『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2013年6月18日火曜日

2013年6月号のみどころ

 日本人の記憶から消してはならない風景。対象的な2点の写真が表紙で紹介されている。かたや日本古来の杉の直線美。安価な輸入材に追われ、蔦が木肌を覆い隠し「放置杉林」と化した。かたや住吉神社の御田植神事。田畑から姿を消した凛々しい牛の姿が継承すべき文化として再現されている。奇しくも田中作次RI会長が選んだ国際大会の開催地は、わが鹿児島と470年に亘り親交を深め、日本の文化に歴史的影響をもたらした地消してはならない友愛の原点であろう。

 今月は親睦活動月間。国際大会では友愛の家にたくさんの親睦活動グループがブースを出し、ロータリアンとしてのもう一つの楽しみ方=クラブ単位では体験できないロータリーワールドが紹介されている。共通の趣味、関心事を持つロータリーファミリーが地区を越えて世界中から参加し、事業によってはメイクアップも認められているとか。ロータリーという組織は関われば関わる程、奥が深く新しい発見があるものだと感じた。次が「地域社会とともに」最近特に地域への貢献と地域社会の認知が重要視されるようになり関心を持って読んだ。多治見RCの「よろず相談室」。様々な専門分野の職を持つロータリアンがカウンセラーとなり全員参加で取り組み、FMやCATVを通じて地域に広報するという、将にお手本のような活動、阿南RCの「小学生1輪車大会」長崎東RCの「小学生英会話の集いこれは青少年奉仕としての取り組み。鹿児島サザンウィンドRCの「障害者バスケットボール大会」堺フェニックスRCの「在宅医療の講演会これは障害者や高齢者への奉仕活動、いづれも募金活動や備品の寄贈、市民へのPRなど公共イメージの向上といった側面を持った素晴らしい奉仕プロジェクトとして紹介されていた。また今までにない面白い取り組みとして、尾張中央RCの「古典の日に絡めた詩吟かるた会。ないがしろにされてきた言葉の魅力に着目し日本文化の見直しを指向する試みには諸手を挙げて賛同したい。またEクラブは何処に居住しても会員になれるという特性を活かして、各会員所在地で携帯電話のルールやマナーを学ぶ「ケータイ安全教室を実施、クラブ事業の新しい形を提案した。更に多治見RCは「婚活プロジェクト小豆島RCは「小豆島パワースポットのリーフレット作成によって、今の時代(ブームや流行)を念頭に置いたユニークな事業で市民へのコミュニケーションを仕掛けた。奉仕のアイデアが枯渇する事は無いと痛感した。

 規定審議会のリポート、例会の隔週開催は否決。例会こそが親睦と学習の場と教えられた私には、2回より4回の方が出席できる機会が多いと言う事で納得。ただ会員身分の存続が例会出席以外にクラブの奉仕プロジェクトへの参加で代用できるという記述の追加には「?」。会員資格では専業主婦」の入会が認められた。果たして主婦は専門職だろうか?主婦の社会奉仕への参加は職業奉仕を基軸とするロータリークラブでなくともいいと思うが如何?後、衛星クラブ(ロータリークラブ予備軍)の承認、Eクラブの規制緩和、新世代奉仕の青少年奉仕への呼称変更、人頭分坦金の増額、地区の最小単位が1200人から1100人に変更、等々が可決されたが、会員数10人未満の極小クラブを多く抱える当地区として特筆すべきは、1クラブが支払う人頭分担金の最低額が撤廃される等、小さなクラブへの配慮が見られた事だろう。最後に二神編集長が書かれていた通り、クラブが自分たちで立法案を提出できるよう、もう一度様々な規定の見直しを図る必要がある。立案を促すため当地区では、地区組織に「規定審議会議案提案委員会」の新設が決議された。

Rotary Moment」は毎号感動していた欄で今回での終了はちょっと残念な気がする。最後を飾った山口南RC加藤さんの言葉「事業を通じて感じたのはロータリーの寛容の精神。他人をとやかく言うのではなく、自分を磨く事、懐の深さである。ロータリアンとして生き続けることが事業の継続、発展に繋がる。」またまた感激してしまった。

 縦組みの頁に移って、「SPEECH」軍事評論家 田岡俊次さんの「国境なき平和」を考える。で共感したのは、グローバルな流通が日常化すると、農業時代の経済の反映である領土、国境はほとんど無意味となり、領土の大小は国力と無関係になるということ。第二次大戦後、目覚ましい復興を遂げたドイツ然り、「属領はすべて捨てるべし」と小日本主義を唱えた石橋湛山氏の日本然り、ソ連崩壊後14カ国が分離独立、半分以下の領土になったロシアはGDPで2,64倍にも拡大したと記述されている。餌場めぐって争う動物のように、似非愛国者が唱える「寸土も譲らず」のお題目も、流行りの「毅然とした対応」も紛争の解決にはならないことは明白であろう。今、国境なき平和の旗印を掲げるロータリーが理性を示す時、世界平和のためにロ―タリアンが果たす役割は大きい

この人、この仕事」この欄も今回で終了とか。素晴らしい文章と写真が魅力。最終回もテーマは「」。愛なくしてなにがロータリー、なにが職業奉仕ぞ、とアメリカの軍医と大名家の令嬢の愛の物語を語り、これぞロータリアンと感激させる。上手いなぁ・・エンディングは奥様の誕生日にサプライズで津軽鉄道の車両を借り切って行ったバースデイパーティ。「二人で築いた幸せ」を乗せて貸し切り車両は津軽平和を走った。また感涙