『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2013年12月20日金曜日

2013年12月号のみどころ

2枚とも写真がいい。誰もがシャッターをきる撮影ポイントで誰にも出来ないシャッターチャンスをものにする、別府湾の朝日、光の緒の中に漁師のシルエット。もう1枚は滅多に見られない日本三名園、後楽園の雪。完成された構図に、両作品とも鳥の動きが命を吹き込んでいるお見事!の一言に尽きる。

月は家族月間、ロン・バートン会長のメッセージは子供の頃の夢を実現したポール・ハリスの家を残そうというもの。夢の実現はロータリアンの理想、大賛成である。特集は親族3人以上がロータリアンという家族の紹介。掲載された5組の家族の全てが、クラブや地区のリーダー経験者を核に家族会や活動を通じてロータリーを理解し憧れと誇りをもって入会されている。家庭でロータリーが共通の話題になる、それだけでも素晴らしい。また二神編集長の取材で点鐘に始まり点鐘に終わるロータリアン同士の結婚披露宴が紹介されていたが、実に楽しい、お二人が所属する両クラブの企画力と実行力に脱帽。みんな皆、ロータリー家族なのだ。次がロータリー家族との活動報告。式年遷宮の伊勢詣で、帯広のお祭り競馬の観戦、世界遺産の富士登山等々、地域の特性を活かした企画でロータリー家族やROTEXとの交流親睦を深めている。注目すべきは、地区組織が呼びかけの起点となり地域住民を抱き込んだ大掛かりな活動も見られた事。これは当地区でも見習うべきと感じた。尚、2730地区からはきもつきRCの観月会が紹介された。

19頁から4頁に亘る『日韓親善会議の報告』特に共感したのは韓国の元国会議長 金守漢氏の講演、「2000年の歴史の中で両国が不幸な関係にあったのは僅か70年、歴史の一部だけを見て全体像を否定することは普遍性、妥当性を持つ両国の関係の妨げになり、偏見よって誤った判断をするおそれがある。相手国の変化を正しく見て、虚像を払拭すべきであるとともにお互いの異質性(独自性)を認識しなければならない。日韓関係が政治レベルでこう着状態が続いていても両国の国民レベルでの交流は変わらない。ロータリーの活動が何より重要なキーワードになると信じる。」と話された。この提言が韓国の側からのものであることに拍手、分からず屋のパク・クネ大統領にも聞かせたい。

『Rotaryいま』13万人を超えていた日本のロータリアンが、この10年で88256人になってしまった現実。ロータリーが育てた若い人たちの結集を促し、女性の意欲を取り込み、規制緩和によりEクラブを発足させ、減少に歯止めをかけ、「サクセス・ジャパン大作戦」で10万人にする。と記されていたが、一番大事なのは、人に奨めたい魅力あるロータリーに籍を置く「誇り」と「自信」を現ロータリアンが持つということではなかろうか・・?

縦組みに移って、『SPEECH』ヴァイオリニストの川井郁子さんの「子供たちの未来」と題した講演。難民キャンプでの子供たちとの出会いを通じて、何が子供たちの成長に必要かを実感され、「子供の元気に直接関わるのは、恵まれた環境ではなく、子供たちを見守る大人たちの笑顔と夢を育む子供たち自身の逞しさ。キャンプの貧しいお母さんたちに口紅をプレゼントするとお母さんの気持ちが華やいで、それを見た子供たちも元気になる。今の日本に一番大切なのは子供の時代に、その子に夢を持つ力と、自信を与えること、子供たちは自分で未来を開拓していく逞しさをみんな持っている」と話された。消滅しつつある「おせっかい」も児童虐待の防止になる、とも。まったくその通りだと共感した。

『わがまち、そしてロータリー』は津波にのまれた閖上の復興に、檀家が被災しながらも混沌の中で奔走した名取RCの長澤信幸会長の話。曹洞宗の名刹・秀麓禅齊の住職、僧侶として、またロータリアンとして全国の支援を集め、被災地に踏みとどまり、地域の人たちの為に活動を続けた。そういったロータリアンの姿こそが地域でのロータリーへの理解に繋がる。被災地東北に会員の増加がみられるのも頷ける

2013年11月21日木曜日

2013年11月号のみどころ

ず、表紙から見る。インドのご婦人の餅つきのショット、それを見守る全ての視線が餅の一点に集まる。愛情溢れる表情がいい。もう一点は奈良鷺池の浮見堂、秋深し

RI会長のメッセージ。心にインプットされたのはポリオが撲滅された国を見て、言うことができます。私はそれを支援しました、と財団が支援するプロジェクトの意義と誇りは、この一言に集約される。11月はロータリー財団月間。3年前からのパイロット地区に於ける試験期間を経て、いよいよ今年度から世界中で一斉に実施される「未来の夢計画」。

ローバル補助金という耳慣れない資金を活用した事業計画の成功例が紹介されていた。ひとつは職業研修チームを派遣するVTTへの活用。紹介されていたのは歯科医、衛生士、技工士をタイ・プーケットに派遣したデンタルVTT。万全の計画にもかかわらず大変なご苦労があったようだが、派遣先の地区ガバナーの激賞の声に感激も一入であったことだろう。もう一つは北陸の5つのクラブとEクラブが連携して、タイのチェンマイRCをパートナーとして行った教育支援のプロジェクト。貧困の極みにある地域での教育施設の修繕や備品の整備、教育の質や衛生環境の改善にグローバル資金が活用された。報告の最後に書かれていたロータリーの奉仕活動に於いては、奉仕される側より、奉仕する側がより感動を貰い、心が癒される。かつてマッチング・グラントでネパールの山村を支援、訪問した鹿児島西RCの一員として、将にその通りだと痛感した。

