『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2011年5月18日水曜日

2011年5月号のみどころ

東日本大震災でいち早く動いたロータリー

●5月号の特集はロータリーの多様性を知る
無理せず突っ張らない20代~30代前半の若いロータリアンと
無理も勉強のうちと突っ張ってきた若い頃の古いロータリアン
●ガバナーメッセージに伊藤学而ガバナー登場
●タイガ―マスク運動の2つの見方
 

『今、世界は』でJICAの米川さん、『友愛の広場』で横浜RC吉田さん
●素晴らしいの一言に尽きる米山学友会
米山学友23のケビンさんと巻頭SPEECHの姫軍さん
※ 保存版『ロータリアンのための新世代入門』も必見
縦組みページも身近な話題満載

2011年5月号 感想

 表紙の写真からじっくり鑑賞する癖がついた。今月は山つつじ越しに見る富士山。絵画のように隙のない出来過ぎの構図も霊峰には許される。中景になる金ケ岳の配置が絶妙、などと悦に入って裏を返すと屋久島の風景。幻想的な霧に浮かぶグリーンを杉木立のシルエットが引き締め、数千年の時を感じさせる。
 RI会長メッセージは相変わらず上手い。「Show and tell」 たくさんの人に見せて自慢できるものを持つ事の素晴らしさに納得。ニューオーリンズへの誘いの文章だが、行ってみたくなったのは、私だけではないと思う。
 今月は若いロータリアンと若かった頃のロータリアンの特集、若い事に戸惑いながらもしっかりと自分のポジションを見つけている若い彼らには、無理や突っ張りは見られない。ロータリーの魅力は、幅広い年齢層が同じロータリアンとして尊重し合うこと。そしてその中で人を覚り、学べることだと感じている。これに対して、若かった頃のロータリアンはみんな結構無理をしている。大先輩から薫陶を受け、まずロータリーとは何か?職業奉仕とは何か?全く分からないままに走り回り、何度もやめようかと思いながら自力でロータリーの面白さに気付いた世代、どちらもいいと思う。
 次が『その時・・ロータリーはいち早く動いた』 東日本大震災で沖縄県から医療支援に参加された倉内さんの報告、「現地に悲壮感なく、地元の人々が結束し再び立ち上がろうとする強い気持ちが溢れている」という印象に感動を受け、自己満足に終わらない役立つ支援のありかたを考えさせられた。もうひとつ感じたのは、ロータリーの行動力とネットワークの凄さ、日本各地のRCが被災地の地区、クラブと連絡をとり、今必要な支援をいち早く形にして現地に送るという活動が展開されている。壊滅的被害をうけ復旧の予測が立たない今回の災害支援には、長期に渡る継続的な支援が必要となる、ロータリーのネットワークが今こそ機能すべきである。と考えながら次を読むと、『タイガーマスク運動』について、国連難民高等弁務官事務所やJICAでアフリカの平和構築に取り組まれた米川氏の意見が掲載されていた。心温まる話として大きな話題となった「タイガーマスク運動」だが支援対象者の本当のニーズを把握しない一方的支援では、却って相手に迷惑を掛けてしまう行為だとされた。新しいランドセルが施設の全員に行き渡らなかったら好意は仇になるし、いじめの原因にもなりかねない。低開発国への支援も長期に渡ると依存心が生まれ却って人をダメにする。支援対象者が本当に欲しいのは、モノや食糧ではなく「安全」や「自立できる環境」。急場しのぎの「手当」ではなく問題そのものを解決する援助ではないだろうか。
 この他『米山学友23』 にケビンさん、『SPEECH』に姫軍さんと二人の米山奨学生OBの日本と繋がり世界に羽ばたく素晴らしい生き方が紹介されている。またガバナーのページで我らがボス 伊藤学而ガバナーが「地殻変動の中で発生した人類は、地殻変動に屈することなく、それを乗り越えていかねばならない」と力強くメッセージされているのも嬉しい。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2011年4月号 感想

 雑誌月間の特集として「印象に残った『友』の記事」が掲載されていたが、やはりどの会員も感激するところは同じだなと感じた。職業倫理についての深川PGの持論「社員こそ貴重な財産」にもとづく経営者としての崇高な生き方。『この人、この仕事』の漬物屋、染谷庄一郎さんに感銘を受けた桐生中央RC酒井会員の悩み。『SPEECH』で取り上げられた様々な視点からの水問題。そして何よりも表紙の写真の素晴らしさ、何人もの方がたった一枚の写真にこめられたドラマや詩情、メッセージを感じておられ、いちいち肯いてしまった。
 ポリオ撲滅と女子教育に挑むグラミー賞歌手アンジェリーク キジョ―へのインタビューでは「教育をうけた母親は男の子に、自分の姉や妹に敬意を払うことから教えるでしょう。それは男の子が将来女性に対して敬意を払うようになることを意味する」という言葉に、当たり前のように高等教育に胡坐をかいていた自分を含めた日本人を恥じ、支援財団の名称「バトンガ」=私を悩ませないで。私はいつだってなりたい自分になることができる、に感銘すら受けた。同じ様に東南アジアの子供たちについての民際センター 富田直樹氏のリポートにある「教育がなければ、辺境に暮らす人々が貧困の連鎖から抜け出るのは不可能です」という報告にも、我々が考えも及ばなかった初等中等教育の重要性に気付かされた。
 縦組みのページでは『この人、この仕事』水晶彫刻士の甲府北RC河野道一会員の紹介だったが、「石がなりたい形を見極めるまで2年、3年でも待つ」という達人の言葉に感心し、余技に留まらないサッカーやジャズ、太陽の季節への憧れなど全てを仕事の糧として取り込む素敵な生き方にも感動した。また今月号は『卓話の泉』に興味がそそられ、梅酒の梅と梅干の梅の違いや、誰でも知ってる南高梅の名称が南部高等学校に由来する話や、石原慎太郎東京都知事の強硬発言を裏づける、エネルギー消費の半分以上が空調と照明だという話。すき焼きと国の活力の相関関係など、楽しく読ませていただいた。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2011年3月号 感想

