『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2020年3月13日金曜日

ロータリーの友を読もう3月

ロータリーの友地区代表委員 深尾 兼好

表紙イラストから。
護岸は桜並木だろうか?流れを昇る魚と橋の上から、それを目で追う猫。
もう一匹は流れの先を見つめている。風景には心がある。
もう1点は、米国籍ながら日本人最初のRI会長、東ケ崎潔。
Participate! 「 参加し敢行しよう」をテーマに日米の架け橋となった人。
目が涼しい。

巻頭、マローニーRI会長のメッセージは、
ローターアクトによる新しいクラブモデルの創設。
若い世代がロータリーに何を求めるかを理解し支援することが、
世界をつなぐロータリーに成長をもたらす。
確かに穴の空いたバケツに水を足しても会員減少の解決にはならない。
大胆だけどその通りだと思う。

今月は「水と衛生月間」知らなかったが3月22日は「世界水の日」らしい。
国連がロータリーと目標を共有する持続可能な開発目標SDGsの活動が
日本のロータリーでも進められている。
世界で22億人もの人が安全な水を飲めず、7億人がトイレのない生活をしている。
そのため毎日700人もの子どもたちが命を落としている。

特にアフリカが酷く、ロータリー財団学友で開発途上国の水と衛生分野の支援を
行っている宗像淳史君の報告では、井戸を掘り、水を汲み上げるハンドポンプを
供与しても、現地にメンテナンスを行う資金や知識がなければいたちごっこで、
早急に行政や民間セクターを加えた「セルフサプライ」の導入や
ICT(情報通信技術)による設備管理の必要性を訴えている。
これこそが継続可能な支援であろう。
クラブの活動としては、広島北と陵北RCが行った台湾花蓮への
取水施設の建設とメンテナンスを実行する住民のトレーニング支援。
素晴らしいのは、現地を取材し住民の声からニーズを把握し実施されていること。

神埼、佐賀南、西、大村RCはネパールへの浄水設備の設置と衛生教育。
電子データでは機能しないため印刷物にしてワークショップで使用されている。

鴨島RCは戦争でつながったフィリピンへの豊富な湧水を飲用に供するための支援。
計画にあたって会員が実際に現地に赴き、モニタリングを行っている。

以上3例が紹介されているが、何れも現地の行政、住民と一緒に活動し、意識を
もったローターアクトやインターアクトなど若い力を活用している事。
これが目的達成の秘訣だろう。

次が「ロータリアンと共に奉仕するローターアクター」の紹介。
よくある街や海岸の清掃だけでなく、「キッズタウン」や「アクトゲーム」
「街歩き」や「鍋フェス」それにロータリーのおじさんたちには言葉もわからない
「月経カップ」の普及活動など、若者が関心を持って取り組め、達成感のある
内容となっている。やはり奉仕活動は楽しめることが一番。
そして、「ホルガー・クナーク次年度RI会長」の紹介。
ビジネス カジュアル 風貌を見ると陽気で楽しい方のよう。
青少年交換プログラムに長年取り組み、
「ロータリアンになるのにふさわしくない年齢はない」が持論。
次年度のテーマは
「ロータリーは機会の扉を開く」
久々に解りやすいテーマだと感じる。ロータリアンになれば、
新しい機会が得られ、その機会、例えば奉仕の機会を活かすことは、
奉仕を必要としている人にも機会を提供する。双方向の機会ということ。
テーマのロゴには
ブルーゴールドと共にローターアクトのクランベリー
が使われている。アクトへの期待が伺える。
ご夫婦に子供がいないことが、ホストファミリーを務めることによって、
青少年交換が二人の最高のプログラムとなり人生を豊かにしてくれた
と述懐された。
氏はガバナーになるまで一度も地区のリーダー職についたこともなく、
ゾーンでのリーダー職を経験することなくRI理事になったという不思議な方で、
一人では何も出来ないことを自覚し、年齢性別に関係なく情熱を傾ける人物を
尊敬する、という方。
だから
次年度に重点を置くのは、若い世代を信頼し、頼りにしてロータリーの
新しいモデルを創り、ロータリーを強くすること。
「真にロータリーの一部になることは、ロータリーの活動を誇りに思う
ことであって、自分が何をしているかという自己中心的なことではない」
という言葉が印象に残った。
「END PORIO NOW
パキスタンの現状は野生株ポリオの発症が100人を超えたという報告。
今まで入れなかった地域に入れるようになったためだが、ここから感染者を
増やしては苦労が水の泡。チームポリオジャパンの活動に頭が下がる。
縦組み、「SPEECH」は京大名誉教授で関大社会安全研究センター長、
河田惠昭先生の講演要旨 「変貌する自然災害と縮災対策」 
縮災という言葉は初めて見るが、河田先生の造語で「災害が起きる前に対策を
実施し被害を少なくすること、と発生後の早期復旧・復興を目標とすること」と
定義されている。
自然災害は予知できないし、完全に防ぐ手立てもないのが現状で、縮災対策を
事前に徹底することが必要。と政府に提言されている。
インドネシアの例を見ると、2005年の災害で15万人がなくなり、世界中からの
多額の支援で津波早期検知用のブイを浮かべたが、
2018年再び起きた津波では全て故障して機能しなかった。
修理する金がなかったのが原因とか。
SDGs持続可能な支援が叫ばれる所以でもある。
成程と思ったのは、土石流は一度起きると、流れる土石がなくなるため
2~30年は同じ場所で起きない、
にも関わらず,「災害対策基本法」は災害が起きたら、
二度とそこで繰り返さないことを目指す法律なので、その時その場所でしか
機能せず、必ずしも必要ではない砂防ダムに多額の資金が費やされる。
本当は別の場所が危険なのに。
だから縮災。
害が起きる前に被害を少なくする手立てが必要となる。
想定外の外力を防災設備によって完全に制御するのは不可能だから、
緩和するという対策は現実味がある。
また、ロボットならプログラムされた危険基準になったら即、退避するが、
人間は曖昧で、「まだ大丈夫」、「まさかそこまでは」という意識が行動を遅らせる。
水害タイムラインを導入し、
全住民、少なくとも行政機関が同じ基準で行動することが必要、とされた。
防災訓練は失敗することが大事、失敗から人は学ぶ。その場を繕っては
いざという時に過ちを繰り返す。心に留めておきたい言葉だ。

「この人訪ねて」
山形長井中央RCの梅津雄治さん。けん玉製造日本一を誇る会社の経営者。
全国最年少27歳でロータリアンとなった現在35歳の若社長。
けん玉には様々な技があり、段位もあれば全日本選手権もある、とか。
仕事が好きで365日働きたいが、家族と従業員のために週休2日を守っている。
理想的なロータリアンだなぁ・・
投稿では何と、俳壇に我が地区、我がクラブの
長柄英男会員がトップに掲出された。
これは第一席ということかしら。
「血飛沫を上げる首里城末の秋」
うーん素晴らしい。小生も先月、灰燼と化した首里城を訪ねたが、
ホントに血飛沫をイメージする痛みを覚えた。