『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2011年5月18日水曜日

2010年10月号 感想

職業奉仕月間の特集として組まれた「職業奉仕の神髄を探る」は、極めて興味深く熟読させて頂いた。私の所属するクラブで行われているロータリーについての学習会や研究会では、テーマが「職業奉仕」となると意見がほとんど出ない事が多く、「自分の職業を貫き、余裕があったら社会に還元する。ただそれだけのことだよ。」とか「社会奉仕は社会に奉仕する、職業奉仕は職業に奉仕する、自分の職業に誇りをもって働くことだよ。」といった漠然とした話以上の進展はなく、「四つのテスト」に至っては、その有用性は理解しつつも、上っ面の唱和だけで内容を掘り下げて議論することなどなかった様な気がする。そんな中で伊丹RCの深川パストガバナーの論文は、世阿弥の「初心忘るべからず」を引用して不変であるべき職業倫理を説き、東京東RCの故佐藤千壽パストガバナーの経営理念を例にとって、「会社は社員のものであり顧客のものである。公正をゆるがすいかなる圧力にも屈しない」という職業奉仕の本質を教示され感動させられた。またダレル・トンプソン氏の「四つのテスト その由来をひもとく」では、四つのテストの言葉のひとつ一つが、ビジネスという熾烈な競争社会を生き抜いてきた生きた言葉で、目標が非現実的とする反発を説諭するに足る解説だった。
縦組みの巻頭SPEECH「キリマンジャロの雪が消える」は9月号と違った観点から水問題を取り上げたもので、立正大の高村名誉教授は、環境への人間の関与が「過ぎたるは及ばざるが如し」になっている。対症療法的な対応では自然の生態系を脅かすと警告。教授の「水が必要なのは人間だけではない」という言葉は世界中を肯かせると感じた。
この他『言いたい 聞きたい』の仙台RC大島達治会員の「お蔭さま」の提唱、『友愛の広場』の大阪金剛RC井出俊一会員の「ロータリーバッジのすばらしさ」には、奉仕の理念の日本人らしい解釈を感じ共感させられた。『ROTARY AT WORK』では行田さくらRCの「全会員の作品集『我等の生業』を発刊」や米子南RCの「里山づくりに汗を流す」。6万平米の山林をクラブが確保した記事が興味を引いた。また今月号には当地区のライラが紹介されていた。やはり身近な話題が掲載されると友誌も身近に感じる。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好