人生は単純です。それを難しくするのが人間なのです」とあり、現会長に近い考え方のエレクトかと関心をもった。入会3年でクラブ会長、38歳でガバナー、以降はRIの役員、理事を歴任、そしてそのすべての役職を義務ではなく楽しんでこなしたという素晴らしい方のようだ。「ロータリーは21世紀にふさわしい存在であるべきだ、そのためには若い世代のネットワークを確保すること。さらにロータリーの原点が地域社会にあり、地域を構成する家族にあることを自覚してほしい」とインタビューに答えられていた。RIはますます地域重視、クラブ重視へシフトしていく様に感じた。また哲学の国インドの方らしく、「世界の平和を求める前に、自分の心の平和を求めること」。ロータリーが考える世界平和とは、国際協定によって実現されるものではなく、その原点は地域社会の問題を見つけるロータリアンの力だという意見にも納得させられた。
 縦組みのページでは、吉馴茂子氏の子宮頚癌についての講演要旨が掲載されていたが、我々男性にはあまり関心のない演目だが、子宮頚癌が性感染症で、HPVはセックスによってのみ頸部に付着するという事を知って自分の無関心を恥じた。ロータリー研究会の配偶者プログラムの講演を『SPEECH』でとりあげられた意図がよく理解できた。
 『この人この仕事』で紹介された吉野隆一会員の所属する鶴岡ロータリークラブは、私の所属する鹿児島西ロータリークラブの姉妹クラブで、鶴岡市を訪問し親しく交流したたことがあるだけに、身近な話題として微笑ましく読ませてもらった。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2011年2月号 感想

 今月号は言葉の面白さ、説得力に驚かされた。まず始めがクリンギンスミスRI会長のメッセージ「ロータリーのDNA」。ロータリー活動の中核となる5つの価値観のことだが、ロータリアンが何者かを示す共通の本質という意味で、まさしくDNAということになる。
 次が「ポリオの移動するターゲット」。この一言でカーストに根ざした貧富の差や職業が生みだした定住しない子供たちを抱えるインドの現状、移民労働者や遊牧民をひと家族ずつ探して出してワクチンを投与するしか方法がない、というポリオ撲滅の大きな障害が見えてくる。 
 縦書きのページでは、十四代酒井田柿右衛門氏の有田の伝統を語るインタビュー記事に「きれい」ではなく「美しい」ものを、という言葉が出てくる。「きれい」は飾られた状態、不純物がない状態というだけで味がない。「美しい」は素顔の状態、日本人だけが持ち合わせている美意識。「なるほど」と唸ってしまった。また「職人は不器用な方がいい」という言葉、器用な人は早く作業を覚えるが、その余力で自分の個性が出てしまう,そんな人は職人じゃなくて作家になればいい。伝統の世界は便利なものを取り込んでいくと、本来のものが崩壊してしまう。先人が残した技を愚鈍なまでの忠実さで身につけていくのが本当の職人。作家ものだけに目を奪われていたが改めて伝統品の凄さを実感してみようと思った。
 次の『この人この仕事』大宮北ロータリークラブ染谷庄一郎さんの「漬物は文化です」も自分の商売に対するこだわりと自信が、「文化です」の一言で伝わる。野菜を保存するためのその土地ならではの技術。伝統と風習が育んだ地域文化だから見栄えや価格ではなく手間暇かけた仕事に拘るという染谷さんの言葉に商品への愛情がしっかり見えた。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2011年1月号 感想

