『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2020年2月7日金曜日

ロータリーの友を読もう2月


ロータリーの友を読もう2月
ロータリーの友地区代表委員 深尾 兼好

表紙のイラストはバレンタインデーだろうか?
プレゼントを持ったハートが抱き合い、窓越しに猫がその歓声の絵面を眺めている。
一匹(多分メス)がそっぽを向いているのが面白い。
もう一枚は、ポール·ハリスとシルベスタ·シール。
ロータリークラブの、世界で最初の例会が行われた日の食事
223日のパスタ」を例会食に取り入れているクラブもあると聞いた。

RI会長メッセージ」 
あらゆることが変化する中で、ロータリーの創設以来の理念は不変。
今年実施された様々な奉仕プロジェクトの中で、会長が実際に現場を訪問された
成功例として、東日本大震災を悲劇でなく希望と再生の物語に変えた福島県
移民労働者の研修支援を行った上海
ロータリーの水と衛生、識字率向上プログラムを提供したグアテマラが紹介され、
ロータリーは世界をつなぎながら、人々の暮らしを向上させていくと結んでいる。

今月の特集は「ようこそ島へ!」
はじめて目にする企画だと思う。6847もの島がある島国日本。
離島というハンディを、ハンディではなく魅力にして頑張る元気なロータリアンが多い。
亜熱帯の島で生物の植生と生態の特殊性を訴え、
官民一体となって世界自然遺産への登録を目指す「奄美」
ロシアの侵攻から北海道を守った会津藩士への感謝を、先輩から引き継ぎ、
ロータリー憩いの広場で「慰霊祭」を行う「利尻」
模合(モアイ)という相互扶助の伝統を活かし。IMや地区大会、国際大会への
参加を促す「石垣」。会員、家族の多くが心肺蘇生法の国際ライセンスを取得しているのも
離島ならではのこと。
また「隠岐」は古事記に登場する神話の島、世界ユネスコジオパーク隠岐の島と言われる。
韓国までわずか50キロ、国境の島「対馬」は歴史に名を遺す朝鮮通信使が
「世界の記憶」に登録され、メンバーがNPO法人を立ち上げ国境を越えた活動を展開している。瀬戸内国際芸術祭で注目されるオリーブの島、「小豆島」は樹齢1600年の
特別天然記念物シンパクの保護や会員の経営する宿が日本のベスト10に選ばれたとか。
奄美の「鶏飯」、会津の「うに丼」、石垣の「ミルミル」、隠岐の「サザエ」、
対馬の「黄金あなご」、などなど垂涎の食味も多い。
と、総じて離島のクラブはメンバーの親密度が家族並みに高いようだ。

2つ目の特集は「平和構築と紛争予防月間」
高校生1万人署名を集め平和大使としてジュネーブに届けた、被爆校長崎鎮西学院
IACの内山君。インターアクターとして堂々と世界にメッセージする彼も素晴らしいが、
こうした平和を訴える若者を育てるIACの指導教諭にも頭が下がる。
広島では、長崎-広島の中間点、福岡の上毛町に被爆樹を植え「第3の平和公園」を設け、
被爆地を超えた平和を発信した広島東南RC
田中作次元RI会長の理念「平和はあなたから始まる」を受け継ぎ、
世界中に被爆樹の苗木が届けられている。
来日したマローニー現会長は福島に植樹されたとか、秋田県に植樹した能代RC
報告の中で紹介されていた。
この他ロータリー平和フェローの活躍も伝えられる。裁判ではなく住民の話し合い
によって紛争を解決する「コミュニティ調停」や紛争の原因となる天然資源産出国の
資源収支の透明化を図るEITIと取り組むフェローや
日本人の父とアメリカ人の母を持つハーフとして、疎外されてきた歴史を直視し、
差別や平和と紛争に関する問題を映像化、HAFUを制作した
フェローが紹介されている。
次がポリオとの取り組み。日本中で展開された「世界ポリオデー」。
我が地区2730鹿児島東RC「プレス しあわせの呼吸」上映会も掲出されている。
また現物を頂いたが、2530地区福島のEND POLIOりんご」Good Ideaだと感心した。
縦組みではSPEECH 
全く耳が聞こえないユニバーサルデザインアドバイザー、松村果林さんの講演要旨。
自分の強みは「聞こえないこと」。だから分かりやすい情報の伝え方、
利用しやすいサービスについてアドバイスできる、と。
確かに聞こえないからコミュニケーションが取れないのではなく、聞こえる人が
コミュニケーションの方法を持たないからバリアがある。考えも及ばなかったが、
日本で上映された邦画のうち僅か13%しか字幕がついていないらしい。
バリアは障害者側にあるのではなく社会が作っている。
松村さんは耳が聞こえなくなっていく不安と絶望の中で自殺を図り,助けられた
という経験から「問題を解決するためには自分から動くこと」に気づき、
筑波技術短大を経てユニバーサルデザイン=障害者と健常者がともに生きる環境を創る 
を目指した。手話ができることを伝える手話ピンバッジ、普段よく使う言葉を指で示すブック、
触ればわかる地図等々、日一日とバリアが解消されてゆくが、
CMに字幕がついてない、という指摘には恐縮した。
全く意にも介していなかったが、3400万人もの難聴自覚者を無意識に切り捨てていた。
CM屋として恥ずかしい限りである。
「この人訪ねて」は大宮シティRCの那須隆男会員。
気象観測用のゴム気球を製造する会社の社長さん。3度の転職を経て
奥様のお父上に信頼されて跡を継いだ。気象衛星がバンバン飛ぶ時代に、
小学校の頃習ったラジオゾンデがまだ主役だとは、思いもよらなかった。
直径1,5mの風船が3m上空では7mに膨張するらしく、わずかの傷も許されない。
海外でも評価が高く63カ国に輸出しているとか。ロータリーへは呑めないくせに、
仲間を求めて夜例会のクラブに入会したそうで、
4つのテストそのままの横顔が見えてくる。

「友愛の広場」 ドイツのロータリアンがNSUのロータリーエンジン車で来日し、広島のロータリークーペのマツダを訪問した記事があった。ロータリーエンジン···懐かしい。
もう一つ、「マイロータリーのすすめ」 大和RCの佐々木会員が、
わかりやすくマイロータリーを解説されている。
失くなったと思っていたIM (Inter-city Meetingが都市連合会と訳され
地区プログラムとして奨励されている事がわかった。ありがとうございます。

「卓話の泉」では、自分が呑兵衛なもので、ラムの話が面白い。イギリス海軍と縁が深く
「ネルソンの曲」と言われたり、水割りを強制したバーノン提督のマント(グロッグラム)から
「オールド·グロッグ」とも呼ばれ、泥酔状態をグロッキーと言うようになった、とか
「俳壇」、「歌壇」「、柳壇」、「ロータリーアットワーク」ともに当地区からの投稿無し。そんなはずないんだが・・・