『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2014年12月18日木曜日

2014年12月号のみどころ


表紙、光のファンタジー「夢のかなたへ」。そのタイトル通り七色のイルミネーションが夢の世界へと誘う。20年前、まだLEDが無かった頃、ホノルルのクリスマスでイルミネーションの豪華さに驚かされたが、今の日本のイルミネーションフィーバーはとっくにそれを超えている、素晴らしい!裏面は「瀬戸の夜明け」と題する美しい写真、一年で数回しかないシャッターチャンスと紹介されていたが、正にその通り、岬の先端に屹立する観音堂と朝日、雲、舟、そして鳥までが見事な構図の一翼を担っている。望遠レンズの効果もあって焦点が明確である。

今月は家族月間。ファンRI会長は、ロータリーカレンダーの卓越したアイデアについて「ロータリアンとって重要な異なった話題を提供してくれる」と称賛されている。確かに月毎に毎年繰り返し定番のテーマが詳解されていれば、頭の中が整理されて良い。バックナンバーを手繰れば、月のテーマのあらゆる情報も知ることが出来る。「友」にロータリー家族が特集されていれば、嫌が応にも自分の家族とロータリーとの関わりが話題になる。今回は会員配偶者主体の奉仕活動が取り上げられている。当地区では「なでしこ2730」という女性ロータリアンだけの委員会があり独自の活動を展開しているが、規則に縛られない、強制されない、もっと気軽な奥様達の集まりがあってもいい、と感じた。

次が『夫婦で共にロータリアン』 親クラブと子クラブ、トラディショナルクラブとEクラブというように別々のクラブに所属されることが多く、当然のことながら夫婦共通の友人が増える。また夫婦間の話題に事欠くことがなく食卓が賑わう、とほぼ全員がそのメリットを語っておられる。夫婦が同じクラブでもその利点は同じで、ロータリーを通じて結婚された夫婦もある。面白いのは、ご主人がクラブ会長、ご夫人がガバナー補佐でご主人が奥様の指導を受けた例。想像するだけでも楽しいが、ご本人達はさぞかしドギマギされたことだろう。

『心は共に』今も尚、積極的に被災地の支援を続けている各地の情報が掲載されている。中で二神編集長が書かれているように、「被災地のニーズが変化し、ニーズに合った支援が求められている、被災地に近くその現状をよく知るクラブへの活動支援が大切」 まだまだロータリーに出来ること、しなければならないこと山積されている。確かにその通りだ。被災地の支援はスタンドプレーであってはならない。

『地区大会略報』「ハッピークラップゴー」で全行程を和やかに運営した当地区も紹介されている。Rotaryいま・・』では13万人もいたロータリアンが今は8万8千人。ひとクラブあたりの会員数も55,7人から39,5人に激減している。事業を実施する際の資金不足、人手不足は必至、それを補うのが近隣クラブとの協働や家族の参加であろう、家族月間を機に考えてみたい提案である。

縦組に移ろう。SPEECH』 企業の海外駐在員として17年海外で暮らした当別町長 宮司正毅氏の講演要旨。極めて面白く世界の民族特性が記されている。南アフリカの世界に冠たる悪法(アパルトヘイト)はオランダ系ボーア人(アフリカーナ)と英国人、つまり白人同士
の対立から生まれた弱いもの苛めだという話。無関係な黒人が犠牲になり、その後マンデラ黒人政権が誕生して急激に経済成長、21世紀の食糧、エネルギーの確保にアフリカが注目を集めているとか。欧州の民族ではタイタニック号をネタにアメリカ人には「Are You a hero?」英国人には「Are you a gentleman?」ドイツ人には「This is a regulation、」そして日本人には「Everybody is doing so」これで自主的に男たちはドボン!円滑に女性、子供がボートで脱出できたとか。みんなで渡れば怖くないが日本人の性格らしい。

『わがまち・・そしてロータリー』では、全国で収穫されるリンゴの20%を産する青森、リンゴの町・弘前が紹介されている。リンゴ農家のリンゴ酒・シードルや農業活性化アイドル・リンゴ娘が活躍するカルチュアロード。巨大アップルパイやおじさんバンド、町の元気が伝わってくる。案内役の中畑さんという呑んべいにも関心を憶えた。



2014年11月19日水曜日

2014年11月号のみどころ


表紙は霞ケ浦の朝日、朝は水面にガスが起つことが多く、なかなか水平線から昇る朝日は撮れないものだが、見事、帆掛け船の間に日輪を収めて手前まで光の尾を引かせている。素晴らしい、の、ひと言。裏表紙はライトアップされた清水の舞台。仰って見上げると益々荘厳な趣、観音浄土を思い描き、清水の舞台から飛び降りた人の気持ちが良く解る。

RI会長の今月のメッセージは「友情」について
奉仕を建物を創るレンガとするなら、レンガ同士をつなげるモルタルが友情。強い友情と素晴らしい奉仕は密接な関係にある。とか。確かに、ロータリーで何かをしようとすれば、友情はその活性剤になると改めて感じた。

今月はR財団月間。2300もある日本のロータリーの一組織に過ぎないクラブでも,意識と意欲があれば、モルタルとなる友情によってパートナーを見つけR財団の補助金を使って、世界の「今」に寄与できる。「それでこそロータリー」の姿が紹介されている。国や自治体の支援もなく極貧に苦しむインド少数民族の自立支援プロジェクト。ただ単に寄付を募って彼らの生活を援助するその場限りの自己満足ではなく、自立を支援する取り組みであることに注目したい。また財団の本来の目的であった世界平和に寄与する人材の育成=R財団奨学制度の成果としてのロータリーフェローの現状報告、UNHCRで活躍する元国連難民高等弁務官、緒方貞子さんを始め、たくさんの元財団奨学生が世界中で活動している。更にこのプログラムを発展させた「ロータリー平和センタープログラム」、日本のICUを始め現在世界(アメリカ、イギリス、日本、オーストラリア、スウェーデン)で6大学5センターが国連機関やNGO、政府機関の人道的事業を扱う部署で働くロータリー平和フェローを養成している。日本からの応募が少ないというのがちょっと気になった。

次がインターアクト、当地区ではあまり活動の報告がなく、インターアクト廃止論まであって危惧していたが、我が地区でも川内商工高校の活動が掲出されて驚いた。友委員として、もっと地区内の活動を知らねば、と反省しきり。各地域の活動や全国インターアクト委員長会議の三木 明委員長の報告を読んで、「育てる奉仕、共にする奉仕」つまりはロータリーの未来を担う青少年奉仕の大事なプログラムだという事を再認識した。

『ロータリーデー』もっとロータリーを知ってもらうためのイベントとして先月号のドイツに引き続いて日本のイベントが紹介されている。二神編集長が『Rotaryいま・・』で書かれているように、「自慢するのが下手なひとり一人のロータリアン、ロータリークラブが、ほんの少しだけ周りの人たちにPRしたらロータリーの活動はもっと広がる」という意見、大賛成!