 ロータリー理解推進月間の特集「故きを温ね、新しきを知る」は、ロータリーを方向づけた二人の先駆者、ポール・ハリス、アーサー・シェルドンについて、その系譜が非常に分かりやすく、エキスのみでまとめられていて、まさに 「故きを温ね、新しきを知る」だと感じた。勉強不足で未だ「ロータリーとは何か?」の問いに答えられない浅薄なロータリアンとしては、一からロータリーを考え直すいい機会になったと思う。ポール・ハリスのいう倫理則男君、商売努君、博愛均君、どれもが否定出来ない三者三様の考え方、中道をいく博愛均君をごり押しせず、三者の共存の中で常に語り合っていくのがロータリーなのだと勝手に理解した。この事は「超我の奉仕」という倫理則男君的発想と「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」という商売努君的発想の両方がロータリーの標語として採択されている事にも通じるようである。この項でクリンギンスミスRI会長が述べておられる「ロータリーの中核となる価値観の一つは親睦であること、そして私たちは皆、自分が良く知り、信頼できる人とのビジネスを好む。」という言葉にも肯かされた。さらに「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」の背景にはシェルドンの「利益を得たいという動機と奉仕の精神とは調和させることができる」という倫理感があり、「職業奉仕」を第一義とする他に類を見ないロータリー理念の成り立ちが理解できた。
 『ロータリー研究会リポート』では来年度からRI広報補助金が増額になるという報告があり、予算不足に喘いでいた地区の広報活動に光明をみいだした。またRI会長ノミニーに決まった田中作次氏の言葉「私はいつもロータリーのバッジをつけています。このバッジは私のお守りであり、これを着けている時は悪い事ができません。この一つのバッジが私という個人を守ってくれると信じているからです。」にノミニ―の素敵な人格をみた。
 縦ページ 巻頭、ユネスコの松田昌士氏のSPEECH 「日本の心」は全く同感、「自分の国の歴史を大事にしないで、どうして新しいものを見つけることができようか」「他人の国の言葉を知らないことは恥でも何でもない、外国人は日本語を知らないのだから」という指摘には喝采をしてしまった。日本を救う道は日本人が日本人であることに誇りをもつことだと改めて痛感した。素晴らしい人選だと思う。「この人、この仕事」の29歳のロータリアン、熊本の弁護士、本田悟士氏もいい、「偽善を繰り返しているうちに本当の「善」ができる」って凄い言葉だと唸り、61歳のこの身が恥ずかしくなった。
 「ロータリーアットワーク」 今月は美術や写真、音楽といった芸術との取り組みが目立った。福岡の「ロータリー美術展」有田の『RC写真展』などロータリアンの多趣多様ぶりを窺い知ることができてうれしくなった。今後もこういった方面の紹介が欲しい。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2010年12月号 感想

 「RI会長メッセージ」は12月も快調、RI会長自身のテーマソング「Cowboy logic」を紹介しながら「ロータリーはシンプルであるべきだ」という信念を、わかりやすく説かれている。「皆で力を合わせ、私たちのクラブをより大きく、より良く、より豊かにすることで、私たちは世界をより住みやすい場所にすることができるのです」とのこと。会員がお互いを理解し尊敬することがすべてだよ、というメッセージだった。
 ページをめくると、「絆」。家族月間の特集で、ほほ笑ましい家族の写真が6ページにわたって掲載され、頬が緩む。当たり前のことだが、ロータリアンそれぞれに愛情いっぱいの生活があり、人生がある。ロータリー活動は家族の理解なしにはできないない、なんて教訓めいたことを言わなくても、この写真には夫や父に対する誇りがあふれている。家族のようにシンプルに、会員と尊敬をもって付き合うことができたら、ロータリアンとして満点じゃないか、などと心を和ませた。
 「スピーチ」の「備えあれば患えなし」、「何で今、防災なの?」と思ったが、読んでいくうちに、さすが阪神・淡路大震災の救援活動の実務指揮官だ、とうなってしまった。「居安思危(安きに居りて危うきを思う)」ことこそが一番大切。思わなくては備えない。災害現場で生と死は紙一重だが、結果として生と死は雲泥の差がある。それを左右するのが日ごろの備えだという。わかっていても「自分だけは何とかなる」と悪いことは考えないのが人の常という指摘。本当にその通りだ、と感じ入った。カーテンの効用、2階やトイレ、風呂場の安全性、大声を出すと落ち着くなど、具体的なアドバイスも極めて的確で、実務者ならではの内容だと感じた。
 「この人、この仕事」、脳外科という、話を聞くだけでも怖い職業を天職とされ、常に命と向き合う壮絶な体験を重ねられている高松南RCの長尾省吾氏。気管切開しなければならない女児が、声が出なくなると告げられ、最後の一言として残したのが「お父さんお母さん、ありがとう」だったという話に涙し、「亡くなられた患者さんは全部覚えています。私の技量不足、知識不足、判断ミス……」と述べる、謙虚というより切ない回想に感動した。心の底にたゆたっていた重荷を見つめるお遍路の旅で「腰がすわり、足は大地を踏みしめる。『同行二人』の白衣がよく似合った」と締めくくった記者に共感の拍手を送りたい。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2010年11月号 感想

