『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2011年5月18日水曜日

2011年1月号 感想

 ロータリー理解推進月間の特集「故きを温ね、新しきを知る」は、ロータリーを方向づけた二人の先駆者、ポール・ハリス、アーサー・シェルドンについて、その系譜が非常に分かりやすく、エキスのみでまとめられていて、まさに 「故きを温ね、新しきを知る」だと感じた。勉強不足で未だ「ロータリーとは何か?」の問いに答えられない浅薄なロータリアンとしては、一からロータリーを考え直すいい機会になったと思う。ポール・ハリスのいう倫理則男君、商売努君、博愛均君、どれもが否定出来ない三者三様の考え方、中道をいく博愛均君をごり押しせず、三者の共存の中で常に語り合っていくのがロータリーなのだと勝手に理解した。この事は「超我の奉仕」という倫理則男君的発想と「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」という商売努君的発想の両方がロータリーの標語として採択されている事にも通じるようである。この項でクリンギンスミスRI会長が述べておられる「ロータリーの中核となる価値観の一つは親睦であること、そして私たちは皆、自分が良く知り、信頼できる人とのビジネスを好む。」という言葉にも肯かされた。さらに「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」の背景にはシェルドンの「利益を得たいという動機と奉仕の精神とは調和させることができる」という倫理感があり、「職業奉仕」を第一義とする他に類を見ないロータリー理念の成り立ちが理解できた。
 『ロータリー研究会リポート』では来年度からRI広報補助金が増額になるという報告があり、予算不足に喘いでいた地区の広報活動に光明をみいだした。またRI会長ノミニーに決まった田中作次氏の言葉「私はいつもロータリーのバッジをつけています。このバッジは私のお守りであり、これを着けている時は悪い事ができません。この一つのバッジが私という個人を守ってくれると信じているからです。」にノミニ―の素敵な人格をみた。
 縦ページ 巻頭、ユネスコの松田昌士氏のSPEECH 「日本の心」は全く同感、「自分の国の歴史を大事にしないで、どうして新しいものを見つけることができようか」「他人の国の言葉を知らないことは恥でも何でもない、外国人は日本語を知らないのだから」という指摘には喝采をしてしまった。日本を救う道は日本人が日本人であることに誇りをもつことだと改めて痛感した。素晴らしい人選だと思う。「この人、この仕事」の29歳のロータリアン、熊本の弁護士、本田悟士氏もいい、「偽善を繰り返しているうちに本当の「善」ができる」って凄い言葉だと唸り、61歳のこの身が恥ずかしくなった。
 「ロータリーアットワーク」 今月は美術や写真、音楽といった芸術との取り組みが目立った。福岡の「ロータリー美術展」有田の『RC写真展』などロータリアンの多趣多様ぶりを窺い知ることができてうれしくなった。今後もこういった方面の紹介が欲しい。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好