また、地区補助金を使ったプロジェクトとしては、試験実施した2690地区の例として、昔の遊びを今の子供たちに伝える「つくって遊ぶ原っぱ塾」、身体障害者と保育園児による「農作業体験」、ロータリアンが樹木について高校生を指導する「太子ヶ丘の森整備と郊外授業」、若者6人をベトナムに派遣した「新世代に奉仕の精神を学習させる、リーダー育成プロジェクト」、倉敷市域に避難している東日本大震災被害者に出会いの機会を提供するとともに子供たちとの接し方を学ぶ「親業セミナー」、失われつつある出雲神話を青少年に語り継ぐ「郷土歴史リーダーセミナー」等々、企画に当たっては、補助金の目的に合致した内容と、様々な視点からのアイデアが必要だと感じた。

組に移って『SPEECH』福島第1原発から70キロのところにある天栄村の「放射能ゼロ米への挑戦」。競うことでブランド化を進めた農家の自信と耐力が、震災で家を壊され、原発事故で土が汚染されても、補償付きの休耕を拒否し、奇跡の復活を遂げるための行動を起こした。負けない、諦めない不屈の闘志がコンクールの金賞へと導いた。天栄米栽培研究会事務局長の吉成さんは、ミナマタと同じカタカナ名のフクシマがもう一度漢字の福島に戻る日まで、と決意を新たにする。

『わがまちそしてロータリー』子供時代の自分を「正雄君」と呼ぶ浪漫チスト、名古屋中RCの深田正雄さんの奮闘記。長~い前置きが凄くいい。街を元気にするのは、若者、よそ者、変わり者。深田さんはその変わり者らしい。かつては進取の気鋭のない名古屋を嫌いアメリカ、東京でホテル修業、名古屋に戻って若手企業人の懸引役となるや、地元愛に目覚め、旧町名の復活を夢見て街の歴史を学ぶ。名古屋と謂えば、粋な殿様 尾張宗春公の所領。この由緒ある地域でも、1962年の住居表示法という人の温もりの欠片もないお役所仕事によって伝統的な地名が消された。地名に由来する昔語りはもう次世代には通じない。役人の利便だけを考えた愚策以外の何者でもない。深田さんの活動に両手を上げて賛成したい!

月は『若いパワーで頑張ってます インターアクター』で当地区の「日韓インターアクト交流会」『ROTARY AT WORK』阿久根RCの「模擬面接」と日南RCの「道路愛護デー」が、『歌壇』に奄美RC大野貢会員の歌が紹介された。快調々々…

2013年10月18日金曜日

2013年10月号のみどころ

ですね~表紙片方は怖い程深遠な「霧氷秋彩」もう片方が子供の表情がいい「豊作ダ」。
 今月は縦のページから読んでいきなり心を奪われた。因島南中学の前校長 岡本和信氏の講演要旨「絶えたるを継ぎ廃れたるを興す―国際時代に通用する自己エンジン搭載の子どもを育てる―冒頭、子供の個性を尊重するという面から時代受けしている金子みすゞの「みんなちがって、みんないい」とSMAPの「ナンバー1でなくてもオンリー1でいい」に反論、社会に生かされている自分が「私の人生は私の勝手だ」でいいわけがない。成程そういう見方もあるか・・・・・・と頷いて読み進むと、世界の子供たちの中で誠に持って情けない日本の子供たちの現状が具体的なデータで紹介され愕然とした。
 文中ソウル大学の教授の話として引用されていた「日本は戦後、戦争を放棄しました。その時一緒に愛国心も捨てました。日本は愛国心が戦争を起こすと考え戦争と愛国心を一緒に捨てました。だから今日本の若者は迷い子になっています。」という言葉に改めて日本の将来の危機を感じさせられた。米、中、韓、台で共通しているのは「国を自分たちがつくる」というプライド。目的意識もなくただ大学に籍を置こうと考えるのは日本人だけ、自分の力で学ぼうとせず「教えてくれないと失敗するかも」といつも不安がっているのが現実の日本の若者の姿。この国が絶やしたモノ、廃れさせたモノの最大のものは「愛国心」郷土を愛する心だとされた。そして何から始めるかということの一つが子供たちの胃袋を油断させて仲良しになる「同じ釜の飯を喰う」=「炊き出し大作戦」と地域の生の文化をお年寄りから学ぶと共にお年寄りの安否を気遣う一石二鳥の「高齢者から学ぼう大作戦」二つとも素晴らしい。

 次の「わがまち・・そしてロータリー」高齢化という問題を抱える秋田県大館市の例、中でも秋北バスの100円バス得々定期券は秀逸。大館市の補助で乗り降り自由な定期券を発売、お年寄りにもバス会社にもそして街の元気づくりにも利のある施策となった。大館市も偉い!「ロータリーアットワーク」寄付や清掃といった定番ではなく地域文化の見直しはないかと探してみたら、「厚木の歌ダンスコンテスト」(厚木県央RC)、「地域活性化イベントの企画運営」(嘉悦大学RAC),「広瀬川でアートを楽しむ」(前橋西RC)、「座禅初体験」(長泉RC),なんと「小原歌舞伎白浪五人男」を演じた豊田西RCが目に付いた。参考になる。

 横組み頁は職業奉仕の特集。当地区ではRIテーマ「Engage Rotary,Change Lives」の浸透を図るため、大迫三郎ガバナーが「職業奉仕」の理解と実践を地区の中心テーマに据え,公式訪問時に「職業奉仕」についてのフォーラム(会員発表会)を実施、200名もの会員から様々な意見を聞いた。更には地区大会で会員発表の時間を設け、優秀会員を表彰した。
 その発表内容を念頭に置いて頁をめくると、日本各地のロータリアンから職業奉仕についての意見が掲出され、それぞれに頷かされたが基本的にはほぼ同解釈だと感じた。職業奉仕とは高い倫理観に支えられた職業の実践。言い換えれば倫理的な金儲けをすることであり結果的にその事業が地域に貢献し世界に貢献する(自利利他)ということであろう。職業を通じて社会に奉仕するという団体はロータリーだけ、という事に誇りを感じる。ただ社会奉仕が社会に対する奉仕である様に職業奉仕も職業に対する奉仕、職業を通じての奉仕ではないと個人的には思う。自らの職業の社会的評価を高めるため業界の職業倫理を徹底し、後進の育成に努め、正しいPRによって業界の認知を図る。結果的には倫理的金儲けに帰結するのだが・・・