 RI会長メッセージの「私は、自分がロータリー財団の産物であることに誇りをもっています」という言葉に感銘をうけた。財団の活動の意義や成果がこの一言に凝縮されていて、アフリカ支援という意識の上で遠い命題も血の通ったメッセージとして伝わった。
 ロータリー財団月間の特集は、DDFやWFが何たるかも分からず寄付集めの委員会とクラブ内で認識されている通り、補助金の申請が複雑で使いたくても使えない現況の中で、地区のプロジェクトに地区の判断で資金支援ができる「未来の夢計画」は、まだ試験期間という事ではあるが、興味と期待をもって読ませていただいた。また「ポリオの第二の行為」は克服された病気だとされてきたポリオに第二の不安が起きている、という報告で、ポリオの再発ではなく、ポストポリオ症候群が生存者の半分以上を襲い、人生を危うくされている現状が紹介されていた。かなりショッキングな報告ではあるが、賛否両論ある2億ドルのチャレンジを強力に後押しする意義ある報告かと思われた。RI指定記事の「GLOBAL OUT LOOK」ロータリー入門にソーシャルメディアが紹介され、めまぐるしく進化するITについていけない地方のロータリアンにとっては有難い記事だと感じた。無意識に書き込んだ個人情報が悪意に利用される事もあり、情報管理の杜撰さに警鐘を鳴らすものでもあった。
 縦組みの巻頭「SPEECH」 桐朋学園の木村俊光教授の「共存共鳴」は音楽現場で顕著な日本人とドイツ人の価値観の違いについて書かれていて非常に面白かった。まさに同感、自分を持たない日本人に危機感をもった。「この人この仕事」の山田さん。ほとんどの人が関心すら持たないステッキを扱う専門店のオーナーだが、「持っているだけで誇りをもてるステッキは、身体を支えると同時に精神をも支える」この言葉に感動させられた。さらにこの山田さんがポストポリオ症候群を抱え、ポリオ撲滅の様々な運動に関わっておられると知ってもっと驚いた。まさしく友誌の紹介通り「おしゃれな女傑」である。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2010年10月号 感想

職業奉仕月間の特集として組まれた「職業奉仕の神髄を探る」は、極めて興味深く熟読させて頂いた。私の所属するクラブで行われているロータリーについての学習会や研究会では、テーマが「職業奉仕」となると意見がほとんど出ない事が多く、「自分の職業を貫き、余裕があったら社会に還元する。ただそれだけのことだよ。」とか「社会奉仕は社会に奉仕する、職業奉仕は職業に奉仕する、自分の職業に誇りをもって働くことだよ。」といった漠然とした話以上の進展はなく、「四つのテスト」に至っては、その有用性は理解しつつも、上っ面の唱和だけで内容を掘り下げて議論することなどなかった様な気がする。そんな中で伊丹RCの深川パストガバナーの論文は、世阿弥の「初心忘るべからず」を引用して不変であるべき職業倫理を説き、東京東RCの故佐藤千壽パストガバナーの経営理念を例にとって、「会社は社員のものであり顧客のものである。公正をゆるがすいかなる圧力にも屈しない」という職業奉仕の本質を教示され感動させられた。またダレル・トンプソン氏の「四つのテスト その由来をひもとく」では、四つのテストの言葉のひとつ一つが、ビジネスという熾烈な競争社会を生き抜いてきた生きた言葉で、目標が非現実的とする反発を説諭するに足る解説だった。
縦組みの巻頭SPEECH「キリマンジャロの雪が消える」は9月号と違った観点から水問題を取り上げたもので、立正大の高村名誉教授は、環境への人間の関与が「過ぎたるは及ばざるが如し」になっている。対症療法的な対応では自然の生態系を脅かすと警告。教授の「水が必要なのは人間だけではない」という言葉は世界中を肯かせると感じた。
この他『言いたい 聞きたい』の仙台RC大島達治会員の「お蔭さま」の提唱、『友愛の広場』の大阪金剛RC井出俊一会員の「ロータリーバッジのすばらしさ」には、奉仕の理念の日本人らしい解釈を感じ共感させられた。『ROTARY AT WORK』では行田さくらRCの「全会員の作品集『我等の生業』を発刊」や米子南RCの「里山づくりに汗を流す」。6万平米の山林をクラブが確保した記事が興味を引いた。また今月号には当地区のライラが紹介されていた。やはり身近な話題が掲載されると友誌も身近に感じる。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2010年9月号 感想