裏返して縦組の頁に移ると、毎回考えさせられるSPEECH』今回は就実大学の杉山慎策氏の講演。70年安保の時代、猫も杓子も革命の幻想に憑りつかれ学生運動に奔走しながらも、なんとなく自分の行動に懐疑的になっていた頃、ドラッカーの「断絶の時代」が注目を浴びた。杉山氏も書かれているように「知識社会の進展」「活動のグローバル化」「価値の多元化」といった未来予測が、確かに今思い返してみると50年後の今を語っている。
アラビア数字とアルファベットと@(アットマーク)で世界中が繋がるテクノロジーの変化、知識のデジタル化は博学を無用の長物とし、真似のできない専門的知識が重要視される。つまりゼネラリストではなくスペシャリストが必要な時代となった。
これからの時代はポッセ(同じ志を持つ仲間)と一緒にコ・クリエーション(共創)をする時代。クリエーティブ・クラス(経営者や専門職)が国や都市の繁栄の鍵を握る。寄らば大樹、のように大企業にぶら下がり、年金をあてにする時代ではなく、死ぬまで働く時代がくる。当然、仕事に生きがいを見いだせない輩は生きる術を失う。価値の競争の源泉は人、人のクリエーティビティしかない。だから人材教育が最重要視される。と、ここまで言い切ってしまうと、ちょっと怖い。やはり自分は事なかれ主義の日本人の一人だと痛感した。

そして『わがまち・・そしてロータリー』炭鉱の町としての絶頂期から衰退期、どん底。北海道赤平RCは地域と一体の歴史を歩み、町を再生させた。アドバイスを受けた先生の言葉「どんなことをしても再生は無理、でも人は元気だよね」の「元気」が再生のキーポイントとなった。取材文の其処此処に「人の元気」が溢れている。いい街だなぁと感動した。今月号には、特集に川内商工インターアクト、『ROTARY AT WORK』に高鍋RCの「障碍者を対象としたサーフセラピー」、宮崎中央RCの「宮崎シーガイヤトライアスロン」が紹介されている。

2014年10月17日金曜日

2014年10月号のみどころ


表紙はやはりメッセージを読んで改めて見るのがいい。紅葉していればもっとよかったのにと思う「晩秋の高千穂峡」だが、訪れた人なら誰でも印象に残している風景は、メッセージされている内容とともに、それなりに感慨深い。ただ鹿児島県人からすると神秘的すぎる景観によって神話の故郷のお株を奪われた感があり、ちょっと癪なのだが・・・
もう一つの表紙「街にも秋の大神楽」は、たしかに確かに、大観の村童観猿翁を彷彿とさせる。子供たちの好奇心あふれる目がいい。

 今月の「友」は職業奉仕月間の特集。職業奉仕といえば、あまりにロータリーの本質的すぎて、クラブの委員会ではほとんど議論にならないテーマ。「我々は誰もが、自分の職業に誇りを持って、一生懸命働いてるんだ。これこそが職業奉仕だよ!」で終わってしまう。特集の最初『I Serveの究極にあるもの』で服部PDGがおっしゃる通り、「Vocational Service」と意味づけられた職業奉仕は、神の御心に沿う「天職」に近いニュアンスがあって、諸先輩の講話は「悟りを啓くために座禅を組んでいるようなもの」に近い。職業奉仕論の権威、深川純一PGと田中毅PG、小船井修一PGのお三方に直接お話しを聞く機会があって、それぞれに感銘を受けたが、その内容がこのページにも取り上げられている。「ロータリーは倫理運動であって、その中で愛情の世界に生きる心をもって職業を営むべし」という深川PG。シェルドンの講演原稿の翻訳から「職業奉仕論は現代にも通用する商売繁盛。経済発展の基本理念と同じだ」とする田中PG。その間を取り持つように「職業奉仕は顧客満足で終わらず、それ以上に予想外の嬉しい感動をもたらす」と理論を発展させた小船井PG。

私見ではあるが、「職業奉仕」という言葉は全ての議論で職業を通じての奉仕となっているが、「社会奉仕」という言葉のように社会に対する奉仕、職業に対する奉仕とは見られないだろうか?職業に対する奉仕なら、自分の職業を誇りあるものとするため、業界の倫理を高め、技術を研磨し、社会的な職業的評価を得るために奉仕すること、とも解釈できるのだが・・何れにせよこの6ページは日本のロータリアン要保存とすべきだと思う。
次の『農業を通じた私の人生』、何と我が地区、田中俊實ガバナーのお膝下、鹿屋市からの投稿、堂々の3ページ。素晴らしい!!「私の仕事は農業。目標は南九州一のニンジンとゴボウの生産農家になること」と胸を張る鹿屋西RCの櫨山時美会員の文章からは、寝ても覚めても農業。「医者が病人を治すなら、私は病まない食を考え、作り、農業を支える」という誇りが感じられる。農業という職業を通じて、真実に公平に好意と友情を深め、みんなのために奉仕します。という締めくくりは正しくロータリアン。4つのテストの実践が述べられていた。

縦書きページに移ってSPEECH』一橋大学大学院の田中一弘教授の「渋沢栄一から読み解く21世紀の経営者精神」は職業奉仕月間ならではの講演要旨。道徳と経済は表裏一体、本質的に一致する、という渋沢栄一の「道徳経済同一論」が解説されている。普通は道徳と経済は矛盾すると考えられ、そのバランスをとるのが商業道徳とされているが、渋沢は道徳=経済、「道徳なくして経済なし、経済なくして道徳なし」とまで言い切る。商業道徳は消極的道徳「為すべからざることをするな」つまりコンプライアンスの重視と言うことだが、渋沢はそれに留まらず積極的道徳「為すべきことをせよ」つまり他者の利益を優先せよ、というもう一つの道徳を付け加えた。かつて社会学・広告論で教わったCSR(企業の社会的責任)でいうメセナとかフィランソロピーのような後ろめたい社会還元ではなく、企業が堂々と利益を上げることが社会の利益(公益)をもたらすような経営をしろということなのだろう。読むほどにシェラトンの職業奉仕論と重なる。と同時に儒教の「博施済衆」、仏教の「自利利他」キリストの「黄金律」とも本質的に同じだと感じたが違うかしらん・・?