 2014年国際大会開催地、シドニーの紹介は、素晴らしいPhotoが頭を占拠し「行きたい!」欲望を駆り立てる。また36頁の「ロータリーの新しいブランド戦略」は全会員必読の内容だと思う。マークを車輪にして走らせたり、半分カットしたり、上に文字を乗せたり、色を変えて使ったり、地区やクラブであまりに杜撰なロータリーマーク・ロゴタイプの使用がまかり通っている昨今、ブランド戦略を掛け声だけにしないため徹底した是正が必要。

2013年9月13日金曜日

2013年9月号のみどころ

 鹿児島は八月末の台風以来、あの猛暑が嘘のように急に秋の気配。今月号の表紙の様に彼岸花が芽を出し青い空が広がっている。彼岸花はその名の通り、猛暑が過ぎると突然芽を出し、決まってお彼岸に開花する律儀な花。田んぼの畦に群生する癒しの風景が一般的だが、表紙の作品は花を手前に引き寄せ花の朱色を強調した構図。彼岸花の別の魅力に驚かされた。もう一方のトルコ・カッパドキアの「たった1個の気球」は紹介文に書かれている通り、気球と空と奇岩の配置が素晴らしい。トルコって平和だなと思っていたら、先日新聞に「カッパドキアで女子大生襲われ死傷」の記事、水を差された気分で腹が立った。

 今月は新世代のための月間。「ロータリー物語は何度も書き替えられなくてはならない」というポール・ハリスの言葉を引用して、新時代のコミュニケーションツール、Rotary.orgの活用を紹介したロン・バートンRI会長のメッセージを始め、今月は随所にウェブサイトの記述が見られる。ただ情報を瞬時にSHAREでき、誰でも対話に加わる事ができるSNSという機能は日本いや世界という巨大なエリアで、あっという間に賛同者を集め行動に転化できる反面、誤報や軽率な対応で取り返しのつかない惨事を招くこともある。小生のようなアナログ人間には、熟考して意図を伝える手紙という情報伝達手段が安心できるのだが、時代遅れだろうか・・。『REGENERATION再生』の頁に面白いキャプションがあった。「フェイスブックが廃れるのを、ただじっと座って待つ」「”バターを取ってもらえませんか”と頼んだのに、"大丈夫”って答えはねえ・・」「われわれは50~60歳代の人たちから大きな利益を得たが、不滅の精神を失った」新世代とのコミュニケーションは難しい。と諦観していたら、全国のRCで新世代のための奉仕活動を活発に展開されている事を知って驚いた。思い遣りを示して、思い遣りの持てる子を育てる」という八日市南RCの提言に納得。フォーラムやスポーツ、キャンプを通じて健全な子供たちの育成に努めるという目的も素晴らしい。またインターアクト、ローターアクトのメンバーからもしっかりとした文章で活動が報告されていた。特に大阪RACの松山奈央さんの卒業に当たってのメッセージにローターアクトの名称は「ロータリー・イン・アクション」からきています。ロータリアンの中には「ロータリーアクト」だと勘違いされてる方もいらっしゃるようですが、その存在を正しく知って覚えて頂きたい。という指摘があり「今の若者はへなちょこだと思われる事も多い世の中ですが、捨てたものではないという事を、少しでもこの文章を通じて皆さまに伝われば幸いです」と締めていた。ホントに捨てたもんじゃない、感激して感心した。

 縦組みの頁では『SPEECH』変革の時代をどう生きるかと題した伊賀の里モクモク手づくりファームの吉田修氏の講演、「おいしさと安心の両立」と「環境にやさしいモノづくり」を原点に流通業の下請けだった農業を直販によって自立出来る産業に変えたのは、24時間考えるという経営者の意識。本業の通販、直営レストランは言うに及ばず食育関連事業にしてもイベントにしてもアイデアが満載、誰に売るのか、何を売るのかを徹底して考え事業化しているとか。「なぜ野菜を売るのでしょうか?それは土の匂いが金の匂いを消すからです」という言葉にこの企業のコンセプトが覗えた.『友愛の広場』では堺RCの黒川眞男会員のクラブ創立60周年の思い出。堺東駅に設置された「銀座の柳の言い伝え」。堺の銀細工職人が故郷を偲び植栽したのが由来とか。高校まで堺に住んだ身でありながら知らなかった。町への愛情が溢れる文章でちょっと嬉しくなった。『卓話の泉』の酒の話も呑兵衛には興味深い。酒の元字「酉」が十二支の十番目に当たるところから10月を酒の月というらしい。この話を酒の肴にまた一杯飲れるかな・・

 今月号には当地区からの寄稿が4件奄美RCの「青少年交流サッカーフェスティバル」、宮崎南RCの「雨の中のサッカー大会」、鹿児島北RCの「鹿児島市内分区ライラの報告」、鹿屋西RC池田会員の「誇りと友情をつくるリスボン国際大会への道」、俳壇、歌壇、柳壇では奄美RCの大野会員歌壇入選志布志RC西岡会員が何と三壇制覇、お見事!

2013年8月19日月曜日

2013年8月号のみどころ

 表紙は夏の歳時記、花火と祭り。どちらも一瞬の動きをフリーズさせた印象的な写真が採用されている。夏はやっぱり激しい動きが絵になる、なんて勝手に満足して本文へ。
 ロン・バートンRI会長のメッセージは今年度テーマに基づく会員増強の考え方。「忙しくて、成功していて、かつその貴重な時間をロータリーに奉げてくれる人」を求め、ロータリーが彼の人生に与えうる意義や充実感を示すことで入会を促そう。暇を持て余している金持ちを会員に取り込んでもロータリーの成長には繋がらないという事、かな?

