『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2013年8月19日月曜日

2013年8月号のみどころ

 表紙は夏の歳時記、花火と祭り。どちらも一瞬の動きをフリーズさせた印象的な写真が採用されている。夏はやっぱり激しい動きが絵になる、なんて勝手に満足して本文へ。
 ロン・バートンRI会長のメッセージは今年度テーマに基づく会員増強の考え方。「忙しくて、成功していて、かつその貴重な時間をロータリーに奉げてくれる人」を求め、ロータリーが彼の人生に与えうる意義や充実感を示すことで入会を促そう。暇を持て余している金持ちを会員に取り込んでもロータリーの成長には繋がらないという事、かな?

 今月は会員増強及び拡大月間。目標達成の戦略として、退会者を減らすクラブの配慮女性と若い会員の勧誘強化 Eクラブや朝食例会等スタイルの違うクラブの立ち上げ。さらには、他地区にいる友人をその地区のクラブに紹介しようという「SAKUJI大作戦」によって、10万人達成の目標には及ばなかったが、減少傾向には歯止めがかかった。とのこと。会員増強のアイデアとして、海外では他クラブを学ぶための会長同士の交換退会者を招いて行う同窓会例会若いメンバーのために例会場に保育室を設けたり会費を下げたりヤングロータリーリーダー委員会で会員候補者と親睦を深める、等が報告され、国内でも若い会員の研修会の必要性が挙げられていた。当たり前のことだが、会員を増やすには、クラブに魅力がなくてはならない。ユニークな奉仕プロジェクトや勢いのある活動で地域社会の理解を得なくてはならない。クラブ活性化プランの実現が最優先すると思うが如何。また甲府RCの佐藤先生が面白い事を書かれていた。日本では「食事の時は黙って食べなさい。」が常識だったが、最近は世界の趨勢に倣い、食事をしながら話を楽しむのが常識、晩餐の食卓では身なりを正して、身近な話から高尚な理論まで耳学問で知識を増やすのが社交術だとか、世界共通の食事文化をエンジョイすることの中に会員維持のキーワードが隠されている。成程。

 次がリスボン国際大会の報告。オープニングは200を超える国旗の入場、「日ノ丸」と「君が代」はこの日平和の象徴として掲げられた。原爆、敗戦、復興を体験した日本人だから語れる平和の大切さ。それを世界中に呼びかけた田中作次会長年度の集大成。プログラムのすべてに「平和」というキーワードが織り込まれていた。二神編集長の報告の最後、『このリスボン大会では、派手なパフォーマンスはありませんでした。また日本人RI会長にちなんだ日本的出し物や演出もありませんでした。田中氏が「国境のない平和」と述べていた、その表れだったのでしょうか、その代わり、大きな戦争を経験し、戦後の何もない状態から平和で豊かな国に成長した日本について語った田中氏の話は、今、内戦や貧困で苦しむ国の人々にとって大きな励みになった事と思います。これが平和を希求する日本人RI会長にふさわしい、日本の話し方だったのかもしれません。』という文章に国際大会に於ける意義と感激のすべてが語られている。

世界に広がる国際奉仕の輪」では貧困、飢餓、識字率、水問題等様々な不安を抱える発展途上国で日本のRCが頑張っている様子が紹介されている。ようやく政情が安定したミャンマーで児童養護施設への支援を続ける高松北RC、飢餓に悩まされるフィリピン・ダバオの託児所への食糧援助を続ける倉吉RC、スリランカに70基もの井戸を寄贈した神奈川東RC、電気が通わないスリランカ・バブニアの山間部にソーラーの通電設備を贈った大阪天王寺RC、タイ3350地区とのマッチング・グラントで29の小学校に浄水器を贈り、その後水害に被災した浄水器を復旧させた日立RC、他の団体と協力してラオスの小学校に給水タンクを寄贈した郡山南RC、インフラがなく人力頼りのケニアに江戸時代盛んだった「上総掘り」の井戸を掘った東京広尾RC。どのクラブも現地で直接触れ合った子供たちの笑顔に感動し、その場限りの支援ではなく継続こそが彼らの未来を拓くと記していたのが印象的だった。次の「ロータリー希望の風奨学金現況報告」は当初東日本大震災で全国からよせられた義捐金の使途について、緊急の対応か将来を見据えての対応か物議を醸し、当地区では返還を求め、一部を除き地区の奉仕プロジェクトに転用したと聞いているが、災害の復興が遅々として進まない現状を考えると、結果的には残った11地区の義捐金で発足したこのプログラムの方に参加すべきではなかったかと考えさせられた。新しく始まった「Rotaryいま・・・」ではアジアの時代がやってきたとタイトルして、RI会長選任の歴史から、ロータリーが必要な地区からRI会長が出ると指摘し日本のロータリアンの自覚を促す結論となっている。

 縦組みに移って、「SPEECH」120年以上も昔の軍艦エルトウールル号遭難が切掛けとなった日本とトルコの友好について、和歌山県の小さな町串本町の先人たちが示した献身的な救助の記録と誇り高き外交。残すべき歴史は誰かが語り継ぎ後世の財産として残すべき、という田島町長の講演に何度も頷いてしまった。「ロータリーアットワーク」今月も当地区からの出稿は無し素材はあるのに、書き手がいない・・・