最後に『わがまち・・そしてロータリー』堺フェニックスRCの京谷会員がゾーン会議で自慢していた仁徳天皇陵の町。実は私も中学、高校と青春時代を過ごした街である。「ものの始まりなんでも堺、堺は新しもん好きなんですわぁ」。解る、分かる、商人の自治都市、鉄砲鍛冶、千利休、与謝野晶子と聞いただけで曲者の雰囲気いっぱい。刃物とお香、とろろ昆布は今でも優れものだと感じているが・・・、

今月は『友愛の広場』に鹿児島中央RCの福山孝子会員の「米山奨学生の結婚式に列席して」『バナー自慢』にえびのRCが掲載された。投稿呼びかけは順調である。




Eクラブの是非について議論が盛り上がったが、トラディショナルクラブの中で、あまりにもEクラブについて無知の多い現状では、正しくその特性と規定審議会の決定について「友」で詳解すべきでは、と感じた。
・ロータリーのブランディングについての特集の必要性を感じた。各クラブが表記や使用形態においてまちまちでは、混乱するのではないか。
・ゾーン別会議は各委員が存分に意見が述べられて極めていい機会だと思う。



2014年9月18日木曜日

2014年9月号のみどころ

やっぱり秋だなぁ。海も空も光の色も違う。ウィンドサーフィン、真夏の様に原色に溶け込む派手さはないが、しっとりとした爽快感がある。秋イカは構図がいい、イカを吊るした曲線と何かわからない直線の組み合わせが絶妙。写真が撮りたくなったところでページをめくるとポール・ハリスの今月の一言。「見つけようとすれば、人生には必ず価値がある」いかなる人生にも無駄はないということ、糧になる言葉だ。

今月は『新世代のための月間』。ロータリーに共感する若い世代を応援することは、私たちの組織全体の未来を応援しているということにもなる、と黄RI会長。世代、言語、性別、といった発想の多様性こそがロータリーの強みである。その具体例として地域で、海外で新世代を支えるロータリー活動が紹介されている。ネパールに3校目の学校を建設した橋本RC。建物の支援だけでなく、その後も児童や村民と関わりを持って交流を進めるというスタンスに共感。またラオスに農業支援センターを建設寄贈するとともに生徒たちと一緒に井戸を掘り、有機農法を伝授しながら職業訓練プログラムを2年かけて完成させ委譲した2610地区の活動には共感を越えて心底感銘した。この他、カンボジアの小学校に図書を送り続ける総社吉備路RC。今年はクメール語の「忠犬ハチ公物語」を寄贈。現地の小学校出身で里親として支援したプノンペン大学の学生が通訳を務めたとか。「勉強することが恩返しです」という彼女の真摯な言葉に、これこそが本当の新世代支援だと、またまた感銘した。国内の活動も様々な形が紹介されている。地域やクラブの特徴、個性が奉仕活動のアイデアに活かされていて、我がクラブのこれからにも極めて参考になった。

次が『ロータリーを未来につなぐ』という特集。ロータリークラブ=高齢、男性、金持ちというイメージは、新しい価値観を持つ「若者」と「女性」の入会によって変化している。特にEクラブの認可は、ロータリアンとしての活躍の場をより自由に、より大きくしたように感じる。『世界各地でロータリーデーを』という黄RI会長の呼びかけ。「ロータリーデー」という新しい言葉は聞いてはいても、何をすればいいのか分らず、地区でもクラブでも盛り上がりに欠ける感があったが、楽しみながら情報を提供しロータリーを紹介するイベントを企画すること、つまりブランディング戦略だと理解した。確かに34,000すべてのRCがイベントを実施すれば途轍もないインパクトになる。

縦組に移って『SPEECH』は大木町石川町長の「環境のまちづくり」。行政と住民の協働で無理せず出来ることから始めよう、という提案だが、ごみとして多額の費用をかけていた生ごみを分別することで資源として活用する、メタン発酵施設「くるるん」の建設を皮切りに「循環のまちづくり」を推進している。無駄の多い暮らしを見直す「もったいない宣言」も大いに頷かされる。『わがまち・・そしてロータリー』もまた廃材やごみをエネルギー源として活用する「バイオマス計画」を官民挙げて進める岡山県真庭市の話。驚いたのは、この真庭のRCが自前の例会場「真庭ロータリー会館」を持っていること。ウーム凄い!

今月の当地区から掲載された記事は残念ながら無し、投稿では唯一柳壇に志布志RCの西岡会員が入選されている。

2014年8月18日月曜日

2014年8月号のみどころ

写真の出来栄えは偶然が左右することが多い。今月の表紙も、難攻不落の尖峰マッターホルンの眺望、雲一つない真っ青な空、微細な皺まで映り込んだ壁、狙って撮れる風景じゃない。もう一枚も母鳥と雛の会話が聞こえてきそうなサンダーバード(雷鳥)の親子、普通は望遠で遠くから息をひそめて撮る構図。1mまで接近できるなど幸運というしかない。

ちょっと感激して本誌冒頭、黄RI会長のメッセージに目を移す。奉仕を続けるために、ロータリーは常に成長しなければならない。クラブを楽しい場にすることが会員増強に繋がる、その一つの試みが自身の家族をロータリアンにすること。ン? 自分の家族・・?『Rotary いま・・』で二神編集長も会長の言葉として紹介されているが、財団学友、ローターアクターといった所謂「ロータリー家族」だけでなく、「配偶者をロータリーに誘うべきである」と。職業を持たないということで増強対象としては注目されなかったが、長年ロータリアンと共に活動に参加してきた配偶者は、そのことだけでロータリーの理解者であり入会が活力となる、成程、とは思うが、自身の課題としてはちょっと保留。