 今月は表紙の写真を岡井氏のCover Storyを読んだ後改めて見つめてみた。一点は霊峰岩木山と追儺の果実桃との絶妙の取り合わせ、太宰治流になぞらえれば「岩木山には桃の花が良く似合う」。もう一点は海で誕生した生命が海から上陸した風景、海の豊かな表情を撮影した作品と紹介されていた。そう思って見直すと、成る程確かに心に響く表現力を持った写真だと独りで肯いてしまった。 
 内容では、今回もクリンギンスミスRI会長のメッセージが冴えている。「簡潔であれ」、相互依存関係を持った三つの項目、強いクラブの簡潔な体系が意義ある奉仕を生み、公共イメージを向上させる、その結果がより良い世界をつくる。全くその通り。まず足元を固めることから始めなければと共感した。と思って読み進むと、バネルジーRI会長エレクトの紹介記事の見出しに「人生は単純です。それを難しくするのが人間なのです」とあり、現会長に近い考え方のエレクトかと関心をもった。入会3年でクラブ会長、38歳でガバナー、以降はRIの役員、理事を歴任、そしてそのすべての役職を義務ではなく楽しんでこなしたという素晴らしい方のようだ。「ロータリーは21世紀にふさわしい存在であるべきだ、そのためには若い世代のネットワークを確保すること。さらにロータリーの原点が地域社会にあり、地域を構成する家族にあることを自覚してほしい」とインタビューに答えられていた。RIはますます地域重視、クラブ重視へシフトしていく様に感じた。また哲学の国インドの方らしく、「世界の平和を求める前に、自分の心の平和を求めること」。ロータリーが考える世界平和とは、国際協定によって実現されるものではなく、その原点は地域社会の問題を見つけるロータリアンの力だという意見にも納得させられた。
 縦組みのページでは、吉馴茂子氏の子宮頚癌についての講演要旨が掲載されていたが、我々男性にはあまり関心のない演目だが、子宮頚癌が性感染症で、HPVはセックスによってのみ頸部に付着するという事を知って自分の無関心を恥じた。ロータリー研究会の配偶者プログラムの講演を『SPEECH』でとりあげられた意図がよく理解できた。
 『この人この仕事』で紹介された吉野隆一会員の所属する鶴岡ロータリークラブは、私の所属する鹿児島西ロータリークラブの姉妹クラブで、鶴岡市を訪問し親しく交流したたことがあるだけに、身近な話題として微笑ましく読ませてもらった。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好

2011年2月号 感想

 今月号は言葉の面白さ、説得力に驚かされた。まず始めがクリンギンスミスRI会長のメッセージ「ロータリーのDNA」。ロータリー活動の中核となる5つの価値観のことだが、ロータリアンが何者かを示す共通の本質という意味で、まさしくDNAということになる。
 次が「ポリオの移動するターゲット」。この一言でカーストに根ざした貧富の差や職業が生みだした定住しない子供たちを抱えるインドの現状、移民労働者や遊牧民をひと家族ずつ探して出してワクチンを投与するしか方法がない、というポリオ撲滅の大きな障害が見えてくる。 
 縦書きのページでは、十四代酒井田柿右衛門氏の有田の伝統を語るインタビュー記事に「きれい」ではなく「美しい」ものを、という言葉が出てくる。「きれい」は飾られた状態、不純物がない状態というだけで味がない。「美しい」は素顔の状態、日本人だけが持ち合わせている美意識。「なるほど」と唸ってしまった。また「職人は不器用な方がいい」という言葉、器用な人は早く作業を覚えるが、その余力で自分の個性が出てしまう,そんな人は職人じゃなくて作家になればいい。伝統の世界は便利なものを取り込んでいくと、本来のものが崩壊してしまう。先人が残した技を愚鈍なまでの忠実さで身につけていくのが本当の職人。作家ものだけに目を奪われていたが改めて伝統品の凄さを実感してみようと思った。
 次の『この人この仕事』大宮北ロータリークラブ染谷庄一郎さんの「漬物は文化です」も自分の商売に対するこだわりと自信が、「文化です」の一言で伝わる。野菜を保存するためのその土地ならではの技術。伝統と風習が育んだ地域文化だから見栄えや価格ではなく手間暇かけた仕事に拘るという染谷さんの言葉に商品への愛情がしっかり見えた。
ロータリーの友地区委員 深尾兼好