 今月は会員増強及び拡大月間。目標達成の戦略として、退会者を減らすクラブの配慮女性と若い会員の勧誘強化 Eクラブや朝食例会等スタイルの違うクラブの立ち上げ。さらには、他地区にいる友人をその地区のクラブに紹介しようという「SAKUJI大作戦」によって、10万人達成の目標には及ばなかったが、減少傾向には歯止めがかかった。とのこと。会員増強のアイデアとして、海外では他クラブを学ぶための会長同士の交換退会者を招いて行う同窓会例会若いメンバーのために例会場に保育室を設けたり会費を下げたりヤングロータリーリーダー委員会で会員候補者と親睦を深める、等が報告され、国内でも若い会員の研修会の必要性が挙げられていた。当たり前のことだが、会員を増やすには、クラブに魅力がなくてはならない。ユニークな奉仕プロジェクトや勢いのある活動で地域社会の理解を得なくてはならない。クラブ活性化プランの実現が最優先すると思うが如何。また甲府RCの佐藤先生が面白い事を書かれていた。日本では「食事の時は黙って食べなさい。」が常識だったが、最近は世界の趨勢に倣い、食事をしながら話を楽しむのが常識、晩餐の食卓では身なりを正して、身近な話から高尚な理論まで耳学問で知識を増やすのが社交術だとか、世界共通の食事文化をエンジョイすることの中に会員維持のキーワードが隠されている。成程。

 次がリスボン国際大会の報告。オープニングは200を超える国旗の入場、「日ノ丸」と「君が代」はこの日平和の象徴として掲げられた。原爆、敗戦、復興を体験した日本人だから語れる平和の大切さ。それを世界中に呼びかけた田中作次会長年度の集大成。プログラムのすべてに「平和」というキーワードが織り込まれていた。二神編集長の報告の最後、『このリスボン大会では、派手なパフォーマンスはありませんでした。また日本人RI会長にちなんだ日本的出し物や演出もありませんでした。田中氏が「国境のない平和」と述べていた、その表れだったのでしょうか、その代わり、大きな戦争を経験し、戦後の何もない状態から平和で豊かな国に成長した日本について語った田中氏の話は、今、内戦や貧困で苦しむ国の人々にとって大きな励みになった事と思います。これが平和を希求する日本人RI会長にふさわしい、日本の話し方だったのかもしれません。』という文章に国際大会に於ける意義と感激のすべてが語られている。

世界に広がる国際奉仕の輪」では貧困、飢餓、識字率、水問題等様々な不安を抱える発展途上国で日本のRCが頑張っている様子が紹介されている。ようやく政情が安定したミャンマーで児童養護施設への支援を続ける高松北RC、飢餓に悩まされるフィリピン・ダバオの託児所への食糧援助を続ける倉吉RC、スリランカに70基もの井戸を寄贈した神奈川東RC、電気が通わないスリランカ・バブニアの山間部にソーラーの通電設備を贈った大阪天王寺RC、タイ3350地区とのマッチング・グラントで29の小学校に浄水器を贈り、その後水害に被災した浄水器を復旧させた日立RC、他の団体と協力してラオスの小学校に給水タンクを寄贈した郡山南RC、インフラがなく人力頼りのケニアに江戸時代盛んだった「上総掘り」の井戸を掘った東京広尾RC。どのクラブも現地で直接触れ合った子供たちの笑顔に感動し、その場限りの支援ではなく継続こそが彼らの未来を拓くと記していたのが印象的だった。次の「ロータリー希望の風奨学金現況報告」は当初東日本大震災で全国からよせられた義捐金の使途について、緊急の対応か将来を見据えての対応か物議を醸し、当地区では返還を求め、一部を除き地区の奉仕プロジェクトに転用したと聞いているが、災害の復興が遅々として進まない現状を考えると、結果的には残った11地区の義捐金で発足したこのプログラムの方に参加すべきではなかったかと考えさせられた。新しく始まった「Rotaryいま・・・」ではアジアの時代がやってきたとタイトルして、RI会長選任の歴史から、ロータリーが必要な地区からRI会長が出ると指摘し日本のロータリアンの自覚を促す結論となっている。

 縦組みに移って、「SPEECH」120年以上も昔の軍艦エルトウールル号遭難が切掛けとなった日本とトルコの友好について、和歌山県の小さな町串本町の先人たちが示した献身的な救助の記録と誇り高き外交。残すべき歴史は誰かが語り継ぎ後世の財産として残すべき、という田島町長の講演に何度も頷いてしまった。「ロータリーアットワーク」今月も当地区からの出稿は無し素材はあるのに、書き手がいない・・・

2013年7月17日水曜日

2013年7月号のみどころ

 2013-14年度になっての第1号、表紙はロン・バートンRI会長ご夫妻の和やかな記念写真とテーマの大写し?第1号としての訴求点はしっかり押さえているものの、定番過ぎてインパクトに欠ける。1ページに片岡信彦委員長の電子版発行についての紹介で、地区代表委員の役割が記されていたが、ガバナーの代理として内容の評価や地区情報の収集に当たるという点に関しては全く光栄の至り、自覚して任務に当たっているが、ご指摘のように任務との組織的整合性は極めて脆弱で今後の対応が必要と思われる。

 ロン・バートンRI会長メッセージは、ポリオ撲滅が愈々最終章にかかった事から、その教訓として、間違いなく私たちは、世界をより良い場所に変える事が出来ると述べ、今こそ全会員が真のロータリアンに変わる節目だとし、一人ひとりの潜在能力がロータリーを動かし自分自身の人生も豊かにする。これが「ロータリーを実践しみんなに豊かな人生を」の一番大切なところだ。と解説された。闇雲に増強を重視する規定審議会の方針と裏腹のような気もするが・