こういった黄会長の意向を反映して「会員増強・拡大月間」の特集は「ロータリーを楽しもう」クラブの会員維持・親睦に役立つ様々な同好会を実際に会員増強にも役立てているクラブが紹介されている。名古屋東南RCには、20以上の同好会があり、ゴルフや囲碁、カラオケ、釣り、グルメ、ワインといった当たり前の同好会だけでなく、「漢(オトコ)の料理」や70歳以上でクラブの在籍年数と合わせて100歳以上で入会できる「超老会」があり会員増強に貢献している。東日本大震災の被災地、相馬RCは、「相撲甚句」をクラブのアイデンティティづくりに活用し元気を取り戻している。大阪御堂筋RCは本格的な混声合唱と爆笑のパフォーマンスをこなす「コーラス団」を有し、今年の地区大会終了後は、かのフェスティバルホールで歌声を披露することが決まっている。帯広西RCは「和食と酒を愛する会」鮟鱇に始まり、きんき、早掘り筍、松茸といった旬を味わう宴に会員の半数以上が参加する。福岡西RCはもっとユニーク。博多料亭の女将からお座敷の礼儀作法を学ぶ「博多お座敷勉強会」は勉強後の芸者遊びもあって転勤族に大うけ、社員や娘を参加させたい、という会員も多いとか。諫早RCは、ぶらぶら道草を食いながら楽しく歩く「ライブリング同好会」が会員以外の参加者を募ることで会員増強やクラブ広報に貢献している。最後が川崎高津RCの「FBロータリアン交流会」フェイスブックというSNSを使った他クラブとの情報交換の場であり、交流を図る場として機能している。さらにオフ会というオンラインを外れた会合ではFBでお友達になった初対面の友人との親交が深まり、全国大会まで行われる勢いを呈している。確かにありきたりの例会、奉仕活動では味わえない自分らしい楽しさが発見でき、退会防止に役立つと共に同好の士として会員に吸収する効果も期待できそうだ。

シドニーオリンピックの聖火が灯された「シドニー国際大会」の頁。この中で堺フェニックスRCの京谷「友」地区代表委員が、国際大会で挙式したロータリアン新郎新婦を紹介されていたが、ホントに素晴らしい!新婚旅行に訪れるならともかく、挙式して国際大会に世界中から集まってきたメンバーに祝福されるなんて、この記事を紹介した京谷さんの誇らしげな顔が目に浮かぶ。

あと横組みページでは『よねやまだより』が今月は恒例の基礎知識を掲載していてわかり易い。外国人留学生を対象とした日本最大の奨学金制度で、日本ロータリーの父「米山梅吉氏」の意志、世界平和のために海外に日本の誠を知らしめる,を遂行する制度であること等、財団寄付との混同や支給対象への誤解も多い中で、各クラブに熟読を奨励したい。

縦組に移って、『SPEECH』。十和田市現代美術館長、藤 浩志氏の講演要旨「地域を変えるソフトパワー」は見方次第で常識は覆るといった点で面白い。ソフトとは柔らかい状態、未熟こそが可能性だということ。そういえばITでいうソフトウェアも常識を覆すという意味では同じか・・?まず骨格を作りそれに肉をくっつける「脊髄構造」という常識から脊髄を持たないアメーバのようにいろいろなベクトルに向かってものが創られる「軟体構造」へ、ビジョンという確かなものではなくベクトルといた不測の方向性へ意識をシフトするのが現代。また芸術は目に見える普通のものを重ね重ね超えることでありえない状態にさせることだ、とも。だから普通のものを面白いと感じる外部の人を地域のブレーンに取り込めば良き誤解が生まれ地域が変わる。そういう事かしらね。

『わがまち・・そしてロータリー』は佐世保。商店街には、物を売り買いする経済的役割のほかに、人々の出会いの場となる社会的役割、そして情報を発信する文化的役割がある。という持論で、街に人を集めるため護衛艦カレーグランプリという大ヒットイベントを仕掛けた「若者、馬鹿者、よそ者夢会議」の話。確かに元気な街では、よそ者が張切ってるように感じる。共感しきり。

今月号は『ロータリーアットワーク』写真編トップに鹿児島サザンウィンドRCの「車いすバスケットボール」。文章編に小林RCの「自殺予防フォーラム」と高鍋RCの「ロータリー公園の清掃活動」が紹介された。出だし順調。

2014年7月18日金曜日

2014年7月号のみどころ

新年度の最初の「」。という気合が表2を丸々使ったポール・ハリスの全面写真に見られる。100年経ってもなお新鮮さを失わない印象。その言葉も普遍の響きを持って伝わる。そうか、迷ったら原点に返らねば・・と改めて思う、のが7月号かしら、ね。

トップページはRI新会長を差し置いて、橋本長平ロータリーの友委員会委員長の決意表明。思いやりの心こそがロータリーの中枢を占めるものであり、ロータリアンがロータリアンであり続けるために、そしてロータリーの目的を達成するために「思いやりの媒体」としての機能を果たす。穏やかだが厳しい決意表明だと感じた。更に地区代表委員の地区における位置づけにも言及していただき感謝、感謝。早速コピーして月信委員会に転載を要望しようと思った。

次がゲイリー・ホァンRI会長のメッセージ。さすが中国(台湾)の方らしく、孔子の言葉を随所で引用されロータリーを解釈しておられる。曰く「ただ座って暗闇を呪うよりも、ろうそくを灯した方がいい」飢えや病に苦しむ人に同情はしても、何もしない、では何も変わらない。一人のロータリアンが点したろうそくの灯は120万人の大きな灯となって世界を輝かせる。曰く「まず自分の行いを正しくし、次に家庭を整え、次に国家を治めてこそ、天下が平和となる」Light up Rotaryをもたらす一つの方法が「ロータリーデー」の開催。それぞれの地域で一人でも多くのロータリー理解者を増やし、ロータリーファミリーを際限なく拡大していくことが強いロータリーを育てることになる。なるほど、何ということはないと思っていた「ロータリーに輝きを」というテーマだが「120万人のロータリアンが一体となれるよう働きかける」ということなのだと理解し、その深さに感銘を受けた。

