『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2013年3月26日火曜日

2013年3月号のみどころ

 表紙のひな飾りは圧巻。都会では最近段飾りが姿を消し、内裏雛だけのコンパクトなひな飾りが主流と聞くが、わが地区(鹿児島・宮崎)では表紙ほどではないが昔から伝わる段飾りを祖母、母の分まで引っ張り出し、部屋いっぱいに飾る旧家が増えている。町内で持ち寄って公民館などで集合展示し、みんなで祝うというイベントも企画されている。昔を見直す事が日本人の自覚に繋がる。歓迎すべき風調だろう。と独り納得して本文に入ると、田中作次RI会長がまた良い事を言っている。「行った先々でお目にかかる人から学べる事がある」。青少年交換プログラムの意義は、大国に迎合する事ではなく、お互いの文化を尊重し学び合う事で心の交流を築く事だ、と。

 最初の特集は「新地町を見つめて」。ロータリー平和フェローのカメラマンが、被災地に通い、交流の中から写し取った報告。マスコミが作りだした悲劇の映像ではなく、忍耐強く、前向きで気高くすらある映像。初日の出に明日を見つめる祈りの目。不自由な中でも逞しく暮らす人々。福島は津波を受け、放射線に襲われても懸命に生きている。写真に写った住民の目は希望を失ってはいない。「あの日から」は辛くて書けなかった被害の生々しいドキュメントを記載し「復活のための復活」として陸前高田RCの活動開始を位置付けている。識字率向上月間(RI6つの重点項目)の事業紹介として紹介されていた。

フィリピンで根付くCLP方式授業」。全く勉強不足で、児童教育はすべて教師の指示で行われるものと思っていたが、児童の独自性に任せ、ゲームや歌も使いクラス全体ではなくグループで討論させ協力しあって学習効果を高める。そして何より授業がすべて習得目標言語で行われる。といった方式がある事を知った。目から鱗のプロジェクトだと感じた。ロ-ターアクト週間で、各地区で活動目標が見えないという声を聞く中、様々な活動が紹介されていた。特に「歴史の目撃者たち」に紹介されていた高齢者と時間を共にする活動には感動した。高齢者が「自分たちはまだ社会で必要とされている」と感じる事が高齢者福祉の原点だと確信する。写真も表情が活きていて上手い。

 次が会長エレクトRON BURTON 氏の紹介。『ロータリーを実践し みんなに豊かな人生を』というテーマの背景にある「ロータリーに真に打ち込めば人生は変わる」と「ロータリーなら政治も宗教も異なる人同士が親睦出来る」という主張。RIは34000のクラブの集合体以外の何物でもないというクラブ重視の姿勢はストレートで解り易くていい。ポリオ撲滅はホントにこの会長の年度で完遂するかもしれない。

 縦組みの頁。子供の頃、客間で両親が大事に使っていた鎌倉彫。その伝統を守る後藤圭子鎌倉RC会員の紹介。懐かしく拝見したが、家業を存続させる事自体が職業奉仕=社会奉仕だという記述には納得させられた。「卓話の泉」酒の起源も「刹那、劫」の蘊蓄も面白かったが一番嵌ったのが「SPEECH」静岡県立大の本田悦郎教授の「日本人のこころと平和」。平和を築くためには文明とそれを担う日本という国家を愛する精神が必要という講演内容。日本の平和が守られてきたのは平和憲法があったからじゃなく米ソの核の恐怖であり、否定形でしか表現されない自由(束縛されない)や平和(戦争が無い)に意味はない日本文明の本質=心の中にある神(誠の心)を強い意志として紛争国に伝える事が「抑止力」として日本を救うという意見。本当に日本に生まれて良かったと思えるような誇り高き国家をみんなで築いていくことがの日本の平和を維持することになる。リポートの初めに戻るが、表紙のひな飾りへの愛着や田中RI会長の弁、お互いの文化を尊重し合い交流することが平和の原点。に通じる。