 STRAIGHT SHOOTER (一徹な人)とタイトルされたロン・バートン新会長の紹介は、幸せを絵に描いたようなファミリーと穏やかな風貌。何より大切なのはパートナーシップ、特にジェタ夫人の支えが今の自分をつくってくれた、と語り、自分の家族がロータリーに関わることこそがロータリー家族を世界中に広げることになり、それこそがロータリー家族なのだ、と明言した。また穏やかな物腰に隠された一徹さの面では、妥協を許さない倫理観について、オクラホマ大学財団理事長在任中、徹底した資金管理で使途不明金は1ペニーもなく、退職から5年経っても当時の部下が全員残っていることを誇りとして伝えた。

「ガバナーの横顔」は昨年から紹介の仕方が人間性中心の文章に変わり、面白く拝読した。確かにロータリーは人材が豊富。アイデンティティ溢れるガバナーが日本中におられる。我が2730地区の大迫三郎ガバナーも例にもれず、「磨かれたいぶし銀」と表現されていた。家族を愛し、家族のサポートで任務を全うする「職業奉仕」一途なガバナー。アレッ、ロン・バートンRI会長と似ている。
 続いてRI松宮剛理事のメッセージ、規定審議会が、「会員増強につながる」と「弱いものいじめはいけない」という会場の空気に支配されていた。という報告は興味深く、「職業人としての成熟とそれに伴う誇りを獲得する事の大切さは、ロータリーにあっては揺るぐ事のない核心であり続けるでしょう」という最後の言葉が切実な願いに感じられた。同じくRI北清治理事は情報発信機能の充実を取り上げ、正しく整理された情報こそが次代を担う若者を惹きつける魅力的なクラブの創造に繋がるとされた。
 米山記念奨学会の板橋敏雄理事長はロータリー世界平和フォーラムでの米山学友の活躍を紹介し、事業紹介DVDやホームカミングを活用して直に米山学友の話を聞いて欲しいと呼び掛けた。これはロータリー世界平和フォーラムで小生も直接目にしたが、この大会での若者のパワーとコミュニケーション能力は素晴らしく、まさにロータリーの新しい形を見る思いがした。またロータリー文庫の戸田一誠委員長は2万点を超す文献資料を収蔵するロータリー文庫は宝の蔵。「ロータリー日本100年史」の編纂のための資料というだけでなく、会員が積極的に活用して初めて「宝の蔵」として輝く、HPからでも是非利用して欲しいとされた。

 次が8ページを割いた「平和はあなたから始まる」世界平和フォーラム広島の報告。田中作次RI会長の平和への思いが見事に結実した。というより恒久平和の感動的な起点となったというべきか・・。二神編集長が書いておられる通り、このイベントは従来のロータリーの会合と異なり、若者の姿が圧倒的に多く、しかもそれらの若者が運営し、発表し、討論する場が準備されていた。「プレフォーラム・ワークショップ」(ポール・ハリス・ランチョンミーティング)。そして何より感動したのは開会式と全体フォーラムであった2つの講演。一つ目は国連CIFALのアレクサンダー・メヒア氏の講演、49人ものロータリアンが国連憲章の草案に関わった事、教育、科学、文化を促進するために行ったロータリーの取り組みがユネスコの前身である事、ポリオプラスも然り、60年以上、国連の最も信頼されたパートナーとしてロータリーがあることを紹介した後、最後にシェルドンの「最も良く奉仕する者、最も多く報われる」で締めくくった。二つ目がANT-Hiroshima理事長の渡辺朋子氏の講演。航空写真で見る街は模型のようで人の気配がない。人々の営みも夢も未来も見えないのが戦争の視点と指摘、「そこに人がいる」を常に意識することが大切で、戦争と平和、破壊と再生、悲劇と希望、相反するこの二つ広島の体験は、世界の人々に、私たちは変わる事が出来る、未来を変える事が出来ることを示し、憎しみを持ったまま人生を贈るより、忘れないがすべての過去を許していくことで過ちを繰り返さない礎にしたいと訴えた。

 縦組みは「この人この仕事」がなくなり随分物足りなくなったが、その分、投稿記事が多くなり会員交流誌としての意味合いが増した。となると当地区の応募の貧弱さが目立ち、地区委員としてはその使命に目覚めねばならない。因みに今月は歌壇への奄美クラブ大野貢会員の1点のみ。頑張ります。

2013年6月18日火曜日

2013年6月号のみどころ

 日本人の記憶から消してはならない風景。対象的な2点の写真が表紙で紹介されている。かたや日本古来の杉の直線美。安価な輸入材に追われ、蔦が木肌を覆い隠し「放置杉林」と化した。かたや住吉神社の御田植神事。田畑から姿を消した凛々しい牛の姿が継承すべき文化として再現されている。奇しくも田中作次RI会長が選んだ国際大会の開催地は、わが鹿児島と470年に亘り親交を深め、日本の文化に歴史的影響をもたらした地消してはならない友愛の原点であろう。