そして『』 素晴らしい、というタイトルのつけられた黄其光(ゲイリー・ホァン)RI会長の紹介記事、若すぎることを理由に入会を断られたクラブに9か月間毎週例会に出席し、30歳で入会。5年後クラブ会長、更には台湾で最年少のガバナー、初のRI理事、財団管理委員を歴任、ついに会長にまで上り詰めたエリートロータリアンは、少年時代からスポーツもスピーチも万能で、父親の指導でリーダーとなるべく他人に手を差し伸べることの意義を学ぶ。アメリカで経営学を修め、世界を駆け巡って保険業界を学び、帰国後は地元の保険会社を一流の会社に成長させた実績も持つ。まさに素晴らしい。だがもっと微笑ましいのは、自分のニックネームが当時の大俳優、ゲイリー・クーパーのゲイリーであること、孫のエバン君は、何とエバンストンからもらったものだとか・・ホァンファミリーの笑顔に満ちた生活を彷彿とさせるエピソードである。彼は若い会員や女性の入会に反対する保守派に対して「若い会員はロータリーの未来だ。ひょっとすると私たちをはるかに凌ぐよ」と冗談を交えて戒める。黄氏は人生で一番大切な位置を占めている家族をロータリーに呼び込めば家族との時間を犠牲にすることもなくなる、とも。まさにこのリーダーの元にあっては、ロータリーは楽しくなければならない。楽しくしなければならない。そうすることによって灯の輪が広がりロータリーが輝く、という思いに駆られる。素晴らしい。

バナー紹介』、当地区の田中俊實ガバナーが奥様との仲睦まじい2ショットで掲載されている。よーく見ていただけると・・お二人の顔の距離が34クラブ中最も近い!ホァン会長の考え方に最も近いことが見て取れる。さらにわがガバナーは、中学時代バレーボールのセッター。ホァン会長のバスケのポイントガードと相通じるものがある。思わずニンマリ、頬が緩んでしまった。

ねやまだより』では、昨年10月ネパール、今年3月モンゴルと相次いで海外学友会が誕生し、旧来の台湾、韓国、中国、タイと合わせて6つ学友会になったことが報告され「恩返し」の一つの形として、日本人留学生への支援がおこなわれているとも記載されていた。米山奨学会は、現在の社会情勢から、韓国、中国学生への支援に反発する向きもあるが、日本の良さを知らしめ、海外と日本の懸け橋となる若者を育成する事が本来の目的であることから、期待通りの、否、期待以上の成果だと評価できると思うが・・・。

庫通信』に目を移して、ロータリー文庫のHPに毎月1万件以上のアクセスがあると知って、ちょっと驚いた。専門の職員がいて検索の手伝いもしてくれるらしい。地区ではガバナー年度によって資料の扱い事務所が変わることから、資料が散逸し周年事業に支障をきたしている地区も多いと聞く。歴史を重ねるほど過去の資料は価値を増す。ロータリー文庫の活用を呼び掛けたい。

ひっくり返して縦書きの頁。『SPEECH』は狂言師、茂山千五郎氏の職業奉仕講演会の要旨。日本神話におけるアメノウヅメに始まる芸能の歴史、大衆の娯楽から観阿弥、世阿弥によって宮中の芸能へ、さらに江戸時代には武家の式楽となり、武士は教養として謡を謡い、能を舞うに至ったと話に、まず引き込まれる。さらにここからが面白い。「お豆腐主義」なる茂山千五郎家の家訓、明治になって大名の扶持を貰えなくなった茂山氏のひい爺さんは屋外芸の大声を活かして余興に狂言を演じ、「何にでも使える豆腐みたいなやつ」と嘲笑されたとか。ところが茂山家では「そうや、豆腐は金持ちから貧乏人まで皆に親しまれて飽きの来ない、味わいのあるもんや」と受け止め家訓にした。お豆腐主義、京都文化への反骨主義かぁ、と思って次の『わがまち・・・そしてロータリー』を読むと、またまた京都の話。西陣の老舗呉服屋女主人の奮闘記。「来たなかったら来ていらん」「それで何ぼになるねん」ばっかりの京都気質。碩学、梅棹忠夫さんの文章には「京都のひとの心には、ぬきがたい中華思想が潜んでいる」とある。文字通り自分中心で京都以外の人は「化外の民」。京都さくらRCの田中峰子会員は、そんな街で周囲にボロカスに言われながら重文指定の店舗を「西陣暮らしに美術館」として開放した方。このしたたかさも京都人のもう一つの特徴かもしれない。

今月は『ロータリーアットワーク』に鹿児島西RCの「賀寿の宴宮崎中央RCの「ネパール訪問の2件が掲出されている。まずまずの滑り出しですかね。

2014年6月20日金曜日

2014年6月号のみどころ

例によって表紙からじっくり眺める。御田植祭は全国にあるが、志摩伊雑宮の竹取神事は大きな竹の団扇を奪い合う勇壮な泥んこまつり。演者も観客も目線が見事なほど一点に集中して画がまとまっている。蛍は撮影の苦労は別にして極めて静寂で幻想的、画面に命をもった光の線が引かれ芸術的ともいえる。
頁を捲るとRI会長のメッセージ。「積まれた薪の山の前を去る時は、見つけた時より少しだけでも高くしておかなければならない」というオクラホマの格言を引用して「ロータリーの実践」を語られた。人のために出来ることをみんなが気づいて実行すれば大きな力になる、その延長上でとてつもないことを成し遂げるのが「ロータリー」と理解した。