 横組みのページ、RI会長メッセージが解りやすく力強くなったような気がします。
Annotation注釈があるのも親切でいいですね。特集「新世代のための月間」では、
誰も気づかなかった盲点に目を向けた「エコボールプロジェクト」、救命ボートを力合わせて漕ぐカッター訓練、院内教室への支援、わらび狩り、昆虫採集といった忘れさられた少年時代の復活、ただモノを送るだけでなく現地と触れあう海外支援等々、記事の選定に
編集部のセンスを感じました。指定記事「ハイチ:かりそめの回復力」は災害で政府が
機能を失う中で、報道記事が伝えた混乱と略奪ではなく、民衆が力を出し合い、食物を分け合い困難に耐える強さを伝えていました。ただその忍耐の歴史にも限界がある、写真の中の少女の厳しい目が訴えていました。写真の訴求力って凄いですね。
縦組みのページ、巻頭の天野さんの「世界の水問題は日本の水問題」。環境問題というリスクをチャンスに変えるという面白い視点での講演要旨、興味を持って拝読しました。
ボランティアで、資金支援で、水問題による地球危機を救おうとするその場限りの取り組みよりはるかに継続性があり現実味があると感じました。
「この人この仕事」も面白いですね。個性の集まり、専門家職業人の集まりのロータリーならではの企画だと思います、中途半端に取り上げるのではなく、これだけじっくりと紹介すると活動も人となりもよく分かりますね。
「ロータリーアトワーク」。私は毎月このコーナーから目を通すのですが
クラブの事業として身近な記事が多く話題になりやすく学習会等で役にたちます。
「友」をあまり読まないという会員に「市内分区の鹿児島南が出てるから、ロータリーアトワークだけでも見て」というだけでも効果あり。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2010年8月号 感想

まず目に着いたのが表紙、確かにプロの撮った写真はメッセージ力があります。水越氏の「西表島のサンゴ礁」の幻想的なトーンに自然を愛する氏の感動が伝わってきました。
横組みのページ、「特集」で我が2730地区の話題、「凛として100歳」がトップに取り上げられていて、いきなり「友」に親近感を覚えました。
「ロータリーの基本知識」は解りやすく整理されていて、「ロータリーって何?」の疑問に対する解答にもなり、さらに日本編が別枠で、地区の活動が明確に示されクラブの学習会の資料としても極めて有用かと思いました。
縦組みでは「友愛の広場」に古橋広之進さんとの思い出を投稿された蓼科の寺田さんの文章に感激し、「ロータリーアットワーク」の「沼と語ろう」、「和と心とマナー教室」、「蕎麦打ち慰問」「おじさん達の甲子園」のような地域、クラブの特性を感じる身近な活動に楽しさを感じました。マッチング・グラントのような大掛かりなプロジェクトもいいのですが、読んで楽しいのは、クラブらしさを感じる身近な活動のようです。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2010年7月号 感想

 なんと驚くべき世界でしょう!で始まるインパクトのあるRI会長メッセージ、愛情と尊敬に満ちた友人たちが語る人物像、最後にRIのテーマに繋ぐという構成、素晴らしいですね。ついでに会長のネクタイのページも面白い。やっぱり雑誌は楽しくなくては、を実践する巻頭特集だったと思いました。また日本で初めてのRI会長を紹介した「こんなことがありました」は楽しみなページになりそうです。縦組みのページでは、松下幸之助を語る成功の法則は読みごたえを感じました。バナー自慢もそれぞれのクラブの思い入れが伝わって会員同士の話のネタに使えそう。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好