 今月は親睦活動月間。国際大会では友愛の家にたくさんの親睦活動グループがブースを出し、ロータリアンとしてのもう一つの楽しみ方=クラブ単位では体験できないロータリーワールドが紹介されている。共通の趣味、関心事を持つロータリーファミリーが地区を越えて世界中から参加し、事業によってはメイクアップも認められているとか。ロータリーという組織は関われば関わる程、奥が深く新しい発見があるものだと感じた。次が「地域社会とともに」最近特に地域への貢献と地域社会の認知が重要視されるようになり関心を持って読んだ。多治見RCの「よろず相談室」。様々な専門分野の職を持つロータリアンがカウンセラーとなり全員参加で取り組み、FMやCATVを通じて地域に広報するという、将にお手本のような活動、阿南RCの「小学生1輪車大会」長崎東RCの「小学生英会話の集いこれは青少年奉仕としての取り組み。鹿児島サザンウィンドRCの「障害者バスケットボール大会」堺フェニックスRCの「在宅医療の講演会これは障害者や高齢者への奉仕活動、いづれも募金活動や備品の寄贈、市民へのPRなど公共イメージの向上といった側面を持った素晴らしい奉仕プロジェクトとして紹介されていた。また今までにない面白い取り組みとして、尾張中央RCの「古典の日に絡めた詩吟かるた会。ないがしろにされてきた言葉の魅力に着目し日本文化の見直しを指向する試みには諸手を挙げて賛同したい。またEクラブは何処に居住しても会員になれるという特性を活かして、各会員所在地で携帯電話のルールやマナーを学ぶ「ケータイ安全教室を実施、クラブ事業の新しい形を提案した。更に多治見RCは「婚活プロジェクト小豆島RCは「小豆島パワースポットのリーフレット作成によって、今の時代(ブームや流行)を念頭に置いたユニークな事業で市民へのコミュニケーションを仕掛けた。奉仕のアイデアが枯渇する事は無いと痛感した。

 規定審議会のリポート、例会の隔週開催は否決。例会こそが親睦と学習の場と教えられた私には、2回より4回の方が出席できる機会が多いと言う事で納得。ただ会員身分の存続が例会出席以外にクラブの奉仕プロジェクトへの参加で代用できるという記述の追加には「?」。会員資格では専業主婦」の入会が認められた。果たして主婦は専門職だろうか?主婦の社会奉仕への参加は職業奉仕を基軸とするロータリークラブでなくともいいと思うが如何?後、衛星クラブ(ロータリークラブ予備軍)の承認、Eクラブの規制緩和、新世代奉仕の青少年奉仕への呼称変更、人頭分坦金の増額、地区の最小単位が1200人から1100人に変更、等々が可決されたが、会員数10人未満の極小クラブを多く抱える当地区として特筆すべきは、1クラブが支払う人頭分担金の最低額が撤廃される等、小さなクラブへの配慮が見られた事だろう。最後に二神編集長が書かれていた通り、クラブが自分たちで立法案を提出できるよう、もう一度様々な規定の見直しを図る必要がある。立案を促すため当地区では、地区組織に「規定審議会議案提案委員会」の新設が決議された。

Rotary Moment」は毎号感動していた欄で今回での終了はちょっと残念な気がする。最後を飾った山口南RC加藤さんの言葉「事業を通じて感じたのはロータリーの寛容の精神。他人をとやかく言うのではなく、自分を磨く事、懐の深さである。ロータリアンとして生き続けることが事業の継続、発展に繋がる。」またまた感激してしまった。

 縦組みの頁に移って、「SPEECH」軍事評論家 田岡俊次さんの「国境なき平和」を考える。で共感したのは、グローバルな流通が日常化すると、農業時代の経済の反映である領土、国境はほとんど無意味となり、領土の大小は国力と無関係になるということ。第二次大戦後、目覚ましい復興を遂げたドイツ然り、「属領はすべて捨てるべし」と小日本主義を唱えた石橋湛山氏の日本然り、ソ連崩壊後14カ国が分離独立、半分以下の領土になったロシアはGDPで2,64倍にも拡大したと記述されている。餌場めぐって争う動物のように、似非愛国者が唱える「寸土も譲らず」のお題目も、流行りの「毅然とした対応」も紛争の解決にはならないことは明白であろう。今、国境なき平和の旗印を掲げるロータリーが理性を示す時、世界平和のためにロ―タリアンが果たす役割は大きい

この人、この仕事」この欄も今回で終了とか。素晴らしい文章と写真が魅力。最終回もテーマは「」。愛なくしてなにがロータリー、なにが職業奉仕ぞ、とアメリカの軍医と大名家の令嬢の愛の物語を語り、これぞロータリアンと感激させる。上手いなぁ・・エンディングは奥様の誕生日にサプライズで津軽鉄道の車両を借り切って行ったバースデイパーティ。「二人で築いた幸せ」を乗せて貸し切り車両は津軽平和を走った。また感涙

2013年4月17日水曜日

2013年4月号のみどころ

「城には桜がよく似合う」まさにその通りの写真が4月号の表紙を飾っている。今年の桜は全国的に開花が早く、宴の準備が間に合わず花見の盛り上がりに欠けた観がある。花見と言えば桜が一番。梅、桃、菜の花、つつじもあるのに、やっぱり桜が一番なんてことを考えていると田中作次RI会長の面白いメッセージが目に付いた。イチバンと言う言葉、頂点を極めた田中会長じゃなくとも、我々日本人は一番という言葉をよく口にする。尊敬も感激も歓喜も、「ここぞ」という時は「イチバン」。♪あんたがイチバン、わたしはニバン、ハ ドンドン♪という唄もある。

今月は雑誌月間ということで「ROTARY WORLD MAGAZINE PRESS」30誌の顔が紹介されていた。ひとつ一つ丁寧に見ていくと、それぞれにお国柄がでていて興味深い。ペルー、ブルガリア、チェコ、ドイツ、イタリア、インド、台湾・・・イギリスはやっぱりイギリスだ。「友」の活用法として①事業企画の知恵袋として②意識向上のテキストとして③横組みでRI情報とその日本的対応、縦組みで全国の交流を図る。更にロータリーを地域社会にPRする雑誌という機能もあると感じた。

「OPERATION POLIO」ではナイジェリアへ行くインドの外科医、19人の医師と6人のサポーターがすばらしい写真構成で紹介されていたが、イチバン感動したのは誤った情報や噂に惑わされてワクチン投与を拒む地域に、同じ貧困と非識字に苦しむインドから忍耐強く手が差し伸べられていること。『インドが出来たのだからナイジェリアもできるはずです、』という言葉には説得力があった。