ロータリー親睦活動月間】の特集は今から90年近く前に結成された「エスペラント語の同好会」が始まりで、その後、ヨット、バイクツーリング、スキー、アマチュア無線やコンピュータ、切手、囲碁といった趣味から、医師や弁護士など職業を中心にしたグループも結成されている。初めて知ったのはボーイスカウト指導者のロータリアン親睦グループがあるということ。共通の趣味は国境を越えて仲間をつくるということだろう。
次が【2014 フォトコンテスト入賞作品】 「いまを切り撮る」というテーマ通り、優秀作3点はすべてが子供の表情、特に目が強烈な印象を放つ。これに対して努力賞は構図や撮影技術にプロの感覚が見える。老婆と妊婦と猫、無関心が絵になっている作品。フォーカスで訴求点を強調したスプーン。赤子に降り注ぐ光の帯。シルエットで見せた人の絆。カラーが不思議に懐かしい漁港・・。
ポリオ撲滅まであと少し】は二神編集長の力がかなり入っていて一気に読まされてしまった。フィリピンの幼児600万人にポリオワクチンを投与する活動から始まったポリオとの取組み。はしか、ジフテリア、破傷風、百日咳、結核を取り込んだ「ポリオプラス」への伸展、募金活動をほとんど行うことがなかったロータリアンがチャリティや街頭募金を行い、ワクチンを飲ませるために子供たちを保護し親を説得、自ら現地でワクチン投与に加わったロータリアンも多い。そして昨年立ち上げられた「End Polio Now」は、ビル・ゲイツ財団をパートナーに最後の3か国の撲滅を目指す。ポリオプラスの「プラス」は5つの疾病から活動の副産物に変化した。ワクチン搬送の波及効果は「新しい物流方法」や世界的な「診療所のネットワーク」に形を変え、世界中の感染症対策に、使えるシステムとして機能し始めた。「ロータリアンの熱意と粘り強い活動が、不可能を可能にしようとしている。あと少しが一番大変、気を抜かないように」と・・二神編集長。かなり読み応えがありましたよ。また、次の松宮RI理事の文章も含蓄がある。地球は人と人を結びつける協力な磁場であり、ロータリーは理念としてこれを証明している。ロータリーはその発端から倫理を超えた生き方を提唱する。これが強力な地球の磁力の本体に違いない。更に「ロータリーのサービスコンセプトは「我欲」と心の中の「鬼」に挑む生き方だ。」と最後にこの倫理に反するRI理事会の無力化を指摘され、このままでは世界中のロータリアンを裏切ることになると懸念を表明された。

縦組みに移ろう。【SPEECH】メジャーリーガーになりたい、という小学生がいたら全国どこでもチャレンジできる。グランドも道具も指導者もいる、中学も高校も野球少年を受け入れるし子供たちは夢を現実にする可能性を持てる。ところが「ロボットを作りたい」と科学を目指す小学生には指導者もいなければ受け入れる施設、学校もない。産業界がこぞって「人材がいない!」と22歳の大学生だけを見て嘆くのは人材育成の観点からおかしい。コンピュータ言語でプログラムを書き、英語でプレゼンテーションする小学生はいくらでもいるのに教育環境がないため成人まで育てられない。という視点が面白い。科学を通じてあらゆる職業の人間教育。人材育成が行える。ロボットコンテストにジュニアの可能性を感じてほしいとの主張にアナログ人間ながら共感した。
わがまち・・そしてロータリー】は富岡市。世界遺産に登録された富岡製糸場は廃藩置県前の建造物、「売らない、貸さない、壊さない」の三原則で保存されてきた地域の宝。「赤煉瓦物語」を著し殖産興業の象徴、巨大な歴史遺産を守り抜いたロータリアン、今井幹夫氏こそ本当のロータリアンであろう。

今月はかろうじて1点、【ロータリーアットワーク】に高岡RC「ミニラグビー大会」が紹介された。ありがとうございます。

2014年5月15日木曜日

2014年5月号のみどころ

今月の表紙は、活き活きとした鯉のぼり、人口200人足らずの過疎の村で子供の数より多い50尾もの鯉が新緑の中を泳ぐ、人恋しさが見える絵、と、ひたすら待つことが作品を創る野生動物の絵。震えるようなドキドキ感が伝わってくる。

頁をめくってロン・バートンRI会長のメッセージ。ポリオ撲滅はロータリアンの誇り、29年を費やした活動が今まさに「あと少し」を迎えている。ゲイツ財団という頼もしいパートナーを得た今、世界中のロータリアンと共にポリオ撲滅を実践し世界を永遠に変えることが出来ると確信している。と檄を送る。

今月の特集は「わたしたちの活動」RI戦略の優先項目「公共イメージの向上」に果たす地域活動の役割。アクトと共同で取り組む沖縄サンゴの再生、小中学生に職業意識を持たせるという取組に職業人ロータリアンがゲストティーチャーとして参加、子供囲碁フェスタの立ち上げ、市内各校の生徒会役員を集めての「学校いきいきスローガン」の選定、子供たちへの食事マナーの研修、理科教室「サイエンスクラブ」の開設、陶芸教室「こども 土と遊ぶ展」。注目したのはローメンという地元の麺2000食を並べてギネス世界記録を取った中学生。どれも極めてユニークで地域性があって、地域のマスコミが記事にしたがるアイデアがある。これは真似させてもらおう。

ガバナーのページには当地区の大迫三郎ガバナーメッセージ「人格と生産性」、ロータリーはリーダーとしての人格の陶冶と人徳の練磨が目的であり、その努力が生産性の向上に繋がる。との持論を展開されている。
この他、興味を惹いたのは「WHOが東南アジアでポリオ撲滅を宣言した」という記事。何処よりも撲滅が難しいとされていたインドが入っていて驚いた。残りはアフガニスタン、パキスタン、ナイジェリアの3か国。撲滅は夢じゃない!
ともう一つは「Rotary今・・で紹介された[衛星クラブ]。新しい定款・細則にいきなり衛星クラブの記述があり、次年度クラブ定款・細則の変更を模索していたクラブ研修リーダー(私)には???やっと今理解できた。要するに朝でも夜でも例会は親クラブとは別に開く「クラブ内のクラブ」であり、20名の定足数を満たし独立するまでの暫定的形態、ということかしらん。真ん中に挟んである「GLOBAL OUTLOOK」にも衛星クラブの解説がある。そのまま取り出せるこのページは会員増強維持のためのテキスト。要保存です。

縦組「SPEECH」は発達障害についての福島学院 星野仁彦教授の講演要旨。「社会に出たら大事なのは方程式でも微分積分でもなく、ソーシャルスキルとライフスキル」だという主張、まったくその通り。ただその症状が個人の性格なのか病状なのか分らないらしく、原稿を読んでいくうちに「あれ、これってまったく僕の症状じゃない」と結構不安になる。注意力散漫だし、落ち着きがない、「ハマル」し「キレル」、ギリギリまで仕事をしない等々・・
でもその症状に気付いていれば充分コントロールできるらしい、また職業との相性も影響する、自分は正しい職業選択だったようだ、ホッ。

