『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2011年5月18日水曜日

2010年11月号 感想

 RI会長メッセージの「私は、自分がロータリー財団の産物であることに誇りをもっています」という言葉に感銘をうけた。財団の活動の意義や成果がこの一言に凝縮されていて、アフリカ支援という意識の上で遠い命題も血の通ったメッセージとして伝わった。
 ロータリー財団月間の特集は、DDFやWFが何たるかも分からず寄付集めの委員会とクラブ内で認識されている通り、補助金の申請が複雑で使いたくても使えない現況の中で、地区のプロジェクトに地区の判断で資金支援ができる「未来の夢計画」は、まだ試験期間という事ではあるが、興味と期待をもって読ませていただいた。また「ポリオの第二の行為」は克服された病気だとされてきたポリオに第二の不安が起きている、という報告で、ポリオの再発ではなく、ポストポリオ症候群が生存者の半分以上を襲い、人生を危うくされている現状が紹介されていた。かなりショッキングな報告ではあるが、賛否両論ある2億ドルのチャレンジを強力に後押しする意義ある報告かと思われた。RI指定記事の「GLOBAL OUT LOOK」ロータリー入門にソーシャルメディアが紹介され、めまぐるしく進化するITについていけない地方のロータリアンにとっては有難い記事だと感じた。無意識に書き込んだ個人情報が悪意に利用される事もあり、情報管理の杜撰さに警鐘を鳴らすものでもあった。
 縦組みの巻頭「SPEECH」 桐朋学園の木村俊光教授の「共存共鳴」は音楽現場で顕著な日本人とドイツ人の価値観の違いについて書かれていて非常に面白かった。まさに同感、自分を持たない日本人に危機感をもった。「この人この仕事」の山田さん。ほとんどの人が関心すら持たないステッキを扱う専門店のオーナーだが、「持っているだけで誇りをもてるステッキは、身体を支えると同時に精神をも支える」この言葉に感動させられた。さらにこの山田さんがポストポリオ症候群を抱え、ポリオ撲滅の様々な運動に関わっておられると知ってもっと驚いた。まさしく友誌の紹介通り「おしゃれな女傑」である。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好