「田中作次RI会長in Japan」は日本での休暇期間中も寸暇を惜しんで飛び回っておられる様子が報告されている。その中で東日本大震災から未だに避難生活が続いている飯館村でのメッセージ「豊かな国だけではなく、貧しい国々からも多くの支援が寄せられている。それを遡ってみると以前に日本の人たちに助けてもらったという思いがある。被災地の復興は例外なく世界の120万ロータリアンの願い」はこころを打った。

縦組みのページに移って「SPEECH」先月に引き続いて「日本人のこころ」の分析だったが、宗教学者の山折哲雄氏、小見出しに日本の「もてなし」、それが「独座独服」であり、「出迎え三歩、見送り七歩」とあったが・・・?よく解らないまま読んでいくと「夕焼け小焼け」という童謡に仏教の根本がすべて含まれているとか。夕焼けの彼方に浄土を思い、叡山、高野日本仏教の山のお寺の鐘に無常の響きを感じ、「帰去来」、カラスと一緒に浄土に帰る。確かに仏教の根本、浄土観、無常、共生の三つとも謳いこまれている。更にこの気持ちで日本の「もてなし」を見れば来客のお迎えは三歩の気持ちで余裕を持って、お見送りはお帰りになる後ろ姿を七歩の気持ちで思い遣る、という事。井伊直弼は「出迎え三歩、見送り七歩」の茶席の後、独り戻って、今去って行った人の事を思い続ける。これを「独座独服」と書いているとか、人との出会いが終わった後に始まる「もてなし」、それが究極の奉仕であり、その根本にあるのが思いやり。確かに日本の「独」と西欧の「個」は似て非なり。相手を思う事が「独」ということか。

2013年3月26日火曜日

2013年3月号のみどころ

 表紙のひな飾りは圧巻。都会では最近段飾りが姿を消し、内裏雛だけのコンパクトなひな飾りが主流と聞くが、わが地区(鹿児島・宮崎)では表紙ほどではないが昔から伝わる段飾りを祖母、母の分まで引っ張り出し、部屋いっぱいに飾る旧家が増えている。町内で持ち寄って公民館などで集合展示し、みんなで祝うというイベントも企画されている。昔を見直す事が日本人の自覚に繋がる。歓迎すべき風調だろう。と独り納得して本文に入ると、田中作次RI会長がまた良い事を言っている。「行った先々でお目にかかる人から学べる事がある」。青少年交換プログラムの意義は、大国に迎合する事ではなく、お互いの文化を尊重し学び合う事で心の交流を築く事だ、と。

 最初の特集は「新地町を見つめて」。ロータリー平和フェローのカメラマンが、被災地に通い、交流の中から写し取った報告。マスコミが作りだした悲劇の映像ではなく、忍耐強く、前向きで気高くすらある映像。初日の出に明日を見つめる祈りの目。不自由な中でも逞しく暮らす人々。福島は津波を受け、放射線に襲われても懸命に生きている。写真に写った住民の目は希望を失ってはいない。「あの日から」は辛くて書けなかった被害の生々しいドキュメントを記載し「復活のための復活」として陸前高田RCの活動開始を位置付けている。識字率向上月間(RI6つの重点項目)の事業紹介として紹介されていた。

フィリピンで根付くCLP方式授業」。全く勉強不足で、児童教育はすべて教師の指示で行われるものと思っていたが、児童の独自性に任せ、ゲームや歌も使いクラス全体ではなくグループで討論させ協力しあって学習効果を高める。そして何より授業がすべて習得目標言語で行われる。といった方式がある事を知った。目から鱗のプロジェクトだと感じた。ロ-ターアクト週間で、各地区で活動目標が見えないという声を聞く中、様々な活動が紹介されていた。特に「歴史の目撃者たち」に紹介されていた高齢者と時間を共にする活動には感動した。高齢者が「自分たちはまだ社会で必要とされている」と感じる事が高齢者福祉の原点だと確信する。写真も表情が活きていて上手い。

 次が会長エレクトRON BURTON 氏の紹介。『ロータリーを実践し みんなに豊かな人生を』というテーマの背景にある「ロータリーに真に打ち込めば人生は変わる」と「ロータリーなら政治も宗教も異なる人同士が親睦出来る」という主張。RIは34000のクラブの集合体以外の何物でもないというクラブ重視の姿勢はストレートで解り易くていい。ポリオ撲滅はホントにこの会長の年度で完遂するかもしれない。

 縦組みの頁。子供の頃、客間で両親が大事に使っていた鎌倉彫。その伝統を守る後藤圭子鎌倉RC会員の紹介。懐かしく拝見したが、家業を存続させる事自体が職業奉仕=社会奉仕だという記述には納得させられた。「卓話の泉」酒の起源も「刹那、劫」の蘊蓄も面白かったが一番嵌ったのが「SPEECH」静岡県立大の本田悦郎教授の「日本人のこころと平和」。平和を築くためには文明とそれを担う日本という国家を愛する精神が必要という講演内容。日本の平和が守られてきたのは平和憲法があったからじゃなく米ソの核の恐怖であり、否定形でしか表現されない自由(束縛されない)や平和(戦争が無い)に意味はない日本文明の本質=心の中にある神(誠の心)を強い意志として紛争国に伝える事が「抑止力」として日本を救うという意見。本当に日本に生まれて良かったと思えるような誇り高き国家をみんなで築いていくことがの日本の平和を維持することになる。リポートの初めに戻るが、表紙のひな飾りへの愛着や田中RI会長の弁、お互いの文化を尊重し合い交流することが平和の原点。に通じる。

2013年2月19日火曜日

2013年2月号のみどころ



 やっぱり表紙から、合掌造りの巨大な民家に降る牡丹雪。3段の窓明かりに暖かい大家族の営みが見える。フォーカスを窓明かりに設定してあるので牡丹雪は綿のように優しい。陶酔の世界と解説されていたが、よく解る。もう一枚は氷のオブジェ越しの富士山。雪を被って尚、くっきりと山肌が見える冴えた富士に薄いブルーの氷柱を合わせる。凛々しい。