今月は友愛の広場に指宿RCの大重勝弘GNデジグネートロータリーアットワークに佐土原RCの「Xmasカップバレーボール」俳壇に鹿児島東南RCの柿元敬一会員の作品が掲出されている。地区委員としてかなり嬉しい。

2014年4月15日火曜日

2014年4月号のみどころ

自分の文章が掲載されるとなると、やはり気になるのか、いつもは表紙をじっくり眺めてから本誌を開くのに、今月はまず11頁から緊張して目を通しました。同僚の(失礼)の高橋委員が書かれた「心は共に」への感激、石橋委員の「風紋」の復活願い、さすがに「友」の魅力をよく知っておられる。改めて表紙へ、やはり4月は桜。「鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におわす・・」言われてみると確かに鎌倉の大仏には桜がよく似合ってる、岩倉の「のんぼり洗い」の方は、鯉のぼりが示す原色の季節への移ろいを、散る桜が見事に表現している。いい写真だなぁ、と感激しきり。

トップページロン・バートン会長のメッセージ。「ロータリー誌は、ロータリアンであるための経験を分かち合う要素、義務としてではなく、雑誌を手に取る時、私と同じように、誇りと大志を得て欲しい」。この言葉は、学ぶことを楽しむ姿勢があれば、誰でもが感じることであるに違いない。また会長メッセージと同様に「地区代表委員はガバナーの代理として、友の委員会に出席し、クラブや地区の活動を日本国内のロータリアンと分かち合う窓口」という二神編集長のご教示にも地区代表委員として力を頂きました。「ロータリーワールドマガジンプレス・セミナ―の報告」では、地域雑誌の契約更新があるということを初めて知りました。確かに契約更新できず「友」がなくなれば、ロータリアンとしての購読の義務を果たすには、「The Rotarian」を英語で読むしかなくなる。これは大変なことですよねー。電子版についてはEクラブ準備中のわが身には極めて有難い。なにしろ配布する例会がネット上ですから。またRI発ではなく、地域発の情報を全世界のロータリアンで共有するという発想も素晴らしい、楽しくなりそうです。次の「元気な笑顔の為に」は東日本大震災支援の報告、何万語費やした文章より、希望を語る、元気を体で示す子ども達やそれを見守る大人たちの愛情あふれる表情がすべてを語る。インパクトのあるページだと感じました。

縦組み、やはり「SPEECH」に関心が引き込まれました。「枯山水と日本のこころ」。1月号の「いいな いいなで生きていく空海の教え」にも頷きましたが、今回の「禅」はもっと奥深い。西欧では「完全なる美」が最高の芸術とするのに対して、日本は偶発的に生まれた「不完全の美」に芸術性を求め、終わりを創らないとする。ウーム・・成程。また「墨に五彩あり」という言葉、墨だけで無限大の色を想像させる、確かにその通り。禅は「無」を重んじる、沈黙という無、余白という無、間という無、これらが余韻という究極の美意識を生む、と読み取ったが、如何。・・・ほんとに日本は「こころの国」だと感じました。

2014年2月17日月曜日

2014年2月号のみどころ

やっぱり表紙から。豪雪地の厄介もの、雪を逆利用しようという「白峰雪だるままつり」の1ショット。寒いのにほのぼのとした温もりがある。暖かい一家団欒が見える。
裏表紙は松江城の武者行列。撮影シーンの撮影? 変わった構図と思ってメーセージを読むと、PRポスターのモデルになった息子さんを親父が撮ったものだとか、確かに父の愛情が見える。

52(33)頁の表紙のメッセージは是非読んでほしい。トップページの会長メッセージは国際大会への誘い。「多様性が織り成す華やかなタペストリー」と表現されていたが、ポール・ハリスが夢想した民族的な相違を理解し受け入れる平和世界がそこに現出すると思う。是非、参加してみたい。

2月は『世界理解月間』田中作次前RI会長が昨年度のメインプログラム「世界平和フォーラム」について書かれている。自ら国の軍国主義の結末を体験し、恒久の平和を選択した事によって、我が国は経済、文化、教育のあらゆる面での成長と繁栄を勝取り、さらには日本の伝統的な価値観「個人のニーズより社会のニーズを重視する精神性」が未曽有な災害からも国を守った。このことが、国家や民族、宗教の壁を取り去り世界平和へと導く礎となる。「平和は異文化間の友情という小さくても素晴らしいことから始まる。平和は寛容の姿勢というシンプルなことから始まる」素晴らしい言葉である。

『広がる つながる 国際親善の輪』では再来日したトルコからの交換留学生にインターンシップの場を提供した東京八王子RC、フィリピンWCS検証に現地を訪れた岩槻中央RC、パラオにごみ収集車を贈った川口北東RC、交換学生交流会で浴衣掛けの盆踊り参加を企画した群上長良川RC、カトマンズの海外米山学友会創立総会を主導、訪問した東京米山友愛RCと東京米山ロータリーEクラブ2750、台湾の児童養護施設を支援する岩槻RCや高雄の日本人学校に図書を寄贈した白根RC、前にも紹介されたが上総掘り合同プロジェクト活動の継続。等々いずれも、なすべきことを体験する事によって社会奉仕を実感し、次世代に引き継がれるというお手本が紹介されている。「奉仕の体験は、私たちに優しくなれる心を与えてくれる。そうなれる自分に気づかせてくれる」という言葉が胸を打った。

『会費の使われ方』についての解説ページ、ほとんど知らなかったという感想。「人頭分担金って53ドルくらいなの?」「クラブ会費の支出の半分以上が食費なの?」・・・RIが支出を減らさず、人頭分担金を上げる理由も充分納得できた。

『Rotary いま・・・』規定審議会の決定に伴うルールの変更、3年に一度はクラブの定款、細則も変更しなければならない、はずなのに当地区ではほとんどのクラブで変更の形跡はない。ルールを見直し、知ることによってクラブ活性化の芽が見つかる
今がその時期! まったく同感である。

