『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2013年10月18日金曜日

2013年10月号のみどころ

ですね~表紙片方は怖い程深遠な「霧氷秋彩」もう片方が子供の表情がいい「豊作ダ」。
 今月は縦のページから読んでいきなり心を奪われた。因島南中学の前校長 岡本和信氏の講演要旨「絶えたるを継ぎ廃れたるを興す―国際時代に通用する自己エンジン搭載の子どもを育てる―冒頭、子供の個性を尊重するという面から時代受けしている金子みすゞの「みんなちがって、みんないい」とSMAPの「ナンバー1でなくてもオンリー1でいい」に反論、社会に生かされている自分が「私の人生は私の勝手だ」でいいわけがない。成程そういう見方もあるか・・・・・・と頷いて読み進むと、世界の子供たちの中で誠に持って情けない日本の子供たちの現状が具体的なデータで紹介され愕然とした。
 文中ソウル大学の教授の話として引用されていた「日本は戦後、戦争を放棄しました。その時一緒に愛国心も捨てました。日本は愛国心が戦争を起こすと考え戦争と愛国心を一緒に捨てました。だから今日本の若者は迷い子になっています。」という言葉に改めて日本の将来の危機を感じさせられた。米、中、韓、台で共通しているのは「国を自分たちがつくる」というプライド。目的意識もなくただ大学に籍を置こうと考えるのは日本人だけ、自分の力で学ぼうとせず「教えてくれないと失敗するかも」といつも不安がっているのが現実の日本の若者の姿。この国が絶やしたモノ、廃れさせたモノの最大のものは「愛国心」郷土を愛する心だとされた。そして何から始めるかということの一つが子供たちの胃袋を油断させて仲良しになる「同じ釜の飯を喰う」=「炊き出し大作戦」と地域の生の文化をお年寄りから学ぶと共にお年寄りの安否を気遣う一石二鳥の「高齢者から学ぼう大作戦」二つとも素晴らしい。

 次の「わがまち・・そしてロータリー」高齢化という問題を抱える秋田県大館市の例、中でも秋北バスの100円バス得々定期券は秀逸。大館市の補助で乗り降り自由な定期券を発売、お年寄りにもバス会社にもそして街の元気づくりにも利のある施策となった。大館市も偉い!「ロータリーアットワーク」寄付や清掃といった定番ではなく地域文化の見直しはないかと探してみたら、「厚木の歌ダンスコンテスト」(厚木県央RC)、「地域活性化イベントの企画運営」(嘉悦大学RAC),「広瀬川でアートを楽しむ」(前橋西RC)、「座禅初体験」(長泉RC),なんと「小原歌舞伎白浪五人男」を演じた豊田西RCが目に付いた。参考になる。

 横組み頁は職業奉仕の特集。当地区ではRIテーマ「Engage Rotary,Change Lives」の浸透を図るため、大迫三郎ガバナーが「職業奉仕」の理解と実践を地区の中心テーマに据え,公式訪問時に「職業奉仕」についてのフォーラム(会員発表会)を実施、200名もの会員から様々な意見を聞いた。更には地区大会で会員発表の時間を設け、優秀会員を表彰した。
 その発表内容を念頭に置いて頁をめくると、日本各地のロータリアンから職業奉仕についての意見が掲出され、それぞれに頷かされたが基本的にはほぼ同解釈だと感じた。職業奉仕とは高い倫理観に支えられた職業の実践。言い換えれば倫理的な金儲けをすることであり結果的にその事業が地域に貢献し世界に貢献する(自利利他)ということであろう。職業を通じて社会に奉仕するという団体はロータリーだけ、という事に誇りを感じる。ただ社会奉仕が社会に対する奉仕である様に職業奉仕も職業に対する奉仕、職業を通じての奉仕ではないと個人的には思う。自らの職業の社会的評価を高めるため業界の職業倫理を徹底し、後進の育成に努め、正しいPRによって業界の認知を図る。結果的には倫理的金儲けに帰結するのだが・・・

 2014年国際大会開催地、シドニーの紹介は、素晴らしいPhotoが頭を占拠し「行きたい!」欲望を駆り立てる。また36頁の「ロータリーの新しいブランド戦略」は全会員必読の内容だと思う。マークを車輪にして走らせたり、半分カットしたり、上に文字を乗せたり、色を変えて使ったり、地区やクラブであまりに杜撰なロータリーマーク・ロゴタイプの使用がまかり通っている昨今、ブランド戦略を掛け声だけにしないため徹底した是正が必要。