 この表紙の温もりと凛々しさを胸に本文に目を通すと、田中作次RI会長のメッセージ「超我の奉仕に国境はない。超我の奉仕が生み出す希望が広がった土地から平和が芽生える」正しく温もりと凛々しさに満ちた言葉が巻頭を飾っている。ついで『異文化との出合い』青少年交換プログラム、米山奨学生の受け入れ、国際奉仕プロジェクト等々、世界理解月間の特集として、日本各地のクラブの活動が紹介されている。異文化との出逢、感動がお互いの理解を生み、素晴らしい国際関係に育つという事、どのスナップにも奉仕される側だけでなく、奉仕する側にも笑顔が溢れている『VOICES for PEASE』ロータリーの平和推進運動の流れを紹介したページ。平和という漠然とした概念でしか理解していなかったが、ここに連綿と綴られたロータリーの平和運動との取り組みには驚かされた。第1次大戦で果たした平和の調停者としての役割を皮きりに、国際平和会議、綱領への明記、捕虜の救援、第2次大戦での160本の反戦記事掲載、UNESCOに発展したロータリーの平和計画会議、国連憲章にもロータリーが関わっていた。現在は国際紛争の解決と平和のためのポール・ハリスセンター=ロータリーセンターが新しい指導力の発掘をめざして活動している。ポール・ハリスが始めた相互扶助と親睦の組織がその遺産として世界の平和を希求する精神を残した。『私が考える平和の』のページに平和とは戦争と戦争の間を言うとあった。平和は勝ち取るものだという考え方に共鳴はするが、ちょっと悲しい。世界中が理解しあえて、自分のためじゃなく他人のためになる事を考えることができたら紛争など起きないと思うが・・

 もう一つ印象に残ったのは『心は共に』に掲載されていた「ともだちin名取」の復興支援イベント。田植えから稲刈りまで長いスパンで地域の支援活動団体を支援した名取RCの活動に敬服した。「小さな支援」と謙遜されていたがとんでもない。どんなに金を掛けたイベントより心に響いた。田んぼから感謝のメッセージを送り、最後は米を収穫するという企画だが、みんなで力を合わせるという事に意義がある。素晴らしい。

 縦組みのページでは、『この人、この仕事』(株)ハニーズの江尻義久社長のインタビュー記事が面白い。江尻語録とも言うべきユニークな格言?の連発。曰く「お金がどんどん余っていくんです」「婦人服には鮮度が大切」。本社を東京に移したら?という問いの答えが「二時間かけて東京に行くと、ものが新鮮に見える、地方にいる事の利点です」。経営危機を乗り切った話で「行き先さえ決まってれば、間違った道を選んでも最終的には目標地点に到達できる」。因みにお気に入りのCDは陽水の「夢の中へ」だとか、納得。

 最後に今月号には当地区の地区大会の略報が掲載されている。紹介photoとして送付した数点のなかから友愛の広場での古武道が選択された。他地区の報告も拝見したが、それぞれに特徴が出ていて面白かった。編集部のセンスに拍手。


2013年1月30日水曜日

2013年1月号のみどころ



まず表紙から、声を掛け合って飛び立つ白鳥、水しぶきに反射する光が逞しい生命力を感じさせてくれる。もう一枚は氷の森の幻想的な風景。冬もいいもんだと感動頻り。今月号はロータリーの友創刊60周年とロータリー理解推進月間の特集。戦略計画の優先項目に上げられる公共イメージと認知度の向上に友は大きく貢献していると田中RI会長も書かれていたが、確かにどんな参考書より、どんな専門書より「友」は役に立つ。年度ごとではなく月の特集毎に整理すれば活動の経緯も意味も一目瞭全、将に「友」が朋友になる。因みに一番好きな表紙は昭和47年1月号、縦書きと横書きになった時の陣羽織。入会する遥か前の発刊で現物を見たことはないが素晴らしいの一言に尽きる。また『この10年を振り返って』で歴代の委員長が話しておられたが、ウインドウズによる編集のコンピューター化とか、フリーのライター、カメラマンの起用とか、事務所の法人化とか、より深く地区委員の意見を聴くためのゾーン会議とか、グラビア誌的な写真の活用とか、解り易いというより面白い雑誌を作るためのご苦労が覗える。10万部を発行する大雑誌にふさわしい紙面だと感じるし、ロータリアンの育成にも寄与している事は間違いない。

『新しいロータリーを知る』ではThe Object of Rotaryの日本語訳が「綱領」から「目的」に改訂され、本文も分かり易くなったことが紹介されている。大事なのは付記に明記された「ロータリーの奉仕は別々の奉仕として活動するものではなく同時に機能的に行動するもの」という1951年以来の4大奉仕の連携がRI理事会の意見として記されている事だと思う。ロータリーの原点「職業奉仕」の概念が希薄になったと見る向きもあるが、全ての奉仕の核に職業奉仕があるという点ではロータリーは変わっていないと感じる。

次のRally to the finish』は「THE ROTARIAN」からの転載だが、写真の処理が上手い。アングルといいトリミングといい凄く印象的でインパクトがある。

縦組みのページに移ってSPEECH』「好奇心は人生の栄養」という作家の武田真砂子氏の講演。好奇心を煽るディズニーランドのプロ集団。いざという時スタッフが独自の判断で動けるという危機管理の見事さが紹介され、次いで子供たちから好奇心を奪った教育の矛盾を糾弾。さらには死と向き合い、死をより深く知ろうとする被災地の少女の好奇心も同じ好奇心だと指摘された。好奇心で人生を生きるわが身を思い、逐一共感した。最後に今月号ROTARY AT WORKに当地区都城北RCの自殺予防週間街頭啓発キャンペーンが掲載されている、これに倣い独自の奉仕活動を展開しながらアピールしない他クラブの投稿を促したい。PRこそ増強の有力手段だと思う。