『GLOBAL OUTLOOK』ポリオ撲滅レース入門―何でポリオにばかりこだわるの? という疑問に答える保存用のページ、確かにエンドゲームに入って、テロなどの治安に対する予防接種従事者の安全確保といった問題や慢性的なリソースの不足が撲滅を妨げている。でも今やらねば元の黙阿弥、頑張らねば。

縦組みページ『SPEECH』のテーマも平和
誰でもが教育を受けることができる日本では考えられないどん底からの提言=自分の名前が読めない、書けない子どもを無くすことが「平和づくり」の第1歩だと説くルワンダの活動家、カンベンガ・マリールイズさんの講演要旨が取り上げられている。
文字が読めない銃が撃てるだけの若者を、知識ある政治家が利用して戦争やテロに駆り立てる。「教育」の無い国で選択の余地のないマインドコントロールによってテロリストになった集団の行為だけを責めて、本質を見落としてはいないか? 「教育」があれば、文字が読めれば世界の情勢が理解でき、何をすべきかが自分で判断できるテロがあるからルワンダには行かないといった拒否では問題の解決にはならない。厳しい意見だが、世界の平和を目指すロータリアンが、避けては通れない道に違いない。ルワンダに学校をつくることは、正しく平和の種まきをすることだ。

『わがまち、そしてロータリー』博多。「博多伝統手職人連盟」を20年に亘って支える博多RCの紹介。「この街を陰ながら支えとうおいしゃん達がおるとです」という自画自賛のナレーションをHPで流す博多大好き人間の集まり、ということが良く解る。

『友愛の広場』では、前橋東RCの近藤会員の「茶道と仏教」が興味を引いた、茶席にはほころび始めた花を活け、その秘められた生きる力と美しさを表現する、成程。

2014年1月17日金曜日

2014年1月号のみどころ

表紙は地域の祭り、出雲大社の正月行事吉兆さん」と野沢温泉の道祖神祭り
吉兆さんは、集合写真であるにも関わらず面白い。ちょこっと見えるしめ縄のデカさがよく解り、集まった人の表情がいい、奇怪なお面と派手な衣装の「番内さん」の後ろに笑顔のおまわりさんという組み合わせも笑える。道祖神の方は炎に浮かび上がる灯篭と社殿?シルエットの人の群れが社殿の巨大さを示し、火の粉が祭りの活気を伝えている。本物を見たい。

トップページ、ロン・バートンRI会長のメッセージはロータリー家族について
「家族を切り離してロータリーの奉仕を考えるのではなく、ロータリーが家族のカレンダーに組み込まれなければならない」。確かにその通りだと思う。三つ子の魂百までという事か・・・。

ロータリー理解推進月間の特集記事、田中作次前会長が「世界の国々で見たこと、感じたこと」と題して、未来の世代のためのロータリー、ロータリーによって救われた子供たち、そして「超我の奉仕」とは、について行動の結果として書かれている。曰く、超我の奉仕とは誰かの人生に喜びをもたらすことによって、自分自身が幸せになれること曰く、超我の奉仕とは人生で本当に大切なこと、エネルギーを注ぐべきことは何か曰く、人は皆自分だけでは生きていけないこと、を教えてくれる。平和をもっと現実に近づけるのも超我の奉仕の実践によってである。

次に日本と韓国のロータリーの違いが図示されていたが、極めて興味深い数字だった。会員の減少、少ない女性会員、老齢化した会員構成、長い会員歴、融通のきかない例会時間帯等、日本のロータリーはもっと柔軟な対応で、若返りが必要なのでは?と感じた。

公共イメージと認知度向上のためのファンドレイジングイベントポリオ撲滅キャンペーンの紹介。PI補助金を使った会場イメージづくりで、一般市民を巻き込んだファンドレイジングは大盛況。地域社会の理解も深まったという。ポリオ撲滅キャンペーンはEND PORIO NOWのバッチやTシャツが公共イメージと認知度向上に役立った。ロータリーのビジュアルの統一がロータリーのイメージづくりに果たす役割は大きい。

ロータリー研究会のリポートでは、最後に報告されていた青森の富岡会員の提案「被災から3年、年次基金の関係で資金が欠乏する今後の被災地の救済継続に被災地区とプロジェクトを組みDDFを使って被災地に寄付出来ないか、という案。復興支援の新しい形として注目される。

『Rotaryいま・・』広報活動にHPやSNSを利用しているクラブに、個人情報の守秘やクラブトラブル記載の禁止が警告されている。IDとパスワードで規制された会員専用ページを作るなりの配慮が必要であろう。広報のプロでない会員が情報を発信することは誤解が広まる危険性を孕んでいるということである。

縦組みに移って、『SPEECH』高野山真言宗の小籔実英師のお話。「空海に学ぶ 前向きな心」。お大師様が書かれた「秘蔵宝鑰」には、ものの優劣で価値が決まるのではなく、心の持ち方で人の値打ちが決まるとある。仏様は遥かかなたにあるのではなく、一番身近な心の中にある、我々はみな仏様から素質を貰ってこの世に生まれてきた。それが見えないのは、煩悩という垢が心にかかって見えなくなっているだけ。悲観しないで前向きに生きれば、仏様から頂いた自分の素晴らしい素質に気づく、と話されている。「いいな、いいなと生きていく」これが空海さんの教えだと・・・うーん成程と唸ってしまった。気持ちはいつも明るく持とう、何とかなるさで前向きに、かな?

『わがまち・・そしてロータリー』は信玄公の御膝元、甲府市。老舗をテーマに三社合計三十九代、1020年の歴史を持つ。まず「吉字屋本店」敵に塩を送った「義の塩」を買い付けたのがご先祖というからとてつもなく古い、次の「印傳屋上原勇七」もほぼ同じ、印傳とは印度傳来のことで鹿や羊のなめし皮を細工したものだとか。国の伝統工芸品らしい。もう一社は「山梨日日新聞」。明治5年の発刊。日本最古の地方紙である。幕藩体制が崩壊して新聞というものが外国から日本に入ってすぐだから、これもすごい。更にこの御三家で4名が地区ガバナーに就任されている。まさに壮観、と書かれていた。ただただ吃驚。

投稿蘭では、友愛の広場鹿児島東南の柿元会員が「心を耕す」という名文、ロータリーアットワーク日向の「福島キッズin宮崎」の報告柳壇志布志の常連西岡会員の作品が掲載された。